- 2020-3-25
- 融資サポート
- セーフティネット保証4号, 信用保証協会, 新型コロナウイルス影響下の資金繰り支援策, 金融機関とのつきあい方
普通預金でいいのです。これがなかなか、ばかにしたものじゃないですよ。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
「セーフティネット保証4号」を使ったコロナウイルス対応融資を申し込むために先日、今までまったく取引のない金融機関を訪問しました。
通常、取引のない金融機関をいきなり訪問して、「融資して欲しい」と頼んでも、まず断られます。
それはわかっていたのですが、緊急時に金融機関がどのような対応をするのか知りたくて、あえて初めての金融機関に融資を申し込みに行きました。
訪問先は、地元の地方銀行の支店でした。
初対面での担当者(営業課長)の対応
貸付の窓口を訪問し、
「セーフティネット保証4号を利用して、融資を受けたいのですが、ご対応いただけるでしょうか」
と受付に申し出たところ、営業課長が応対に出てきました。
・認定証も
・履歴事項全部証明書も
・3期分の決算書も
・確定申告書も
・事業計画書も
お持ちいたしました
すると、相手の顔が曇りました。
うちで申し込まれてもかなり時間がかかると思いますので
懇意にされている金融機関に申し込まれてはいかがでしょうか?
その間、私が机の上に出した書類を一顧だにせず。明らかに対応を嫌がっているのを感じながら、私も粘ります。
この融資をきっかけに、御行とお取引したい
と考えて申し込みました
時間がかかることは重々承知しています
しかし営業課長も引きません。
せっかく取られた市区町村の認定書の期限(1ヶ月間)が
過ぎてしまうかもしれません
そうなってはご迷惑をかけてしまいますので
やはりお取引のある金融機関に申し込まれることをお勧めします
再度やんわりと断ってきました。そこで私も、こう言いました。
また新たに認定書をとりますので
時間のことは気になさらないでください
ようやく、渋々、資料に目を通し始めました。
事業計画書と決算書の内容を確かめたことで、「変な会社ではない」と認識してもらったのでしょう。そこから態度が軟化。
こちらの資料をすべて渡した上で、口座が開設できるかどうかを判断してもらうことで支店を後にしました。
2回目の面談(弊社への来訪)
銀行を訪問した3営業日後、「一度御社を訪問し、お話を聞きたい」と連絡があったので、翌日に来てもらうことになりました。
するとなんと営業課長だけではなく、支店長も一緒に来られたのです。
当日までにネクストフェイズのことをいろいろと調べられたのでしょう。活動内容をサイト等で確認されたらしく、「反社会的勢力ではない」という判断となったようです。
この2度目の面談時は、こちらがお願いするというよりは、
「ぜひうちの銀行で取り扱わせてください。
できるだけ早期(3月中)に実行できるよう、頑張ります」
と、前向きに取り組む意欲を感じることができました。
なぜ支店長が同行してきたのか?
支店長が同行したのは、
「申請した会社の社長がどのような人物なのか」
の目利きをするためです。
地域密着型金融機関の場合、融資の新規取引を行う際は支店長が面談することが少なくありません。社長の人間性を見ることで、その会社に貸せるかどうか、ある程度の判断がつくとよく言われます。
支店長面談で印象が悪かった場合は、融資につながる可能性は低くなります。最初の支店長面談は、とても重要なのです。
実は営業課長が弊社を訪問するアポイントの電話をかけてきたとき、
「その日時ですか、少しお待ちください」と何度か電話が保留になりました。
そこで私は「支店長のスケジュールとすりあわせているのだろう、
きっと営業課長と一緒に来られるのだろうな」と思っていました。
私は普段、デスクワークのみの日はスーツを着ませんが、来訪当日はあえてスーツとネクタイで出勤。先方からの融資取り扱い依頼につながったのは、もちろん弊社の活動内容や資料が調っていたりしたことに帰因するでしょう。しかし面談時の服装などで見た目にもよい印象を持ってもらえたようで、これも大切な要因になったと思います。
近所の金融機関では普通預金だけでも作っておくこと
今回はまったく取引のない金融機関に申し込んだので、上記のような手間がかかってしまいました。が、口座のある金融機関に申し込んだ場合は、もちろんここまで面倒なことはありません。
事実、懇意にしている信用金庫での雑談中に「セーフティネット保証4号の認定書をもらってきました」と言うと、「ぜひうちで取り扱わせてください」と逆に依頼されたぐらいです。
日ごろから懇意にしていなくても、せめて普通預金を作っている金融機関であれば、こういった緊急対策融資の場合はスムーズに受け付けてくれます。
逆に、普通預金さえない場合は、今回の私のケースのように初回面談で渋る様子が見られるなど、取り扱ってもらうのがかなり難しくなります。
地元の金融機関とのつながりがあるのとないのとでは、いざというときに結果が大きく変わってきます。
「たかが普通預金」ではなく、
「普通預金も金融機関との重要な接点」と考え、
法人・個人問わず、まず近隣の金融機関で普通預金だけでもを作っておくことをお勧めします。
多くの中小企業の経営者は、金融機関との上手なつきあい方を知りません。
上手なつきあい方を知っているのと知らないのとでは、資金調達力に大きな違いが出てきます。
士業やコンサルタントが金融機関とのつきあい方をアドバイスできれば、こういった緊急時にも助かる中小企業はどんどん増えます。
また、そういうアドバイスができる専門家がサポートについている中小企業には、金融機関も安心して融資しやすくなります。
そんな、融資してもらいやすい中小企業にするためのバックアップができる専門家になるためのヒントが手に入ります。
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※2020年3~5月は開催中止です。6月以降の日程は上記ページをご参照ください
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