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このタイミングなら「コロナウイルス感染症特別貸付」を積極的に利用できるようです。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
以前のブログで、国が積極的に利用を促している信用保証制度について解説しました。
今回は2024年10月現在、国が積極的に利用を促している「日本政策金融公庫の融資制度」をお知らせします。
「まだ使えるの?」と思った読者も多いでしょう(私もです)。士業・コンサルタントのみなさん、これらの制度も、ぜひ顧問企業にお伝えしてください。
※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います
コロナ融資に関する信用保証制度や融資制度は、2024年6月末で終了しています。しかし「新型コロナウイルス感染症特別貸付制度」は、一般的な災害貸付金利を適用のうえ、本年12月末まで延長されました。
新型コロナウイルスの影響が大幅に低減する中、この制度は使えないものと私は思いこんでいたのですが、まだ使えます。
2024年7月から9月にかけて、新型コロナウイルスの流行がピンポイントに発生したことで、今もその影響を受けている事業者が出ているからです。
(出典:新型コロナウイルス 感染者数やNHK最新ニュース|NHK特設サイト 2024/9/16-9/22分)
この影響を受けた事業者が「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の要件を満たしていたため、本制度を使えないかと公庫に打診したところ、担当者から以下の回答を得たとのこと。
間もなく終了する制度です。が、この制度に関しては国から、
引き続き資金繰りに課題を抱える事業者のニーズを踏まえた対応を行う
…との要請を受けているため、要件をクリアしていれば、細かいことを言わずに対応させていただきますよ
2024年8~9月に新型コロナウイルス感染症特別貸付の影響を受けて売上が減少している事業者は、まだ利用できますので、積極的な利用をお勧めしてください。
新型コロナウイルス感染症特別貸付について詳細を忘れている方もいるかもしれませんので、概要を再度記載します。
●融資限度額:8,000 万円
●資金使途:運転資金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする運転資金)
●貸出期間:20年(うち据置期間5年以内)
●貸付金利:金融機関所定利率(1.45%~2.75%)※2024年8月1日現在
●利用できる方:
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来している方であって、次の1または2のいずれかに該当し、かつ中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方
(1)最近1ヵ月間の売上高または過去6ヵ月の平均売上高が前6年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少している方
(2)業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月間の売上高または過去6ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高(業歴6ヵ月未満の場合は、開業から最近1ヵ月までの平均売上高)が次のいずれかと比較して5%以上減少している方
①過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高
②令和元年12月の売上高
③令和元年10月から12月の平均売上高
新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)|日本政策金融公庫
上記で重要になるのが、以下の部分です。
業況の回復や発展の見込みがなければ、この制度は利用できません。
業況の回復や発展の見込みを説明するための資料(事業計画書)の作成が必要になります。
国は公庫に対して、セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)の利用も勧めています。
2024年6月7日に経済産業省・金融庁・財務省から公表された「今後の中小企業向け資金繰り支援について公表します」というニュースリリースに、以下のとおり記載されています。前向きの設備資金ニーズについては、該当する各種制度で対応するようにとのことです。
事業者の利用実績等を踏まえ、新型コロナウイルス感染症特別貸付等について、新規の設備資金融資を今般対象外とすることから、今後、設備資金融資のニーズに対しては、引き続き措置されている他の貸付制度を活用し対応すること。
また、円安等に伴う資材費等の価格高騰等の経済環境を踏まえ、金利引下げ措置が本年12月末まで延長されたセーフティネット貸付(原材料価格高騰対策)等の活用を促進すること
今後の中小企業向け資金繰り支援について公表します(METI/経済産業省)
また、円安等に伴う資材費等の価格高騰や人件費高騰に関する必要資金については、セーフティネット貸付の活用を推進するよう要請しています。
セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)の概要は以下の通りです。
利用できるのは、「社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方で、次のいずれかに該当する方」です。
