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事業性評価融資が進まない理由(のひとつ)- リスケや焦げ付きの際に担当者の人事評価が下がる

こんな意外な理由があったとは…

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員は、顧問先の経営者とともに金融機関を訪問して、関係強化のお手伝いを行っています。またひとりでも積極的に金融機関を訪問し、融資に関する情報収集も欠かしません。

そんな活動報告をしばしばいただくのですが、現場の話だけに参考になる内容が多々あります。今回は私も驚きました。事業性評価融資についての現場の声を、このブログ読者のみなさんにもお知らせしましょう。
 

事業性評価融資に消極的な現場

この会員は、先日たまたま地域系金融機関(信用組合)の外交(主任クラス)と話す機会があり、金融庁が推進する事業性評価融資について尋ねてみたそうです。

すると…

●たしかに上からはそのように言われている

●しかし現場はそう簡単に、そんな基準で融資できない

万が一リスケまたは焦げ付きになった場合、上司はもちろんだが、担当者も責められる

●たとえば、本部を中心とした全店会議などでも、自分がやらかした焦げ付き事例が共有される
(さらしものになってしまう)

自分も組織に生きるサラリーマンだし、そうリスクはとれない
そりゃ金融庁が言うことは立派だけれど…

 

担当者の個人レベルの問題だけではない

金融庁が金融機関に発破をかけているのにもかかわらず、事業性評価融資が進んでいない理由として、今まで私は以下2点を挙げてきました。

1/担当者が忙しいため、事業性評価融資をするための情報を収集する時間が無い
2/担当者のヒアリングレベルが低いため、必要な情報収集ができない

しかし、それだけではなさそうです。

情報収集能力が高く、時間を効率的に使える優秀な担当者なら、事業性評価融資に積極的に取り組むことができます。とはいえそのような優秀な担当者がほんの一握りしかいないせいで、事業性評価融資が今一つ進んでいないのだと思っていました。

しかし理由はそれだけでなく、「金融機関が人の扱い、または評価制度などを変えないと、渉外担当にも人生があるのでリスクを取りにくい」背景もあるのですね。
 

担当者のチャレンジが評価される組織環境を

頑張って事業性評価融資をしたものの、たまたまそれが焦げ付いた場合、その融資を理由に出世の道が閉ざされてしまうのなら、次は躊躇してしまいますよね。

また周りも同様で、組織人としての保身を図るためには今までと同じことをせざるを得ない状況になってしまいます。

事業性評価融資が進まないのは、個人の素質・努力レベルの話と同時に、人事評価を含む組織の運営レベルの話でもあるのです。

かといって今のままでは、金融機関のビジネスモデルは破綻してしまいます。
 

金融機関の合併が進む今こそ求められる「目利き力」

これからは金融機関自体がビジネスモデルを変えていかないと、生き残っていくのは難しいと思っています。今後、金融機関の合併は進んでいくでしょう

合併の際、吸収する側の金融機関と取引している中小企業は、今までと同じような支援を受けることはできるでしょう。しかし、吸収される側の金融機関と取引している中小企業は同じような支援を受けることが難しくなり、資金調達が困難になります

そういう状況にならないために今から行っておくべきことは、「吸収する側になれる金融機関と取引を行うための目利き力を養っておく」「複数の金融機関と取引をしておく」の2点です。


しかし中小企業の経営者が、金融機関に対する目利き力を身につけるのは簡単ではありません。だからこそ士業やコンサルタント等の専門家が、その目利き力を身につけて、中小企業の経営者にアドバイスすることが求められてきます。

そんな、金融機関の目利き力を身につけるためのヒントが手に入ります。

※融資に関する質問などにもその場でお答えします

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