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- 【オンライン中継】
- 2022年 4月16日(土) 開催終了
奈良県奈良市で開業している行政書士・藤本忠相さん。
この士業インタビューにご登場いただくのは3回目です。
1回目は2015年9月、藤本さんの活動を「建設業」「相続」「任意後見」の3本柱でお話しいただきました。
2回目は2019年5月、テーマを相続に絞って、安定的に案件獲得している仕組みをお尋ねしました。
藤本さんの安定化のポイントは、営業活動を2段階に分けていること。いきなり高齢者にアプローチしません。
まず第1営業として、高齢者が集まる場、いわば「ハブ」となる施設などに訪問。
そこから紹介いただいた高齢者宅への訪問が、第2営業です。ネットに頼らない、アナログ営業を貫いています。
このように相続案件獲得の仕組みを確立した藤本さんですが、
近ごろは遺言・任意後見の割合が増え、「自動的に」相続案件の獲得につながっているとのこと。
そこで今回、膨らむばかりの高齢者マーケットの「川上」にアプローチして、
相続まで自動的に受任する流れをお聞きしました。
いつものように5回連載でお届けします。聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川、
また新しいスタッフ・城戸もときどき発言しています。
藤本忠相(ふじもと・ただすけ)さん
行政書士。さくら行政書士法人代表社員。一般社団法人さくらサポート代表理事
●当初は建設業等の許認可を中心に顧問数を増やすが、相続や遺言、任意後見など高齢者からの要望が高まり、誠実に応えてきた。
●2016年「さくら行政書士法人」として法人化、現在は3名の行政書士を抱える奈良県奈良市の本店および近鉄奈良支店を率いる代表社員として奮闘中。年間の相続サポート実績は100件を超える。
●「相続や遺言は、みなさん人生をかけて相談なさいます。単なる手続きではありません。相談者の、言葉にできない想いを理解し共有したいんです」(藤本)。
藤本忠相行政書士インタビュー(全5回)
「相続案件獲得の前に、遺言・後見が有効な理由は?」
【もくじ】
1/高齢者マーケット、コロナ前後で変化は?
2/そんな営業では介護業界から信用されない
3/介護施設への訪問時に話を切り出しやすい事例
4/遺言や後見の契約時に注意・配慮したいこと
5/「高齢者にとって」よい相続コーディネーターとは
5/「高齢者にとって」よい相続コーディネーターとは
藤本 はい、内容や料金などは「一般社団法人さくらサポート」に明記してあります。
●認知症サポート契約 33,000円/月+実費
藤本 以前の話ですが、疎遠になっていた従妹や甥姪が急に現れ、「本人と勝手に契約をした」というクレームをいただいたことがあるんです。
―― そうでしたか。
藤本 それ以来、事前に相続人や親族が事前に判明している場合は、遺言書を作成する前、もしくは後見の契約前に立ち会ってもらい、契約内容を本人の了承を得てすべて説明し、納得をいただいています。
―― ご家族が遠方におられるときは。
藤本 電話と郵送で確認していただくようにしています。まず郵送で資料を送らせていただく。契約内容の公正証書の原案、起案と言うのですが、そういったものも、まずメールか郵送で見ていただきます。家族さんというよりは、相続人さんに対して送りますね。
―― そうですね、相続人ですね。
藤本 大切なのは相続人ですから、まず相続人を探しだすことを第一に行います。で、「勝手に契約したんじゃないか」と思われると私もつらいですので、事前に契約内容を見ていただくようにしているんです。
―― 互いに安心です。
藤本 事前に確認することで、相続人さんも私たちのことを、その高齢者を見守る「仲間」と感じてくださるようです。私たちも役割分担しやすくなって助かります。
―― 仲間という感覚。
藤本 そうです。たとえばご逝去後に、相続人が契約のことを初めて知ったとします。そこで僕が「ご本人と生前に契約しまして…」と言っても、相続人は「そんな契約は知らない」「事前に相談されていない」わけですから、「本人は生前だまされたんじゃないか」「いま自分はだまされているんじゃないか」と僕を疑いの目で見てしまいますよね。
―― たしかに。
藤本 事前に契約書を見ていただき、相続人さんも安心・納得してくださったら、かえってその高齢者に契約を勧めてくれたりもするんですよ。「お母さん、これは契約しておいたほうがいいんじゃないの、この内容だったら安心じゃないの」と後押ししてくださるんです。あ、これはちなみに、遺言も同じです。
―― 遺言も、契約前に相続人にお見せするんですか。
藤本 はい、遺言の中身を。もちろん本人さんの了承を得てからですが。
―― 相続人には見せたくないという相談者は?
