- 2020-12-7
- 融資サポート
- 中小企業経営力強化資金, 日本政策金融公庫, 経営者保証, 認定支援機関
それでも認定支援機関にとっては、使い勝手の良い営業ツールになる制度であることに変わりません。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」という制度をご存じですか。
この制度、以前は「2,000万円まで無担保・経営者保証なしで借りられる」、とても魅力的な融資制度でした。
しかし、この融資制度の内容が変わってしまったのです。認定支援機関にとっては認定支援機関のメリットをアピールしやすいものだっただけに残念です。
だからといって「使えない」制度になってしまったのではけっしてありません。中小企業経営力強化資金の変更部分、利用方法、士業・コンサルタントとして見込み客へのアプローチ法などお知らせしましょう。
どのメリットが半減したのか?
中小企業経営力強化資金とは、日本政策金融公庫で利用できる融資制度のひとつです。
無担保・無保証枠が半減
中小企業経営力強化資金、2020年の3月までは「2,000万円までは無担保・無保証」でしたが、2020年4月から無担保・無保証枠が1,000万円までとなってしまいました。
創業時の借入限度額も
創業融資を申請する場合、新創業融資だと1,000万円を上限とする公庫の支店がほとんどでした。
しかし、中小企業経営力強化資金を使って創業資金を借りる場合は、2,000万円までは対応してくれていたのですが…、それもなくなってしまいました。
優遇されていた金利が基準金利に
また、金利も多少優遇されていたのですが、4月からは基準金利を適用。これらの面についての魅力が半減となりました。
とはいえ、士業・コンサルタントにとっては、使い勝手の良い営業ツールになりえることには変わりありません。以下、順を追ってご説明しましょう。
中小企業経営力強化資金の最大のメリット
中小企業経営力強化資金とは、日本政策金融公庫で利用できる融資制度のひとつ。最大のメリットは、何と言っても「担保や経営者保証が不要」であることです。
金額上限はありますが、その上限までの融資額なら、法人の場合、経営者保証は不要です。
公庫には、「経営者保証が不要」になる融資制度は5つあります。
●新創業融資
●生活衛生改善貸付
●マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
●経営者保証免除特例制度
●中小企業経営力強化資金
上記融資制度については、以前のブログでも説明しています。参考にご覧ください。
●社長が保証人にならなくてもいい、5つの融資制度|株式会社ネクストフェイズ
さて上記5点のうち、中小企業経営力強化資金以外の制度は「縛り」があるため、すべての事業者が対象にならないのです。
「新創業融資」は、創業者しか使えません。
「生活衛生改善貸付」は、生活衛生関係の事業(理美容店・飲食業等)を営む小規模事業者しか対象となっていません。
「マル経融資」は、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者しか使えません。
「経営者保証免除特例制度」は、債務超過企業や、2期連続赤字の企業は使えません。
しかし「中小企業経営力強化資金」は、創業年数、業種、財務内容に関わらず利用できる制度。基本的に、どの事業者でも使えます。
「中小企業経営力強化資金を利用できる事業者」がポイント
この「利用できる事業者」がポイントです。公庫のページをわかりやすく説明すると、以下のとおりです。
●認定経営革新等支援機関の指導や助言を受けて新たな取り組みを行うことで、売上や利益・新規顧客を増やそうとしている事業者
●もしくは、「中小企業の会計に関する基本要領」「中小企業の会計指針」に従った会計処理を行った上で、事業計画書を作成する事業者
つまり、「事業者だけ」では利用できない。認定支援機関のサポートが必要なのです。ここが士業・コンサルタントにとってアプローチしやすい理由です。
まとめましょう。中小企業経営力強化資金とは、
●(上限額はあるが)無担保・無保証の融資
●(基本的に)どの事業者でも利用できる
しかし…
●認定支援機関のサポートが必要
認定支援機関のメリットをアピールしやすい
経営者保証を免除してもらいたい事業者はとても多いもの。しかし先述したように公庫で経営者保証を免除してもらえる融資制度にはそれぞれ制約があり、当てはまらない事業者にとってはなかなかハードルが高くなります。
そんな事業者に対して、こうアプローチしてみましょう。
経営者保証なしで借りることができますよ
多くの事業主は興味を持ってくれるので、さらにこう付け加えましょう。
認定支援機関のサポートが必要です
私は認定支援機関なので、この融資制度を借りるお手伝いができます
「中小企業経営力強化資金獲得サポート」の依頼をいただける確率が高くなります。また中小企業経営力強化資金獲得サポートをきっかけに、顧問契約につなぐことも容易にできるでしょう。
メリットは減っても、士業・コンサルタントの営業ツールになり得る
中小企業経営力強化資金とは、「認定経営革新等支援機関の指導や助言を受け」たり、「中小企業の会計に関する基本要領」「中小企業の会計指針」に従った会計処理を行った上で、事業計画書を作成することで経営者保証を外せる制度です。
限度額や金利などのメリットは減りましたが、経営者保証を外せる大きなメリットは変わりません。
事業者にとって検討の価値ある融資制度ですし、士業・コンサルタントにとってはアプローチのきっかけになる営業ツールであることには変わりません。
中小企業が「有利な条件で借りることができる」融資制度は多数存在します。また、今回ご紹介したような利用条件の変更もしばしばありますし、新しい融資制度も出てきます。
融資制度の最新情報をいち早く伝えることで顧問先からの信頼は厚くなりますし、見込み先に提供すれば顧問契約に繋がる可能性は高くなります。
しかし最新の融資制度情報をいち早く手に入れるのは、そう簡単ではありません。そんな情報を、「ネクストフェイズのメールマガジン」で定期的にお伝えしています。
最新の融資情報だけなく、「新型コロナウイルスに対応した最新の施策」「融資を引き出すノウハウ」「補助金、助成金の最新情報」「自分ブランドづくりのアイデア」「士業・コンサルタントの顧客獲得法」といった情報も含め、週に2回発信しています。
中小企業経営者・個人事業主など顧問先へのアドバイス、見込み客に対する自然なアプローチにお役立ていただき、「頼りになる」「信頼できる」「新規客を紹介してもらえる」「営業の要らない」士業・コンサルタントを目指しましょう。
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