- 2014-2-13
- 銀行紹介
- 金融機関とのつきあい方
銀行が専門家に求めていることはいくつかあります。
「経理のサポート」「試算表の早期作成」「経営者に対する教育」「融資の際の資料作成サポート」「事業計画書の作成サポート」「顧客の経営上の悩みを解決するサポート」などです。
税理士や会計士の業務に直結するようなサポートが多いですが、別に税理士や会計士でなくても、こういった支援は可能です。
① 経理のサポート
私が貸付担当をしていた頃、一番イライラした融資先は、「帳簿をしっかりとつけていない(=経理がいいかげん)」ところでした。
銀行が融資をする際にはいろいろな資料の提出をお願いします。融資稟議書を作成するために必要だからです。しかし、経理がいいかげんなところは、いつまでたっても、そういった資料を提出してくれません。資金が必要な日にちは決まっているのにもかかわらず、そういった資料がないと稟議が書けないため、気ばかりあせります。
挙句の果てに、そういう顧客に対して「いいかげんな顧客」という風に見る目が変わります。いいかげんな顧客は返済に関してもいいかげんになりがちとなるため、どうしても融資審査に対する姿勢が厳しくなりがちになっていました。
税理士や会計士などの専門家がそばについている場合は、必要な資料を比較的早めに提出してもらうことができます。これが貸付担当者にとっては、大変助かることなのです。
別にあなたに記帳代行することを求めていません。
必要な資料を必要なタイミングで出せるような会社の体制構築をもとめているのですから、そういいた指導を行ってもらえれば助かるのです。
② 試算表の早期作成
融資を行う際にほぼ必ずといっていいほど徴求する資料に「試算表」があります。
試算表によって、「現在の取引先の状況」を把握することができるからです。
なので、稟議を書く際の試算表は最新のものを求めます。
融資を依頼され、試算表をお願いした際に、提出された試算表が2ヶ月前のものであると、「翌月の試算表も出せない会社なのか。」と、とても頭に来ます。
そのときには「先月の試算表をお願いします」と言いますが、返ってくる答えの多くは、
「税理士がなかなか出してくれないのですよ」というせりふです。
稟議に追われてイライラしている状態の私は、そんなときには
「そんないいかげんな税理士、変えてください。」
と思わず言ってしまったことも何度もありますし、実際に別の税理士を紹介したこともあります。
それぐらい頭に来るのです。
でも、税理士が原因であるということはほとんどなく、問題は社内体制にあるということが少なくありません。
銀行からすると、「融資を積極的に行いたいと考える会社」は、少なくとも15日までには試算表を提出できるような会社です。1ヶ月遅れの試算表なんてもっての外。
「翌月の15日までに試算表が提出できる社内体制の構築の支援をしました」と言うだけで、あなたの銀行員からの評価は格段に高まります。