信頼を得るために、金融機関では、ひと言も話してはいけない

自分の果たすべき役割を間違うと、逆効果になります。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

中小企業の経営者が融資の相談をするために取引金融機関を訪問する際、顧問税理士やコンサルタントが同行することが時々あります。

よく、金融機関のことを理解していない士業やコンサルタントが「銀行に同行訪問すると逆効果ですよ」と言うことがあるのですが、それは間違った認識です。

逆効果になるのは、同行した士業など専門家が「金融機関と交渉しようとするから」です。
　

士業・コンサルタントは経営者と積極的に銀行同行しよう

同行訪問すること自体は、全然悪くありません。むしろ役割を明確に理解している士業やコンサルタントの方が同席すると、貸付係としてはとても助かります。

金融機関に同行する士業やコンサルタントがすべきことは、交渉ではなく、「金融機関の担当者と社長の話を、黙って聞くこと」。

担当者と社長が話しているときは、ひと言も発する必要はありません。じっと二人の話に耳を傾けるだけで、融資をしてもらえる確率を格段に高めることができます。
　

銀行同行すれば融資がスムーズに運ぶ

経営者が融資を申し込んだ際、金融機関の担当者は経営者にあれこれとオーダーを出します。また、さまざな資料の提出を求めます。このような金融機関のオーダーにスピーディに応えることができれば、融資はとてもスムーズに実行されます。

しかし、多くのケースで、そうなっていません。

何故か？

それは、「経営者が、金融機関の担当者が出しているオーダーを理解していないから」です。

試しに、金融機関に融資を申し込みに行った経営者に士業・コンサルタントなどの専門家が「金融機関は何と言っていましたか？」と尋ねると、ほとんどの場合「よくわからないのですけどもね」という言葉が返ってきます。金融機関で話をきいていても、理解していないことが多いのです。オーダーの内容がわかっていないので、応えるためのリアクションもできません。

銀行側も、取引先経営者に出したオーダーに応えてもらえないと動けません。だから担当者は「あの件どうなっていますか？」と経営者を詰めてきます。

次第にそれが鬱陶しくなり、経営者は金融機関との距離を取ろうとしてしまいます。金融機関との距離が広がれば、金融機関も融資しづらくなり、悪循環となります。

また、資料についても経営者は「どのような資料を出せばよいのか」が理解出来ていないため、経理の担当者や顧問税理士に資料作成を依頼します。ても、どんな資料が必要なのかうまく説明できないため、トンチンカンな資料が出来上がったりします。

そういう状況を避けるために、士業・コンサルタントは同席し、二人の話をしっかりと聞くのです。
　