- 2018-7-6
- 顧客獲得
- 士業のビジネスモデル
税理士事務所の事業承継には、こんな危険がはらんでいます。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
先日、ある税理士の方から相談がありました。
その方は、二代目税理士で、現在、父親の会計事務所に勤めていらっしゃいます。
「今、父親の事務所で働いているのですが、このままでいいのかどうかとても不安です。
私の事務所は、記帳代行と税務申告をメインで行っており、所員も10名ぐらいいる、
それなりの大きさの事務所です。
ただ、少しずつ顧問先が減っているため、将来的には、漠然と不安を感じています。
このままではいけないと考え、私自身は、税務申告や記帳代行業務から、
コンサルティング業務に軸足を移そうと、父に提案しているのですが、まったく取り合ってくれません。
また、他の所員も、現状の仕事内容を変えたくないのか、全く協力の気配がなく、
逆に足を引っ張ってくるような言動さえしてきます。
父親も、5年以内には引退すると言っていますが、
このまま5年間、じっと我慢しておいたほうがいいでしょうか?」
という相談の内容でした。
その相談に対する回答は、ここでは申し上げませんが、かなり大胆なアドバイスをさせていただきました。
(どういうアドバイスをしたのか、お知りになりたい方は、ヒガシカワまで直接お問い合わせください)
実は、このように悩まれている2代目や3代目税理士の方は少なくありません。
税理士事務所の事業承継を上手く行わないと、かなり高い確率で、継いだ事務所が
「焼け野原事務所」
になってしまいます。
「焼け野原事務所」とは、
1.離脱する可能性が高い顧客が残っている
2.月額報酬が安い顧問先が多い
3.顧問先数が多いため、所員の数も多い
4.所員の平均年齢が高い
という事務所のことを言います。
つまり、継いだのはいいものの、ビジネスモデル的に採算が合わないようになっている事務所のことです。
このような事務所を継ぐと、事務所経営は、継いでから間もない時期に破綻してしまう確率が高いです。
その理由を説明すると、
1.離脱する可能性が高い顧客が残っている
現在の所長税理士とのつながりがあるため、顧問契約を継続しているが、
顧問先の経営者も高齢化しているため、顧問先の事業承継が行われた場合は、
税理士を変更される確率がかなり高い。
二代目税理士と現顧問先との関係が構築出来ていない場合、事務所を承継したことで、顧問先としては、
顧問契約を継続する義理が薄くなるため、税理士の変更になることが多い。
つまり、承継した瞬間から、顧問先数が激減するリスクを抱えているのである。
2.月額報酬が安い顧問先が多い
記帳代行と税務申告業務は、どんどん価格が下落している。
それ以外のメリットを顧問先に提供していない場合、もっと顧問料が安いところに
税理士事務所を変更するか、顧問料の引き下げを依頼されることは、十分あり得る。
顧問先数が変わらずとも、売上が低下する可能性は、とても高い
3.顧問先数が多いため、所員の数も多い
旧態依然とした税理士事務所業務を行っている場合、記帳代行と税務申告は
「労働集約型業務」であるため、顧問先数が多いと、どうしても所員数も必要となる。
すなわち、固定費が高くなるということになる。
顧問先数が減ったり、顧問先単価が低減したりしても、
長く努めている所員の首を切ることは容易にはできないため、
固定費を削減することは難しくなり、収益を圧迫する要因になる。
4.所員の平均年齢が高い
現所長と長く一緒に働いている所員がいると、所長と同じように、
変化を望まない体質になっていることが多い。
危機感を持って、ビジネスモデルを変えようとしても、逆に足を引っ張ってくる。
このような所員が多ければ多いほど、事務所を承継した場合、ビジネスモデル変更の障害となってしまい、
結局、旧態依然としたビジネスモデルで継続しなければならないようになってしまう。
もし、あなたが二代目税理士で、今の所長が、旧態依然とした税理士のビジネスモデルに
固執しているようであれば、今のうちに、その税理士事務所を飛び出して独立することをお勧めします。
多分、今の事務所に勤めていても、事務所を承継するころには、
「焼け野原事務所」
となっている可能性が高いと思います。
まず、自分で新たなビジネスモデルの税理士事務所を作り、そこである程度、
基盤を固めることが出来たのであれば、父親の事務所が事業承継をしなければいけないときに、
「よい顧問先」のみを引き取り、それ以外の顧問先と所員については、承継しないという形にしないと、
生き残ることはできないのではないかと思います。
税理士はなくなる職業か?
否!
税理士は決してなくなりません。
ただ、淘汰される税理士と、淘汰されない税理士に分かれるだけです。
実際、海外ではクラウド会計が浸透している国もあり、そういった国では、
むしろ報酬が増えた税理士が増えたという例があります。
そういった税理士は、クラウド会計をうまく利用し、事務作業の時間を減らし、
それで空いた時間を、顧問先のコンサルティングに使っています。
その結果、顧問先の業績が上がり、顧問料アップに繋がっているということです。
旧態依然としたビジネスモデルの税理士は淘汰されるかもしれませんが、
新たなビジネスモデルを確立することで、報酬を増やすことができるようになるのも、
これからの税理士です。
そんな、税理士として新たなビジネスモデルを確立するためのヒントが手に入ります。
(東京) 2月7日(木)、12日(火)、26日(水)、27日(木)、3月11日(水)、12日(木)
(大阪) 2月6日(木)、13日(木)、24日(月・祝)、3月9日(月)、17日(火)、25日(水)
※3月以降も日程あり。詳しくはサイトをご参照ください