- 2018-11-27
- 金融機関との関係づくり
- 金融機関とのつきあい方
担当者に協力しても、「お返し」は期待できません。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
銀行をはじめとする金融機関の担当者から、月末や決算末近くになると、
「何とか、ご協力をお願いできませんでしょうか。」
と、融資協力や預金協力、投資信託や保険の購入協力を依頼してくることが少なくありません。
先日も、ある税理士と話をしていたときに、
「月末の忙しいときに、担当者がいきなり訪問してきて、
「今月のノルマが足らないのです。何とか、今日中に投資信託をお願いします。」
と言ってきて、とても困りました。
担当者から、ノルマをこなすための協力を依頼された場合、応えてあげたほうがいいのでしょうか?
それとも、無視してもいいのでしょうか?」
と尋ねられました。
結論から言いますと、担当者からの協力依頼については、
「NO」
と言っても構いません。
担当者がノルマをこなすための成果に協力しても、見返りは期待できないからです。
かといって、無碍に断ってしまうと、次に融資を申し込んだときに、
前向きに取り組んでもらえないということも考えられるので、
なかなか断りづらいということもあるでしょう。
そんなときに、どうのように断ればいいのか、その断り方についてお伝えさせていただきます。
担当者が単独で協力依頼してくる場合というのは、
「自分のノルマをこなすための協力依頼」
ですので、そこで貢献しても、上司である渉外担当者役席や支店長には伝わりません。
担当者に恩に着せても、上部にその貢献が伝わっていなければ、
それは意味がない貢献ということになります。
そんな貢献をいくら重ねても、大事なとき(例えば、資金繰りが苦しくなって融資を申し込んだとき)に、
相手が協力してくれるかといえば、それは期待できないからです。
貸しをつくるときは、担当者ではなく、できるだけ上部(役席や支店長)に作るべきなのです。
担当者から協力依頼があったとき、私は担当者にまず、こう聞いています。
「それを協力することで、あなたやあなたの支店が次の業績表彰式で、
表彰台に上がれるような重大な協力となるようなものですか?
それとも、ただ単なるノルマをこなすためのものなのでしょうか?」
こう聞くと、ほとんどの場合は、
「ノルマをこなすための協力依頼」
と答えてきます。
その場合は、
「ノルマをこなすために協力をするのは、際限がないので、今回は遠慮させてください。
ただし、本当に「ここぞ」というときに協力が必要なのであれば、協力させてもらいますよ。」
と伝えています。
そうすることで、
「この顧客は簡単に協力してくれる顧客ではない。」
と認識してもらえるようになり、毎月末、協力依頼のために訪問されるということは、なくなります。
厚かましい担当者になると
「今回の依頼は、うちの支店にとっても重大なものになります。
ですので、協力願えませんでしょうか?」
と言ってくることもあります。
その場合には、
「それが、どのような重大な結果になるのか、あなたの上司から聞かせてもらいたい。
そんなに大事なものであるのなら、協力するのはやぶさかではないので、
その説明を支店長から聞かせてもらってもいいかな?
それだけ大事なものであれば、支店長も説明をしに来てくれるでしょう。
支店長が来て説明するだけの値打ちがあるものでないのなら、
こちらも協力する価値がないですから。」
と答えています。
担当者にとっても、自分のノルマをこなすために支店長に出張ってもらうよう、
頼みづらいため、本当に必要でない場合は、
「いえ、そこまでのものではありません。」
と、引き下がります。
本当に支店長を連れてくる場合は、本当に、協力が必要な場面ですので、
協力できるのであれば、協力してあげれば、支店全体として恩に感じてくれます。
そうなると、今度、こちらが困った時には、前向きに対処してくれることも少しは期待できます。
とにかく、担当者レベルの協力依頼については、簡単に協力しないことをお勧めします。
有能な担当者は、簡単に協力依頼をしてきません。
有能な担当者であれば、先に顧客に貸しを作っているため、無理に頼まなくても、
顧客側から積極的に協力してくるからです。
「ノルマが足りません」と言って、頻繁に協力依頼してくる担当者は、
無能な担当者がほとんどです。
そのような担当者に、のべつ幕なしに協力しても、良いことはほとんどありませんので、
上手に断るようにしましょう。
金融機関の担当者はノルマに追われているのは事実です。
そのノルマをなかなかこなせず四苦八苦している担当者がほとんどなのですが、
そのノルマのこなし方には、担当者によって、大きな違いがあります。
有能な担当者は、まず、顧客のニーズを聞いて、そのニーズに応えられる商品
(協力してもらいたい商品)を勧めてきます。
決して、無理強いはしません。
だから、顧客としては、協力しているということも感じずに協力しています。
しかし、無能な担当者は、お願い一辺倒です。
そんな担当者に貢献しても、見返りは期待できません。
自分の担当者が有能か無能かを見極めるのは、とても重要なことです。
無能な担当者に当たると、融資もスムーズに借りられないからです。
そんな担当者が有能か無能かを目利きするためのヒントが手に入ります。
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