大阪市中央区で開業している司法書士・苅谷(かりたに)昌子さんは、
2014年11月でいよいよ独立3年目に入ります。
現在は、TOEIC960点という優れた英語力をベースに、
司法書士業務のなかでも「渉外」という、海外取引に関わる分野のスペシャリストとして活躍中。
一般企業にお勤めだったときに培ったビジネスセンスを、
司法書士として独立してからもじゅうぶんに活かしながら、
着実にキャリアを積んでおられる苅谷さんのお仕事ぶりを、5回連載でお届けします。
聞き手は、ネクストフェイズ編集部です。
苅谷昌子司法書士インタビュー (全5回)
「キラーコンテンツがあれば安心ですか?」
【もくじ】
第1回 開業直後は忙しくて…。ふと気がついたら、仕事してなかった!
第2回 HP、工夫しています。
第3回 司法書士の不思議。
第4回 「何でもできます」を抜け出す方法は、ひとつしかない。
第5回 自分という「商品」を作っていきましょう。
第3回 司法書士の不思議。
―― 司法書士さんって、勉強会や交流会にいらっしゃらないんですか。
苅谷 私はなかなか会えません…。不思議です。
―― ほかに、同業の方と知り合う機会はないんでしょうか。
苅谷 不動産取引のときって、売り手と買い手の双方が、自分の司法書士を金融機関へ同行するんですが、そういうときくらいかな。
―― そこではどんなお話を?
苅谷 住宅ローンって、すぐにはおりなくて、1~2時間くらいひたすら待つ時間があるんです。そのときに「先生は…あの、もう長いんですか?」なんて話しかけることはよくあります。それから少しずつ会話を重ねて、「先生はどんなふうに新しいお客さんを…」ってお尋ねしたりもするんですが、かならず「それは…なんとなくね」という言葉でかわされてしまいます(笑)。
―― 肝心なところで(笑)。
苅谷 「そこを聞きたい!」と思うんですが(笑)。
―― そういえば、弊社のクラブネクストフェイズやブ士塾でも、司法書士さんは少数派です。
※クラブネクストフェイズ、ブ士塾=どちらもネクストフェイズの士業ネットワーク
2016年6月に一般社団法人融資コンサルタント協会に統合
苅谷 でもブ士塾のみなさんは、本当にノウハウを囲い込みませんよね。
―― たしかに、みなさんかなりオープンです(笑)。
●積極的に外出する苅谷さんのバッグは軽く、マチが豊かで、肩ストラップ付き
苅谷 ブ士塾のみなさんをはじめ、司法書士じゃない方々からのアドバイスって意外なポイントをついてこられるんで、とても新鮮です。
―― 新鮮?
自分とは違う士業からのアドバイスこそ大切に
苅谷 司法書士の友人たちで集まると、実務の話に終始しがちなんですね。それはそれでたいへん有益です。「あの法務局は対応が厳しい」とか「あの法務局はゆるめだから、この書類は必須じゃない」といった情報交換も貴重です。
―― えっ、法務局って、地域によって対応に差があるんですか?
苅谷 そうなんです。ほかの士業さんにけっこう驚かれますが(笑)。
―― 失礼しました、話を戻しましょう(笑)。
苅谷 はい、同業どうしの情報交換も大切。でも相手が異業種の士業さんの場合、「司法書士の強みってコレですよね」ってポンと言い切ってくださるんです。「司法書士だからこそ、こういうことができるんですよね」「それって自分たちにはできないことだから」って。
―― 司法書士ならではの「強み」ですか。
苅谷 はい、自分ではわからないんですよね、自分の職業の強みって。だからこそ、他士業さんからの言葉に、「目から鱗!」なんです。
―― いろんな士業さんと交流することで、自分の仕事が見えてくる…。
苅谷 そうです。私は今も士業さんの勉強会や交流会に行っていますが、独立してからは、士業じゃない、一般企業の方がいらっしゃるような勉強会にも足を運んでいます。私のお客さんには外国人が多いので、海外取引の多い会社の社長さんの話など、たいへん参考になるんですよ。
―― もしかして、そういう場でも司法書士さんとは出会わない…?
苅谷 出会いませんね(笑)。でも私たちのお客さんは、一般企業の方々です。士業どうしだけではなく、もちろん司法書士どうしだけではなく、一般の方々が集まるような勉強会、セミナー、交流会などにも、司法書士はもっと出かけていくといいと思うんです。
―― はい、司法書士のみなさん、いま大事なこと言いましたよー(笑)。
苅谷 一般企業の方々が集まるところにも行って、一般企業の世界の人々とも、オープンに、積極的に、交流しましょう!(笑)
●「もちろん新しい人脈だけでなく、以前の職場など今までの人脈も大切に。
私は前の勤務先からもお仕事いただけました」(刈谷さん)
―― 職業としての司法書士の強みはさておき、苅谷さんご自身の強みといえば、「英語」ですよね。
苅谷 お問い合わせの最初の言葉は、ほぼ100%、「英語できますよね?」です(笑)。
―― 現在のお仕事の7割が渉外(何らかの形で外国や外国人が関わる案件)とのことですが、英語をおもにお使いになる司法書士さんって…。
苅谷 もちろんほかにもいらっしゃいますよ。多くは、「最初は司法書士→海外のお客さまが増えてきたので英語もやろう」という順番じゃないでしょうか。私は逆で、「英語を使う一般企業社員→司法書士になろう」でしたが。
―― ビジネスレベルで英語を話しておられたのですから、それはもう圧倒的な強みですね。
苅谷 いえいえ、私にも、魔の、「何でもできます」時代があったんです(笑)。
―― 苅谷さんが? TOEIC960点の英語力で? 独立初期ですか?
苅谷 それがね、初期ではないんですよ。その、ちょっと後。
―― え、どういうことでしょう?
(第4回に続きます)
苅谷昌子司法書士インタビュー (全5回)
「キラーコンテンツがあれば安心ですか?」
【もくじ】
第1回 開業直後は忙しくて…。ふと気がついたら、仕事してなかった!
第2回 HP、工夫しています。
第3回 司法書士の不思議。
第4回 「何でもできます」を抜け出す方法は、ひとつしかない。
第5回 自分という「商品」を作っていきましょう。