金融庁は、本腰を入れて、融資を増やす指導をしていく方針になりました。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
少し前の話になりますが、6月8日(木)の日経新聞に、こんな記事が掲載されました。
この記事の中で特筆すべきなのは、
「金融検査マニュアルを廃止する」
ということなのです。
今まで、金融検査マニュアルがあったため、金融機関は、12年以上、
「債務超過先」や「赤字決算先」に対して、積極的に融資をすることができませんでした。
たとえ、その会社に大きな成長可能性や将来性があったとしてもです。
この金融検査マニュアル下での融資審査において、重要視していたのが「財務諸表」。
財務諸表を見て、取引先の格付けをし、格付けの高いところには融資をしましたが、
格付けの低いところには、融資を行いませんでした。
少し前まで、特に、保険業界において、
「格付けがアップする財務諸表にしましょう」
というセミナーが、よくありましたが、格付けを上げることで、融資をしてもらいやすくなったからです。
現在は、金融庁は格付けチェックをしていないため、金融機関も以前ほど格付けを重要視していません。
ですので、財務諸表に手を加え、金融機関好みのものにして、格付けをあげるという手法は、
時代遅れになってしまいました。
(とはいえ、格付けが低いよりも高い方がいいのが当たり前ですが・・・)
金融検査マニュアルがあったため、融資に対する銀行員や金融機関の職員のレベルは、
大幅に下がってしまいました。
それまでは、たとえ財務諸表の内容が悪くても、担当者が、担当企業を調査し、経営者に対して、
積極的にヒアリングを行うことで、その企業の将来性や成長可能性を見極め、それを稟議書に反映させることで、
「この企業は、赤字企業だが、将来的には、必ず返済出来る」
とし、困難な融資を実行させてきました。
この融資スタンスは、今、金融庁が積極的に推進している
「事業性評価融資」
と同じスタンスだったのです。
金融庁は、金融検査マニュアルを廃止することで、金融機関の本来の姿である
「将来性や成長可能性の高い企業を、より輩出しサポートする」
という姿に新たに変革しようとしているのです。
金融検査マニュアルに変わる、金融機関を指導するためのツールとして、
金融仲介機能のベンチマークを、昨年9月に、金融庁は発表しました。
金融仲介機能のベンチマークについては、下記ブログ「【金融仲介機能のベンチマーク】とは?」を
ご参照ください。
https://www.npc.bz/yuushi/20170114
これから、中小企業を支援する士業やコンサルタントは、「金融検査マニュアル」ではなく、
「金融仲介機能のベンチマーク」について、より深く学んでおく必要があります。
そうすることで、中小企業経営者が、より融資を受けやすくなるためのサポートが
できるようになるからです。
金融検査マニュアル廃止後、より融資を受けやすくなるために何をすべきか?
今後、重要になってくるのは、「事業計画書」なのです。
今まで、「格付け」を重視していた金融機関が、今後、重視してくるのは、
「将来性」と「成長可能性」。
それを、効果的に伝えることができる資料が「事業計画書」だからです。
しかし、ただ単なる「事業計画書」を作るだけでは、意味がない。
「金融機関が欲しがる情報がきちんと書かれている事業計画書」が必要なのです。
そんな「金融機関が欲しがる情報がきちんと書かれている事業計画書」を作れるようになるためのヒント
が手に入ります。
●「融資に強いFP・士業になる方法」セミナー
https://www.npc.bz/fp-shigyou/
(東京) 7月3日(月)、21日(金)、22日(土)、8月3日(木)、4日(金)
(大阪) 6月27日(火)、28日(水)、7月13日(木)、15日(土)、25日(火)
※8月以降も日程あり。詳しくはサイトをご参照ください。
現在の金融庁のスタンスとこれからの金融機関の行く末を知りたいのなら、必読の書です。