藤本 あまりいませんが、たまにいます。それは相続人と仲が悪いときですね。
―― そんなときは。
藤本 仕方ないので事前にはお見せせず、ご逝去後に連絡させていただきます。ただ、トラブル防止のために…。
―― はい。
藤本 ご本人から、できれば自筆で、お手紙をいただくようにしています。もしくは、遺言書の最後にお手紙を書く欄があるので、そこにワープロで代筆します。
―― どのようなお手紙を。
藤本 「何かあったときに相続人に迷惑かけたくないので、さくらサポートさんに頼みました。一切このことについて意義申し立てしないでください。これを最後の言葉とします」という言葉をしっかり書いてもらうんです。
―― なるほど、お手紙を。
藤本 私たちが勝手に作ったものではないと、ご理解いただくために。
東川 「いやいや、この手紙も君が勝手に書いたんじゃないか」と言う相続人がいるかも。
藤本 ですから、公正証書で書く。
―― 今までのご経験を重ねたうえでのノウハウですね。
藤本 おっしゃるとおりです。うちのスタッフにも、トラブルの対応をさせたくないですからね。
●「スムーズにご信頼いただけるよう、訪問時は自分が取材された新聞記事をお持ちします。
新聞記事は、やはり信用力がありますね。
新聞社に取材を働きかけるためのプレスリリースもおすすめです」(藤本)
藤本 だいたい3割くらいでしょうか。
―― 3割。
藤本 遺言と後見の集客については、今まで話したことがありません。また、家系図営業の話も、ほとんどしたことがないと思います。
―― 家系図営業。
藤本 はい、詳しくはセミナーでお話ししますが、身近に簡単にできる営業方法がある、見込み客の開拓方法があると知っていただければ、今後の活動もしやすくなると思います。
―― 遺言・後見と、相続。工夫するポイントは違ってきますか。
藤本 相続案件なら、他士業との連携も大切になってきますね。一方、遺言・後見は、紹介してくださる場所への営業がポイントです。
―― 介護業界や病院など。
藤本 ケアマネージャーさんもお医者さんも、私たちプロが関わる/関わらないの両方のケースをよくご存じです。私たちが関われば、彼らは本来の業務に集中できる。関わらなければ、面倒な手続きが残ってしまう。ここが営業のポイントです。
―― 士業などの専門家が関わるメリットをご存じなんですね。
藤本 はい、たとえば病院でもそうなんですが、すでに通帳や現金を預かってしまっているケースが多々あるんです。でも彼らは手離したい、他人のお金を扱うリスクをなくしたい、本来の業務に集中したいんです。
―― そうですよね。
藤本 そこを一手に引き受けるのが後見人です。本人が亡くなったあと、入院費をきちんと精算する。なぜか? 遺言書がちゃんとあるから。…という流れで先方に話します。それに加えて…。
―― それに加えて。
藤本 はい、死後事務も契約しておけば、ご逝去後に葬儀やお墓のことも対応します。「こんなサービスを丸ごと行ってくれるから、契約したほうがいいのでは」と彼らは高齢者にすすめやすいし、自分たちも本業に集中できます。
―― よい相続コーディネーターと出会うことで、病院や介護施設などの紹介者も助かるんですね。では「高齢者にとって」、よい相続コーディネーターとは?
藤本 「高齢者のしてほしいことの先を考え、提案し、納得してもらい、実践できる人」でしょうか。
―― しかし相続サポートの経験がなければ、高齢者が求める「先」を思いつきにくいかもしれません。
藤本 なるほど、相続サポート経験のない/浅い士業・コンサルタントの場合はですね…。
(相続サポートには向き/不向きがある? 第5回に続きます)
藤本忠相行政書士インタビュー(全5回)
「相続案件獲得の前に、遺言・後見が有効な理由は?」
【もくじ】
1/高齢者マーケット、コロナ前後で変化は?
2/そんな営業では介護業界から信用されない
3/介護施設への訪問時に話を切り出しやすい事例
4/遺言や後見の契約時に注意・配慮したいこと
5/「高齢者にとって」よい相続コーディネーターとは
膨らみ続ける高齢者マーケットを取りこぼさない、出遅れないためのノウハウを詰め込んだ、藤本忠相行政書士によるセミナーを開催します。詳しくは下記をご覧ください。
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