- 2014-2-14
- 銀行紹介
- 金融機関とのつきあい方
融資をする際には担当者として融資先の経営者からいろいろと話を聞かなければならないのですが、そのときにとまどうことがあります。
当然知っていると思われるようなことを経営者が知らないときです。
「売上総利益」や「営業利益」「経常利益」という言葉は知っていなくても経営はできますので、そういう言葉を知らないことについては気にしません(出来れば知っておいてもらっているほうがありがたのですが)。
でも、
「社長、先月の利益はどれだけありましたか?」
と聞いた時に、
「そんな細かいことを聞かれてもわからない」
と言われた日には、
「あなた経営者なんでしょう。自分の会社がいくら儲かったのか把握していないというのはどうなのですか」
と心の中で毒づいてしまうこともあります。
別に経営に必要なすべての知識を知っておいて欲しいなんて大胆なことは思いません。
最低でも経営者として頭に入れておくべき知識は、すぐ答えられるようにはしておいて欲しいのです。でないと、「ここに本当に融資をしても大丈夫か?」と不安になるからです。
かといって、どんな知識を身につけておけばいいのか、経営者本人にはわからないこともあると思います。
そんな経営者に対して、そばについている士業・コンサルタントが教えてあげて欲しいのです。
先ほどの質問を経営者にした際に、その経営者に顧問税理士がついている場合には、担当者は、顧問税理士に対して
「前月にどれくらい儲かっていたのか、税理士が経営者に当然伝えるべきことじゃないのか。仮に伝えたとしても経営者の頭に入ってなければ意味がないだろう。もうちょっとしっかり仕事をしてよ。本当に使えない税理士だな。」
と悪い印象を持ってしまいます。
銀行員が経営者に持っておいてほしいと求める知識は、「財務(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー)に関する知識」「マーケティング(売上をいかに作っていくのか)に関する知識」「経営上のリスクに関する知識」「自社のビジネスにおけるヒト・モノ・カネ・情報・ノウハウに関する知識」「組織を円滑に動かすための知識」「経営者がリーダーシップを発揮するための知識」「銀行づきあいを円滑に進めるための知識」などです。
これらの知識を身につけることで「知らなかった」とというだけの理由で起こってしまう経営上の失敗をほとんど避けることができるようになるからです。
よほど意識の高い経営者でない限り、そういった知識を自ら身につけるということはないということは銀行員は知っています。だからこそ、そばについている士業・コンサルタントにそういった知識を経営者が身につけるように教育してもらうことを期待しているのです。