とくに以下の条件に当てはまる場合は、優遇金利の適用まで用意されています。
この制度の国民生活事業の融資限度額は4,800万円、据置期間は3年以内です。
公庫からの借入額が4,800万円以下で、かつコロナだけでなく、円安等に伴う資材費等の価格高騰等で苦しむ事業者なら、この制度を利用して、(同額ではなく)増額借換での返済猶予期間延長もできるかもしれません。
また、金融庁は「コロナ資本性劣後ローンの活用」も積極的に利用するよう公庫に勧めています。
日本政策金融公庫等においては、小規模事業者も含め、引き続きコロナ資本性劣後ローンの利用促進に取り組むこと。
また、過大な債務等に苦しむ事業者の財務基盤を強化し経営改善を促す観点からコロナ資本性劣後ローンが重要であることに鑑み、借換え等の相談に柔軟に応じるとともに、その中で支援を必要とする先について、時機を逸することがないよう関係機関とも連携しながら経営改善支援に取り組むこと。
コロナ資金繰り支援策の転換を踏まえた事業者支援の徹底等について(P2)
コロナ資本性劣後ローンとは、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けている企業や事業再生に取り組む事業者等を対象に、財務体質強化を図るために資金を供給する日本政策金融公庫の制度」です。
正式名称は「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付」といい、本記事を執筆した2024年10月現在、2024年12月末まで利用可能です。
コロナ資本性劣後ローンを利用できる方は、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた法人または個人企業の方であって、次のいずれかに該当する方」です。
(1)J-Startupプログラムに選定された方。
または独立行政法人中小企業基盤整備機構の「起業支援ファンド」「中小企業成長支援ファンド」による出資を受けた方
または独立行政法人中小企業基盤整備機構の「起業支援ファンド」「中小企業成長支援ファンド」による出資を受けた方
(2)中小企業活性化協議会の「新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール支援」「再生計画策定支援」を受けて事業の再生を行う方
または独立行政法人中小企業基盤整備機構の「中小企業再生ファンド」による出資を受けた方
(3)事業計画書を策定し、融資後おおむね1年以内に民間金融機関等からの出資または融資による資金調達が見込まれる方
(4)認定支援機関の支援を受けて事業計画を策定する方
新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)|日本政策金融公庫
(1)(2)は一般的な中小・零細企業にとってはハードルが高いため、実務的に利用できる要件は、(3)(4)となります。
コロナ資本性劣後ローンの詳細は、以下の通りです。
●融資限度額:7,200 万円
●資金使途:事業を行うために必要な設備資金および運転資金
●返済期間:5年1ヵ月、7年、10年、15年、20年のいずれか
●返済方法:期限一括返済(利息は毎月払)
●金利:融資後3年間は0.50%
融資後3年経過後は、毎年直近決算の業績に応じて、2区分の利率が適用されます。
●担保・保証人:無担保・無保証人
●資本性の扱い:金融機関の債務者の評価において自己資本とみなすことが可能
※償還期限の5年前までは残高の100%を資本とみなすことが可能(5年未満からは1年毎に20%ずつ資本とみなせる額が減少)
新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)|日本政策金融公庫
この資本性劣後ローンを利用するに当たって重要なポイントは2つ。
そもそもメインバンクから支援をもらえない事業者なら、資本性劣後ローンが入って財務内容がよくなっても、追加の融資を受けることができないと判断されます。つまり、資本性劣後ローンを導入するメリットがないのです。
また「中長期的な業況の回復や発展の見込み」がなければ、財務内容が劣化している事業者に融資をしても、貸し倒れになる確率が高いのです。
この「資本性劣後ローン」を申請するにあたっては、「①実現可能性が高い事業計画の策定」と「②業況の回復や発展を実現するための具体的なアクションプラン」が必要です。「絵に描いた餅」では、「資本性劣後ローン」を利用できません。
公庫には所定の「コロナ資本性劣後ローン申込時の事業計画様式」がありますが、財務内容が大きく毀損している事業者の場合、これだけでは認可を得ることができません。別途、詳細な事業計画書を添付する必要があります。
金融機関への融資申請時、金融機関が取り組みやすい頼み方と、そうでない頼み方があります。
たとえば今回紹介した融資制度で申し込むなら、公庫は比較的、積極的に取り組む傾向にあります。
しかし申請の際に「中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる」という内容を盛り込まないと、金融機関にとっては取り組みにくいのです。
そういった「ちょっとしたコツ」をおさえて資料作成のお手伝いをすることで、顧客企業が融資してもらえる確率を高めることができます。
そんな「融資の強力なサポート」ができる士業・コンサルタントになるための知識が学べます。
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