- 2014-2-1
- 銀行紹介
せっかく担当者と知り合えたとしても、その担当者と仲良くなって自分のことをよく知ってもらわないと紹介は起こりません。
担当者と仲良くなるのに一番いいのは、短期間で何回も会うということですが、その方法については「自ら銀行を訪問して銀行の担当者と知り合う」のところで既に説明していますので、そちらを参照ください。
あらかじめ何度も会うしかけをして、仲良くなるというのも一つの方法ですが、あることをすると、担当者の方から積極的に事務所に顔を出してくれるようになるという方法があります。
それは、「新たに取引してくれる顧客(見込み客)を紹介すること」です。
毎年、顧客の流出が2割程度発生するため、渉外担当者は絶えず新規客を求めています。
支店の業績評価においても、新規客の獲得はポイントが高いため、支店長や役席は、渉外担当者に対して「新規先を獲得して来い」と指示します。
飛び込み訪問は新規客を獲得するのには決して効率的な方法ではありませんが、他に新規客を獲得するすべをもたない渉外担当者は「何かしている」というアリバイ作りのためにも、飛び込み訪問を繰り返し、断り続けられます。
だから、簡単に新規客を獲得できる「紹介」は、のどから手が出るほど欲しいのです。
新規客となりえる「見込み客」をたくさん紹介してくれる人であれば、より仲良くなっておきたいというのは、渉外担当者なら誰でも思うことです。
「紹介」といっても、そんな大層なことをする必要はありません。
その支店のテリトリーに自分の顧問先がある場合は、
「○○くん。××町の△△工業株式会社って君のところの銀行と取引ある?もし、取引がないのなら、一度、社長のところに連れて行ってあげましょうか。」
と言って、その担当者を顧問先に連れて行くだけでOKです。
その際、
「連れていって社長に紹介するのはしてあげるけど、その先、取引につなげるかどうかは君次第だよ。私ができるのはそこまでだから、あとは自分の努力でね。それでいいですか?」
と聞けば、
「ぜひ、お願いします。」
という返事が返ってきます。こう言っておくことによって、うまく取引につながらなくても、その担当者の努力不足ということになりますから、こちらとしては気に病むことはありません。
「新規客を紹介する」ではなく、「知り合いのところに連れて行ってあげる」というスタンスをとることで、こちらとしても心理的負担は軽くなりますし、その後、
「この前、連れて行った△△工業株式会社」はどうなりました?」
と、話を振ることにより、話題にも事欠かないようになります。
もし、あなたが他にも「連れて行ってあげることのできる先」があるのなら、続けて紹介することで、担当者は、
「この人は新規客を紹介してくれる人」
と認識し、もっとたくさん紹介してもらおうと思って、足しげく通ってくるようになります。