- 2016-2-24
- 融資サポート
- 士業のビジネスモデル, 金融機関の内側
中小企業の経営者に対するコンサルティングをしていて、一番初めによく聞かれるのが、
「それで、うちの会社、どれぐらい借りられそうかな?」
ということです。
もちろん、その会社の業績や、金融機関との取引関係、担保や保証人の有無によって、借りられる額は
変わってきますし、取引先金融機関の融資方針も融資額に影響を与えます。
でも、経営者が聞きたいのは、「正確な借り入れ可能額」ではなく、
「だいたいの金額」なのです。
だから、
「社長の会社なら、だいたい、◯◯◯万円ぐらいなら、借りられると思いますよ」
と答えてあげると満足します。
では、どのくらい借りられるかを調べるためには、何を見ればいいのか?
担保や保証人の有無、取引年数、取引先との関係性を考慮しない場合、
金融機関が貸出可能金額の目安としているのが、
「年間返済可能額の10年分」
となっています。
具体的な計算式で言うと
「(減価償却費+税引き後利益)×10」
が、その数字になります。
「うちの会社、どれぐらい借りられそうかな?」
と尋ねられたときには、
「それでは、社長のところの会社がどれだけ借りられるか調べますので、直近の決算書を
見せていただけますか?」
と言ってください。
そして、損益計算書の「減価償却費」と「税引き後利益」の項目をさっと見て、頭の中で合計し、
それを10倍したきりのいい金額を言ってください。
その後、なぜ、その数字が導き出されたのかと説明をすると、
「そうか、金融機関は、そうやって考えるんだな」
と、あなたが、金融機関取引や資金調達に詳しい専門家だと思ってくれます。
また、決算書を見せてもらえない場合、経営者に尋ねるのは、
「去年の営業利益はどれくらいでしたか?」
と、
「減価償却はどれぐらいされましたか?」
と
「今、全部でどれぐらい借りられていますか?」
の三つです。
借入金額を聞いて、その総額に3%程度かければ、その会社の「支払利息額」が推測できます。
「営業利益額」から「支払利息額」を差し引いて、2で割ると、
だいたいの「税引き後利益額」が推測できます。
推測した「税引き後利益額」と聞きだした「減価償却費」を合計し、10倍した金額を
「借り入れ可能額」として伝えればOKです。
だいたいの「借り入れ可能額」を伝えた時に、
「だいたい、◯◯◯万円ぐらいなら借りられると思いますが
、私がお手伝いすることで、もっと借りられるようになりますよ」
とアピールをすれば、その経営者は、より、あなたに対して興味を持ってくれます。
その結果、顧問契約につなげられるきっかけになります。
「社長、社長の会社、どれぐらい借りられることができるのか調べましょうか?」
と提案してあげると、多くの経営者は興味を持ってくれます。
そして、それをきっかけに、その会社の決算書を見せてもらうことができますので、それを見て、
自らのビジネスに繋げることの出来る情報を手に入れることができます。
(士業やコンサルタントであれば、その会社の問題点がわかりますし、保険営業マンなら、
その会社の保険契約可能額を推測することができます)
会社の決算書は、こちらが見せて欲しいと思ってもなかなか見せてもらえないもの。
そんな決算書をスムーズに見せてもらうためのきっかけとなる知識を獲得出来るヒントが手に入ります。
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