- 2021-5-17
- 士業インタビュー
- インタビュー, 中小・零細企業のM&A, 中小企業診断士, 事業承継, 士業のキャリア, 士業のビジネスモデル
大阪府大阪市で営業コンサルタントとしてご活躍の田邊佑介中小企業診断士。
田邊さんがネクストフェイズ主催の「スモールM&Aアドバイザーセミナー」を受講したのは、2017年。その後すぐM&Aアドバイザーとしてスタートしました。
翌2018年にはスモールM&Aについての2日間集中講座に参加し、同年10月には大阪での勉強会を立ち上げます。
さらに2020年3月、YouTubeで発信を開始、同年7月に一般社団法人日本M&Aファースト推進機構を設立し、東京都中小企業診断士協会城南支部でスモールM&A研究会を主宰するなど、スモールM&Aの普及にも尽力しています。なんという行動力!
本業の営業コンサルティングが順調なのに、なぜスモールM&Aの普及にこれほど取り組んでおられるのでしょうか。
以前から経済産業省から中小企業のM&Aの必要性が叫ばれており、近ごろは日本経済新聞にもこんな記事が掲載されました。
●中小M&A仲介を登録制に、経産省 優良業者を選別: 日本経済新聞
会社の「出口」たる事業承継として、また「会社を成長させる」ショートカットとして、さらに新型コロナウイルスの影響で増えている「再生・廃業」の手法としても、ますます注目されているスモールM&Aについて、田邊さんにお話をお聞きしました。
いつものように5回連載でお届けします。聞き手はネクストフェイズ編集部です。
●田邊佑介中小企業診断士プロフィールはこちら
田邊佑介中小企業診断士インタビュー(全5回)
「スモールM&A、副業としての関与はアリ?」
【もくじ】
1/営業コンサルタントであり、スモールM&Aアドバイザーでもある
2/成約にこだわらない、新しい立ち位置
3/積極的にスモールM&Aの普及活動
4/どんなタイプの士業・コンサルタントでも参画できる
5/何よりも、社会のニーズがある
第1回 営業コンサルタントであり、スモールM&Aアドバイザーでもある
田邊 はい、大学卒業後に就職したメーカーを辞めたのが25歳ごろ、「経営コンサルタント」として独立開業したのは2004年ですから、27歳ごろでしたか。
―― 卒業後3年で退社。
田邊 会社を辞めて半年ぐらいはプラプラしていました。といっても当時は大阪産業創造館(大阪の中小企業支援機関)で、経営者向けのIPOセミナーとか、法律セミナーとか、財務セミナーとか、いっぱい行われていたんですよ。しかも1回1,000円くらいで!
―― そうですね。
田邊 「1回1,000円で公認会計士の先生のお話が聞ける!」みたいなセミナーがたくさんあったので、暇さえあれば行きまくっていました。中小企業診断士試験の勉強になるし、経営の勉強にもなるし。
―― そのときにまだ中小企業診断士の資格は。
田邊 中小企業診断士の資格を取得したのは2005年、独立後なんですよ。そんなセミナーで経営者の人と出会えて、自分の名刺を配って仲よくなって、飲み会に連れて行ってもらったりとか。そんな感じで経営者ってどんなタイプの人々なのかなってところを少しずつ理解することができました。
―― 印象的な経営者さん、おられましたか。
田邊 それはもう! その方々のおかげで、営業コンサルタントへの道が拓けていった感じです。診断士の一次試験に通って、まだ二次試験が…というころに知り合った製造業経営者とのおつきあいから、どんどんコンサルティングになっていったり。
―― そして今の営業コンサルタントという道へ。
田邊 僕自身は営業の経験がないんですが、ご提案する施策がうまくいって、そこから次々に仕事が入ってくるようになりました。
―― では最初の顧問先は製造業?
