今は、公庫よりこちらを申し込むべきだと思います。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
2020年5月1日(金)に【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】の募集が開始されました。
現在日本政策金融公庫の【新型コロナウイルス感染症特別貸付】を申し込んでも、支店によって申請から実行まで2ヶ月~3ヶ月になるところもあります。少しでも早く資金調達をしたい事業者には、スピードメリットの大きいこちらをおすすめします。
では【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】はどんなものでしょうか。詳しく解説します。
【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】とは
この融資制度、新たな枠組みをつくるのかと思いきや、既存の「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」「危機関連保証」の、一部を変更したものになりました。
●【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】のメリット
●金利は実質無利子
かつ
●保証料は半額またはゼロ
したがって申込方法は、今までの「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」「危機関連保証」と同じで、とくに変更はありません。
「セーフティネット保証4号」の利用手順を簡単に説明すると、以下のとおりです。(2020/05/04現在、信用保証協会への事前相談は不要です)
1/市区町村に出向いて認定証を取得する
↓
2/その認定証を金融機関に持参して申し込む
金融機関では、ぜひこう申し込みましょう。
今回の融資の名称をいえば担当者もすぐわかり、スムーズに手続きを進めてもらえます。
セーフティネット保証4号についての詳細は、以前のブログの解説も参考にしてください。
●【緊急】新型コロナウイルスに影響を受けている中小企業者が借りられる融資(セーフティネット保証4号)
対象者・対象要件
「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」「危機関連保証」に申し込んだ事業主・事業者すべてが保証料ゼロ、金利ゼロになるわけではありません。内容によっては、保証料がゼロではなく、半額になる場合もあります。
(1)保証料・金利ともゼロになる事業主・事業者
・前年同月対比で売上が5%以上減少している個人事業主
・売上が15%以上減少している小・中規模事業者
(2)保証料1/2・金利ゼロになる事業主・事業者
売上が5%以上15%未満減少している小・中規模事業者
※小・中規模事業者とは
●卸・小売業、サービス業は「常時使用する従業員が5名以下の企業」
●それ以外の業種は「同 20 名以下の企業」をいいます。
●中規模事業者とは、この他の中小企業のことをいいます。
自社が小・中規模事業者にあたるかわからない場合、中小企業庁サイトにあったこの表がわかりやすいです。
その他の内容
(1)補助上限額
3,000万円
「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」の保証枠は、別枠で最大2.8億円、「危機関連保証」の保証枠は、更に別枠で2.8億円ありますが、「実質無利子・無担保融資」の上限は3,000万円になります。
ここで注意点があります。
3,000万円以上借りられないというわけではなく、実質無利子・無担保融資の上限額が3,000万円ということであり、それ以上の資金が必要な場合は保証料・金利を支払えば借りることが可能です。
(2)補助期間
保証料については、全融資期間が対象です。
金利については、当初3年間のみ対象となります。
(3)融資期間
10年以内(うち据置期間5年以内)
返済期間の10年は比較的認めてくれるようですが、据置期間5年は実質的にはなかなか認めてもらえるのが難しいと思います。おおむね2年~3年というところではないでしょうか。
日本政策金融公庫における「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の据置期間については、以前のブログで解説しています。
●【最新情報】公庫の特別貸付の据置期間は2年ぐらいがいいみたいです
(4)担保
無担保
(5)保証人
法人の場合、基本的には代表者の保証は必要になりますが、一定の要件(「法人・個人分離」「資産超過」)を満たしている場合は不要となります。また、代表者以外の連帯保証は原則不要です。
実質無利子とはどういう意味か
「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」「危機関連保証」に申し込んだ場合、その内容にもよりますが、基本的には自動的に「保証料ゼロ、金利ゼロ」もしくは「保証料1/2、金利ゼロ」になるため、とくに新たな手続きは必要になりません。
しかし一部の都道府県では、一度事業者が利子分を支払った上で事後に支払った利子分を事業者に戻すという形で、金利負担が実質的に無利子となる仕組みになっています。
※どの都道府県が該当するかは、2020年5月4日現在調査中
どの制度(枠)で申し込むべきか
先述したように、この【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】は、「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」「危機関連保証」のどれでも使えます。
「売上高が前年同月比20%以上減少」の事業者
いま融資を考えている事業者の多くが、20%以上の売上減ではないでしょうか。20%以上の売上減の事業者なら、まず申し込むべきは「セーフティネット保証4号」でしょう。
「セーフティネット保証4号」は、「売上高が前年同月比20%以上減少」の事業者が利用できる枠です。100%保証なので、金融機関が受け入れてくれやすいのがメリットです。しかも【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】なら無担保かつ、3,000万円まで「保証料ゼロ、金利ゼロ」です。
「危機関連保証」も100%保証ですが、「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」と別枠で借りられるものなので、この枠はひとまず残しておきましょう。
「売上高が前年同月比15%以上20%未満減」の事業者
残念ながらセーフティネット保証4号は利用できません。が、同じく100%保証の「危機関連保証」が利用できます。こちらも【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】なら無担保かつ、3,000万円まで「保証料ゼロ、金利ゼロ」です。
「売上高が前年同月比5%以上15%未満減」の事業者
売上減が「5%以上15%未満」にとどまるなら、「セーフティネット保証5号」の一択です。【民間金融機関における実質無利子・無担保融資】なら無担保かつ、3,000万円まで「保証料1/2・金利ゼロ」です。
「セーフティネット保証5号」は80%保証ですから、取引のない金融機関に申し込むと渋られる可能性もあります。結果、あらためて別の金融機関にアプローチせねばならなくなり、余計な時間がかかりますので、「事業用の通帳がある」など懇意にする金融機関にぜひ申し込みましょう。
金融機関による認定証の代理取得について
「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」「危機関連保証」のいずれに申し込むにせよ、市区町村の認定証が必要です。
この認定証を「誰が」取得するかが問題です。
経済産業省の資料「金融機関によるワンストップ手続きのイメージ」に「③認定の代理申請」とあります。
この図では、あたかも金融機関が市区町村の認定証を代理取得(=事業者に代わって金融機関が取得)してくれるように書いていますが、実際は自治体によって対応がばらばらです。
2020年5月1日現在においては、対応している自治体はほとんど見当たりませんでした。
※その後、「朝日信用金庫 立川支店(墨田区)/武蔵野銀行(本庄支店)」、「千葉県松戸市」など、代理取得可能な金融機関、自治体の情報が集まってきています
今後、対応可能な自治体は増えていくでしょう。それまでは事業者自身が認定証を取得する必要がありますので、申請の際はまず自治体に代理取得に対応しているかどうか確認してください。もし自治体が代理取得に応じていれば直接金融機関へ、そうでなければ金融機関に行く前に市区町村に出向く必要があります。
「新型コロナウイルス影響下の現在、新規融資に積極的な民間金融機関リスト」もあわせてご参照ください。士業・コンサルタントのみなさま、ほかに情報があればお寄せください。
●新型コロナウイルス影響下の現在、新規融資に積極的な民間金融機関リスト
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