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銀行員への人材紹介機関となる(銀行から紹介依頼が集中する理由②)

銀行員に対して、取引先の経営者は頻繁に「○○ができる人を紹介して」とか「××を取り扱っている会社を紹介して」と簡単に依頼してくるということは、前項で説明しました。
その要望に応えることができなければ、取引先から
「つかえない奴」
と評価され、融資案件か何か頼みごとがあっても、依頼してもらえないようになります。
だから、そんな取引先からの依頼があった場合は、銀行員はできる限り、相手の要望に応えようと努力します。

優秀な担当者の頭の中には「高性能の取引先データベース」がありますが、そのデータベースの中に、取引先すべての要望に応えられるような人たちが登録されているわけではありません。
自分たちとつきあいのない人は、当然、データベースには登録されていないのです。
「介護施設の立ち上げに詳しいコンサルタントを紹介してほしい」
と融資先の社長から依頼されても、自分の取引先に「介護事業者を対象にコンサルティングをしている専門家」がいなければ紹介することはできません。

そんなときに、まず誰に聞くかというと、「取引先の会議事業者」の方。
でも、いつも都合よくそんな取引先がいるとも限りません。
そんな場合、次に相談するのは「懇意にしている士業・コンサルタント」なのです。
経営者が自らの経営上に関する困りごとが発生したときに、税理士の先生や銀行員に相談するのと同じような感覚で、銀行員は懇意の専門家に相談します。

なぜなら、「銀行員も士業・コンサルタントの方なら顔が広いので、取引先が希望されている人材を紹介してくれるだろう」と思い込んでいるからです。
私も銀行員時代に事務局をやっていた「若手経営者勉強会」で、「次回はマーケティングに関する勉強をしたいので、専門家の講師を見つけておいてください」と頼まれたことがあります。
私には、そのような専門家の知り合いはいません。勉強会の日程は近づいてきます。
困った私は、以前、知り合いになり、2度ほど話をさせていただいた公認会計士の先生に電話をして
「○○先生、覚えていますか?□□銀行のヒガシカワです。今日は○○先生にお願いがあって、連絡させていただきました。今度、「若手経営者勉強会」でマーケティングの勉強をしたいということになったのですが、その講義が専門家を探しています。○○先生の知り合いで、そんな専門家の知り合いの方はいらっしゃいませんか?」
と尋ねたところ、ぴったりの人材を紹介してくれました。とても助かりました。

その後は、取引先からいろんな人への紹介の要望があったときなどは、いつも、その会計士の先生にまず相談していました。
こちらが相談するばかりでは申し訳ないので、何かその会計士の先生の仕事につながりそうな案件があれば、真っ先に紹介していました。

銀行員には「人を紹介してほしい」という取引先からの依頼は結構あります。
「いろいろな人を紹介してくれる人」というイメージを銀行員に与えることができれば、今までより格段に銀行員との接点は増えます。
接点を増やして、相手との関係を強化すれば紹介も自然と増えることになります。

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