- 2018-12-13
- 融資サポート
- 創業融資, 日本政策金融公庫, 日本政策金融公庫に聞いた質問
「自己資金が◯◯円以上ないとダメ」というわけではありません。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会では、毎月1回、会員向けに勉強会を行っています。
題して、「融資コンサルタント実践研究会」。
この研究会では今まで中小企業支援を中心にさまざまなテーマを採り上げてきましたが、2018年10月度「日本政策金融公庫の融資課長に聞く、他では言えない公庫のアレコレ」がとても有用でしたので、一般の士業・コンサルタントにもお伝えします。
会員の士業・コンサルタントから出た質問は全部で27。内容は、以前のブログをご参照ください。
今回お伝えするのは、「公庫が創業融資をするにあたっての通りやすい条件」についてです。
質問者:
2年ほど前に、顧問先のお客様から融資の相談を受けまして、
初めて創業融資に関わらせていただいたときのことです。
その案件は、
まだ素人同然だった私の目から見ても決算書にちょっと難があるなと思いましたし、
年齢も若く、自己資金もほとんどなかったので、
「これは無理なのではないか?」
と思ったため東川さんに相談をさせていただきました。
やはり東川さんからも
「これは、今のままでは申し込んでも通らないと思いますよ。
もう少し材料が必要ですね。」
と言われたのです。
ただ、一応、売上は伸び始めてきていましたので、「将来の展望に期待」ということで、
賭けて申請しましたが、結果、だめでした。
「やっぱりな」というような感じで、お客様もそれなりに納得はされました。
今後、頑張って、もう少し後に、良い結果が出たときに、
もう一度トライしましょうということで収まったのですが、
こういった創業融資で通りやすい条件などあれば、お聞かせいただけますでしょうか。
公庫担当者:
私も創業のお客様を担当していますが、その中で大事にしていることは、
「ご商売の経験があるかどうか」
「開業に向けての自己資金の蓄積があるかどうか」
というところを、とくにポイントにおいて調査をさせていただいています。
小売業とか、サービス業という、
立地産業に関しては、その立地がふさわしいものかどうか、
そういったところをふまえて、調査をさせていただいております。
ただその辺が整っていても、
中にはいろいろな諸支払いがかんばしくない方もいらっしゃるので、
そういったところがかんばしくない方に関しては、
「残念ながら」という結果になることはあります。
今回だめだから、永遠にずっとだめかというと、そうじゃありません。
だめだった場合は、「融資が難しい原因」なり、「次回申込時に融資が下りやすくなる提案」を
お伝えして、自己資金とかで開業をされた後とかに、また、お目にかかれるように、
次を見据えてアドバイスをさせていただいています。
公庫融資課長:
公庫では、新規融資を、昔からお取り扱いをしていますと申し上げました。
なかなか、ご期待に、すべて応えられないというところもございまして、心苦しいと思っています。
ご商売をこれから始める、あるいは、始められて間もないという方、
事業を成功させていくためには、「ヒト」「モノ」「カネ」ではないですけども、
「ご商売に関する経験」とか、
「集客」とか、
商品やサービスにおける「売上を獲得していくための差別化要因」などは、
よく見るポイントです。
あと、今、担当者のほうが申し上げましたけども、「お金」。
すべてそろっていれば、どこにもご相談もされずに、ご自分で始められるでしょう。
それが不足しているので、金融機関にご相談をされるということだと思うんです。
「自己資金がいくらまでないとだめなのか」
ということを、きっちり線引きしているわけではありません。
お金が貯められなくて、自己資金が少なくかったとしても、
「代わりに、こういったノウハウを得ていますよ」
であるとか、
「こういったサポートをする力を周りから得ています」
であるとか、あるいは、
「こういった、よそにないような商品やサービスをするので、可能性があります」
とか、補うようなものがあるからこそ、
開業に向けて、踏み切っていらっしゃると思っています。
そういった自己資金以外の評価も含めて、私どもは、審査させていただいています。
当然、実績がこれからというお話なので、これからの見通しに不足の部分があった場合に、
ほかのもので補うことで、
「この人なら大丈夫」という判断ができれば、融資することもあります。
審査をした上で、ゼロ回答の場合(=融資が出来ないという結論)や、
希望された金額が満額でない場合には、
「こういった理由で、こういった点が、ちょっと、今、見たところ、
まだ十分ではないと思われますので」
というご説明も、今はなるべくさせていただくようにしています。
その説明で、お客様のほうでご納得をいただけるかどうかというのは、もちろんございますが、
できるだけ先につながるようなお話ができればということで、ご相談を承っております。
今、担当者が申しましたように、一度、ご相談をいただいて、
なかなか、ご希望に沿えなかったという経験がある場合、そういうお客様は、
二度と公庫の敷居をまたぎたくないというふうにおっしゃるかもしれませんが、
何度でもご相談をいただくこと自体は、かまわないと思います。
あのとき、公庫の担当者にこう言われたけれども、
こういった点をここまで頑張りましたよという
「改善できた点」
がおありのようでしたら、よろしければ、また、お声をかけていただければというふうに、
私どもとしては思っております。
公庫の融資スタンスや、公庫の担当者の考え方を知っておけば、
創業融資はとてもスムーズに借りることができます。
そんな、日本政策金融公庫の融資をスムーズにするためのヒントが手に入ります。
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