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【創業融資でよくある勘違い】自己資金要件がなくなっても通帳の確認はされます

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こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

先日開催した「日本政策金融公庫の融資課長との勉強会」を行う前に、ネクストフェイズブログやメールマガジン読者の士業・コンサルタントから、「日本政策金融公庫課長への公庫融資に関するあらゆる質問」を募集しました。※質問受付終了

おかげさまで数多くの質問が寄せられ、公庫の融資課長からも熱量の高い回答をいただきました。役立つ勉強会になりましたこと、お礼とともに報告させていただきます。

いただいた質問と回答には、一般に公開できるものとそうでないものがあります。公開できる内容のものは、今後この場で順次紹介していく予定です。

今日はその第1弾。テーマは公庫の創業融資での、自己資金要件です。

※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います

自己資金要件が撤廃されて通帳の確認は不要となったのか?

今回いただいた質問の中で、予想外に多かったのが以下です。

2024年4月から、公庫の創業融資で「自己資金要件」が撤廃されました。今後、通帳の提出は不要になるのでしょうか

「自己資金額の確認が不必要になるのだから、通帳の確認も不要になるのではないか」と考えた方が多かったのでしょう。

しかし結論から言うと、「自己資金要件がなくなっても、通帳の確認は行います」との回答でした。

金融機関が創業融資の自己資金で重要視する2つのポイント

公庫の創業融資の自己資金要件が撤廃されたからといって、「創業する際に自己資金がなくてもよい」とは、公庫をはじめとする金融機関はけっして考えていません。融資審査をする上で、「自己資金額」は今までに引き続き、重要なファクターです。

金融機関が自己資金に関してチェックするポイントは、大きく以下の2点です。

  • どのように自己資金を貯めてきたのか
  • どれだけの自己資金を貯めてきたのか

ポイント(1)どのように自己資金を貯めてきたのか

自己資金を貯めてきた過程を見ることで、「どれだけの時間をかけて準備してきたのか」、つまり「創業にかける思い・覚悟」を見ます。

時間をかけて自己資金を貯めていたことが通帳を確認して把握できれば、金融機関は「創業に対する強い思い」を感じることができます。

創業に対する思いが強い創業者には、多少の困難にぶち当たっても跳ね返すだけの胆力・耐性がある――そう考える傾向にあります。「創業が成功する確率が高い」と判断した創業者には、前向きな評価を行います。

ポイント(2)どれだけの自己資金を貯めてきたのか

金融機関が理想とする自己資金額は、「創業に必要な資金の3割以上」です。つまり多くの場合、自己資金の「倍額」程度が、貸してもらえる創業融資額の目安と考えましょう。

自己資金額金融機関が貸す創業融資の目安
200万円400~600万円
300万円600~800万円

200万円の自己資金しかなければ、金融機関が貸す創業融資の目安は400万円~600万円。300万円の自己資金があれば、金融機関が貸す創業融資の目安は600万円~800万円です。

自己資金が多いと調達できる資金額が増えるため、創業計画どおりに事業が進まなくても、資金的に耐えうる期間を延ばすことができます。

粘れる時間が長ければ長いほど、生き残ることができる可能性が高くなり、自己資金が少ないより多い方が、「創業が成功する確率が高い」と金融機関は考えます。

だから自己資金要件がなくなっても、自己資金についての確認は従前どおり行われるのです。

通帳で見るのは自己資金だけでない – 日ごろのお金の使い方

金融機関が創業融資時に通帳を確認するのは、自己資金の貯め方金額を見るだけではありません。

経験豊富な担当者なら通帳を見ることで、創業融資を申請している創業者の性格の傾向まで、ある程度把握できます。

たとえばカード会社への支払内容から、「金遣いの荒さ」をある程度把握することができます。また公共料金の支払い状況から、お金に対する律儀さ、またルーズさを見て取ることができます。

通帳の入金・支払内容から想像できる、生活姿勢、お金に対する考え方などを踏まえた上で、創業計画書の内容、さらに面談でのヒアリング内容をあわせて、「返済してもらえそうか」の判断に至ります。

普段のお金の使い方も、創業融資審査の対象になると考えておくべきでしょう。


金融機関が融資審査時に見るポイントを把握できれば、融資審査に有利に働く資料を作成することが可能になります。

今は融資申請時の文言ひとつで、積極的に取り組んでもらえるか、消極的になるのか、大きく変わる時代。

金融機関が融資時にチェックするポイント、積極的に融資に取り組んでもらえる申込み方法などのアドバイス、またサポートができる士業・コンサルタントになる道筋を学べます。

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