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経営者に伝えたい「日本政策金融公庫の経営者保証特例免除制度」の拡充。従来との違いと利用時の注意点

日本政策金融公庫の経営者保証解除のハードルが、また低くなりました。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

経営者保証を外すには2つの方法があります。

  • 「交渉」民間金融機関からのプロパー融資の経営者保証を外す方法
  • 「経営者保証免除の制度を利用して借り換える」信用保証協会の保証つき融資、日本政策金融公庫の融資の経営者保証を外す方法

このたび、日本政策金融公庫の「経営者保証免除制度」の内容が拡充されました。今までよりも使いやすくなったのです。

※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います

日本政策金融公庫の経営者保証免除できる制度×4点

日本政策金融公庫には、一定の基準を満たすことで、経営者保証を免除してもらえる制度があります。以下は、そのおもなものです。

  • (1)新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方に対する融資
  • (2)生活衛生改善貸付
  • (3)マル経融資
  • (4)経営者保証免除特例制度

各制度の概要を解説した以前のブログも、あわせてご参照ください。

変更点=「経営者保証特例制度」の要件が緩和された

上記の過去記事で「経営者保証特例制度」の財務要件について解説しましたが、今回この財務要件が緩和されました。

これまでの「経営者保証特例制度」の要件は以下のとおりでしたが…

1.次の(1)から(3)までの全ての要件を満たす方。

(1)法人と代表者の方の一体性の解消が一定程度図られていることについて、公庫において確認ができること

(2)税務申告を2期以上実施していること。また、公庫からの普通貸付または生活衛生貸付の借入がある場合は、取引状況に問題がないこと

(3)減価償却前経常利益が直近2期連続赤字ではなく、かつ、直近の決算で債務超過ではないこと。

経営者保証免除特例制度|日本政策金融公庫

このように「(3)減価償却前経常利益が直近2期連続赤字ではなく、かつ、直近の決算で債務超過ではないこと。」で、「減価償却前経常利益」と「資産超過要件」の両方とも満たさなければいけませんでした。

が、今回の要件拡充で、どちらか一方を満たしていれば、経営者保証を不要にできるようになったのです。

  • 「減価償却前経常利益が直近2期連続赤字ではない」、または
  • 「直近の決算期において債務超過となっていない」

両方の要件は満たせていなくても、片方だけなら満たせる事業者はいるでしょう。該当する顧客企業を持つ士業・コンサルタントのみなさん、この情報を伝えるだけでもきっと喜んでもらえるでしょう。

「経営者保証特例制度」の他の免除要件

上記は代表的な免除要件ですが、これだけではありません。他の免除要件は以下のとおりです。

2.物的担保の提供がある方であって、前1(1)の要件を満たす方

3.新規開業後おおむね5年以内かつ技術・ノウハウ等に新規性がみられる方等であって、前1(1)および(2)の要件を満たす方

3.取引金融機関において代表者保証の免除に関する協調対応が見込める方または取引金融機関から代表者保証を免除された借入の残高がある方

4.事業承継・集約・活性化支援資金または生活衛生事業承継・集約・活性化支援資金を利用される方

5.新たに事業を始める方または税務申告を2期終えていない方

6.ソーシャルビジネス支援資金を利用されるNPO法人の方

経営者保証免除制度|日本政策金融公庫

財務要件が満たされていなくても、上記2~6に該当する場合は、やはり経営者保証免除で借りることができます。

返済可能根拠を示す資料の必要性=士業・コンサルタントの出番

この制度はたいへん使い勝手がよいのですが、公庫のサイトにある制度説明の「ご利用いただける方」に、こうあります。

「次の1から7までのいずれかの要件を満たしており、経営状況等から借入返済が可能と見込まれる法人の方」

経営者保証免除制度|日本政策金融公庫

要件が満たされていたら即「経営者保証免除OK」ではなく、「経営状況等から借入返済が可能と見込まれる」という根拠を伝えなければいけないのです。

財務内容が良好なら問題ありませんが、そうでない場合は何らかの事業計画や経営計画を資料として添付する必要が出てきました。

この部分こそ、士業・コンサルタントが事業者をサポートできる領域でしょう。

経営者保証免除制度の情報に加え、「経営者保証免除の確度を上げるサポート」あわせて提案すれば、依頼につながる可能性は高まるでしょう。


いま公庫や保証協会は、事業者に有利になる改正や創設を頻繁に行っています。既存制度の拡充、また新制度の創設などです。

そのような最新情報をいち早く入手して事業者に伝えることで、「融資に詳しい専門家」と頼りにしてもらいやすくなるでしょう。

いざというときに頼りになる専門家という評価が得られたら、経営者どうしのつながり「あの専門家に相談してみたら」と、自然に見込み客紹介が増えてきます。

そんな「融資支援ができる士業・コンサルタント」になるための知識・ノウハウが学べるセミナーです。

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※融資に関する質問などにもその場でお答えします

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