田邊 いえ、実は商社で(笑)。
―― えっ(笑)。
田邊 「経営診断」的な仕事は製造業が多かったんですが、営業コンサルティングについては最初の顧客は商社でした。その後も飛込み営業の企業もあれば、ルートセールス系もあれば、本当にあらゆる業種の営業コンサルティングをしてきました。というのも、つねに新しいことをやりたい気持ちがあって。
●株式会社そだてる取締役として、営業コンサルティングを行う田邊さん。しかしM&Aアドバイザーの肩書きもあり…。
営業コンサルタントが、スモールM&Aの世界へ
―― それはすごい。
田邊 僕も相場感がわからなかったので、100万もらえるなら頑張ろうとか思って(笑)。で、ある大手のM&A企業出身のM&Aコンサルタントと知り合ったので、一度お願いしたんです。
―― 大手のM&A企業といえば…。(想像している)
田邊 「僕の知り合いの経営者が、この介護施設を売りたいと思っているんです」みたいな話をしたときに、決算書と、今後こういうふうに黒字が出てくるという資料をお持ちしました。ところが。
―― ところが。
田邊 決算書を見ていただいて、「田邊くん、これは無理だよ」と。
―― なぜでしょう。
田邊 「だって営業赤字だもん」って言われたんです。
―― 赤字。
田邊 そうなんです。「M&Aって、赤字だったら成立しないんだ」みたいなことを初めて知って、当時はそのコンサルタントに言われるがまま、社長さんにそのまま返したんです。「あのコンサルタントが言っているんだから無理ですよ」と。当然100万円ももらえず終わってしまったことがありまして。でも。
―― でも。
田邊 何かちょっと引っかかった。おかしいなと思ったんです。たしかに赤字だから、買い手側から見ると価値が下がるというのは理解できるんだけども、進行期で数字は改善しているし、来期以降は黒字になることがわかっているんです。なのに買ってもらえない理由がわからんなと思っていたんですね。
―― たしかに。
田邊 なんでだろうって考えていたところ、M&A業界の人の話を聞いていて、だんだん見えてきたんです。もちろん全部じゃないのだけれど、この仕事は「ラクしてもうかる」みたいな部分があって、たとえば「黒字決算のピカピカな会社に、まっとうな買い手さんをつければ、フィーがたくさんもらえる」みたいな。だから、赤字の会社は手を付けないんですよね。
―― 大手のM&A企業出身だけに。
田邊 しかし実はそれとは別に、「スモールM&A」というマーケットがあるんです。なかには赤字の案件、ちょっと傷モノの案件もあるし…。つまり、なかなか売れにくいような案件です。僕も中小企業とつき合っていたので、そういう難しい案件があるというのはわかっていたんですね。しかしそのマーケットが動かないとなると、これからの時代けっこう大変なことになるぞと。なのでM&Aには、自分自身も入ってやってみたいなというところがあったんです。
―― そこでネクストフェイズ主催のスモールM&Aセミナーにいらしたんですね。
(スモールM&Aセミナーを受講した後の田邊さんの行動は? 第2回に続きます)
田邊佑介中小企業診断士インタビュー(全5回)
「スモールM&A、副業としての関与はアリ?」
【もくじ】
1/営業コンサルタントであり、スモールM&Aアドバイザーでもある
2/成約にこだわらない、新しい立ち位置
3/積極的にスモールM&Aの普及活動
4/どんなタイプの士業・コンサルタントでも参画できる
5/何よりも、社会のニーズがある
東京・大阪、福岡でも開催! 【スモールM&Aアドバイザー】入門セミナー2021
将来性・やりがいはもちろん、社会から大きく求められている「スモールM&A」の基礎知識やノウハウが得られるセミナーを、2021年も開催します。
従来からの大阪・東京に加え、2021年は福岡でも開催します。各回の定員は、25名。ご興味のある方は、早めにお申し込みください。
講師はスモールM&A業界のホープ(本当です。年間10件もこなすM&Aアドバイザーはなかなかいません)、株式会社つながりバンクの白石直之さん。最新の業界状況や事例はもちろん、各士業・コンサルタントの立ち位置、それぞれの得意分野を活かした参画の方法など、スモールM&Aについて多くを学んでいただけます。
もちろん質問のための時間も設けていますので、気になること、深く知りたいことなど、何でも気軽にご相談ください。
詳細は以下のとおりです。
日時・会場
【大阪】サニーストンホテル〈江坂〉北館
●2021年6月25日(金) 14:00~17:00
●2021年6月26日(土) 14:00~17:00
【福岡】リファレンス駅東ビル貸会議室
●2021年6月29日(金) 14:00~17:00
【東京】DAYS赤坂見附
●2021年7月 2日(金) 14:00~17:00
●2021年7月 3日(土) 14:00~17:00
※5日程とも同じ内容です。ご都合のよい日時をお選びください
定員・受講料
●定員 各回 25名
●受講料 6,500円(税別)
お申し込み方法
下記ページの「お申込みフォーム」に必要事項を記入し、送信ボタンを押してください。
※2020年に同セミナーを受講した参加者のコメントもこちらから読めます。