先日、「現代ビジネス」というサイトを見ていると、「オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった」という記事を見つけました。
この記事には、「技術革新が進むことで、今までなら人間にしかできないと思われていた仕事が、ロボットやコンピューターに代わられようとしている」と書いてありました。
主な「消える職業」「なくなる仕事」」のリストのトップになっていたのが、「銀行の融資担当者」。元・融資担当者の私としては肯定しがたいのですが、「融資に強いコンサルタント」として考えた場合、「それもあり得るなあ」と感じています。
なぜ元・金融機関の融資担当者である私が、「あの仕事なくなるかも…」と思うのか
実は、2005年から2008年にかけて、コンピューターに融資判断をさせるという仕組みがあったのです。会社の決算書のデータを入力するだけで、融資する金額・期間・金利が即座に出る「スコアリングシステム」というものがありました。
一時期、ほとんどのメガバンクや大手都市銀行が、この「スコアリングシステム」を導入していました。しかし、この「スコアリングシステム」には、大きな欠陥があったため、リーマンショックとともに使われなくなってしまいました。
この弊害として、金融機関の融資担当者・渉外担当者の企業に対する「目利き力」が大幅に低下してしまいました。昔に比べて、金融機関の担当者レベルは低いまま。だから、金融機関は積極的に融資をしたくてもできないのです。
そもそも融資に必要な情報は、金融機関側が得るべきだが
銀行が融資をする上で絶対に必要なのが、「顧客の情報」。「顧客の情報量と融資の可能性は比例する」という格言が金融機関にあるぐらいですから。
しかし、今の担当者には情報収集能力がほとんどありません。上手に融資を受けることができている企業は、金融機関に対する「情報提供力」に優れているのです。情報を上手に銀行に提供することができれば、お金は借りやすい。
今後、コンピューターの性能がもっとアップすれば、金融機関の企業に対する融資判断の精度ももっと高まるでしょう。これから融資担当者に必要な資質は「顧客からできるだけ多くの情報量を集めること」に集約されると思います。
とはいえ、担当者の「情報収集力」がアップしなくても、企業側の「情報提供力」がアップすれば、融資担当者は必要のない時代は来ることは予想するのに難くないのです。
同様に士業やコンサルタントにおいても、「なくなる仕事」はありそうです。どのような仕事がなくなっていくか。それにつきましては、次回にお伝えしたいと思います。
もし金融機関が融資のための情報を得るチカラを失ったのなら、いよいよ士業の出番
上に書いた企業側の情報提供力をサポートするのが、これからの士業の仕事です。税務だけ・労務管理だけで安定的に顧問料を、という時代では、もうありません。だってそれだけじゃ、どれだけライバルがいることか。そして、それだけで満足して顧問料を払い続けてくれる企業が、これからどれだけあることか。経営者の一番の悩みは、「資金繰り」「融資相談」ですよ。
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