- 2018-10-24
- 融資サポート
- 金融機関とのつきあい方
信用保証協会の保証付き融資にこだわっている金融機関の未来は暗い。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
10月19日(金)の日経新聞の朝刊に、
「中小企業向け融資、リスク恐れず 「保証付き」バブル期以来の低水準」
という記事が掲載されていました。
中小企業が今後、資金調達を行う上で、是非、参考にしていただきたい記事ですので、
紹介させていただきます。
[blogcard url=”https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3666247018102018EE9000/”]
この記事を要約すると、
・金融機関が中小企業への融資に積極的になっている
・「要管理先」にも、融資を行う金融機関が現れてきた
・ある地銀は、信用保証協会のの保証付き融資をプロパー融資で積極的に肩代わりしている
・金融機関が積極的にリスクを取って融資を増やしている
・低金利下で保証付き融資の金利が保証なしの融資より高くなる現象も起きている
といったことが書かれています。
金融機関は、今後、
「保守的な融資(信用保証協会の保証つき融資や、第三者保証をを取ろうとする融資)を、
今まで通り行っていく金融機関」
と、
「自らの目利き力を高めて、積極的にミドルリスク先に融資をしようとする金融機関」
という風に二極化していくと考えられます。
信用保証協会の保証付き融資の場合、金融機関のリスクは少ないため、
金融機関としては、融資しやすくなります。
しかし、融資判断の多くを信用保証協会に頼っているため、自行庫の目利き力は、高まりません。
また、保証協会の保証付き融資は、保証料が必要となるため、今の金利水準で言うと割高になります。
要は、自分たちの都合(目利き力がない故のリスクヘッジ)で、取引先中小企業に、
しわ寄せを受けさせているということです。
金融機関の本来業務は、
「取引先の事業内容や、将来性、成長可能性を目利きし、
その企業の成長や発展に資するための資金を供給すること」
なのですが、信用保証協会の融資に過度に頼っている金融機関は、
そういった、自らの使命から、目を背けているとしか思えません。
しかし、目利き力を高めて、ミドルリスクを自ら取りに行っている金融機関が増えている
ということを、この記事では言っています。
それだけなら、とてもよい傾向だと思えるのですが、記事の終わりのほうに、
「事業性の評価に基づいて積極的にミドルリスクを取る例と、
貸出先に困り十分に実態を把握しないまま過度なリスクを取る例の両方がある」
とありました。
目利き力のない金融機関が、貸出先に困った結果、リスクを見極めず、
積極的に融資を行っているという実態もあるようです。
このような、目利き力のない金融機関が、ミドルリスク先に対する融資を拡大すると、
将来的に、貸し倒れが増え、その金融機関自体の経営が不安定になります。
今後、中小企業としては、取引金融機関が、
A:「目利き力を持って、ミドルリスクをとる金融機関」
なのか、
B:「目利き力がないのにも関わらず、とりあえず、ミドルリスク先への融資を拡大している金融機関」
なのか、
C:「今後も、信用保証協会を積極的に使って、保守的な融資を行い続ける金融機関」
なのかを見極める必要があります。
BやCの金融機関には、明るい未来は待っていません。
中小企業にとっても、BやCの金融機関とつきあっていると、将来的な資金調達力に支障を来しますので、
今から、Aの金融機関を見極め、複数つきあっておくということが重要になってきます。
金融機関が取引先の信用格付けを行った場合、赤字決算や債務超過、リスケをしている企業の格付けは、
低くなります。
そういった、企業のことを「ミドルリスク先」と言うのですが、
今、このミドルリスク先に、積極的に融資しようとする金融機関が現れてきています。
中小企業は、そういった金融機関とつきあうべきなのですが、
そのような金融機関を、どうやって目利きすればいいのかわかりません。
今後の士業やコンサルタントの役割の一つに
「優良な金融機関を目利きし、中小企業が、そういう金融機関と取引を始めるための支援を行う」
というものがあります。
そんな、「優秀な金融機関を目利きできる力」を身につけるためのヒントが手に入ります。
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