- 2017-2-24
- 融資サポート
- 事業性評価融資, 金融機関とのつきあい方
銀行員は、いろいろな角度から会社のことを調べています。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
金融機関が融資を行う上において、実務上で重要となるのが、企業の実態把握です。
取引先の実態を把握するため、「企業概況表」「取引先概況表」「信用調査書」というような名称の
「実態把握シート」を作成します。
最近は、「事業評価性シート」というところも増えています。
この「実態把握シート」に加え、「財務分析」や「担保・保証の状況」「他行取引の状況」「取引履歴」等の
資料を基にして融資を決定します。
「実態把握シート」には、以下のことが書かれています。
(1)事業概要
(2)商流と業務フロー
(3)市場・業界の特性と動向
こういった現状を把握した上で、競合との比較を行います。
競合に比べ、勝っている点が多ければ、その企業は成長・発展する確率が高いと考えられ、
融資はスムーズに行われます。
しかし、現在、金融機関において、この「実態把握」が十分行われていないケースがよくあります。
担当者の情報収集能力が低下しているからです。
不十分な情報で融資審査を行えば、その案件に対しての融資判断は厳しいものにならざるを得ません。
なので、正確な実態把握をしてもらう必要があります。
(1)事業概要
事業概要を把握してもらうために伝えるべき情報は、
1.業種
2.取扱商品・サービスの内容と売上構成
3.会社所在地・規模・立地状況・所有・稼働状況
4.経営陣の経歴・関係・人物像
5.後継者の有無
6.経営理念・ビジョン・経営方針
7.株主構成
8.沿革
の8つです。
これらの情報は、金融機関は当然把握していますが、更新していないことがほとんどであるため、
定期的に更新情報を「文書」で伝えておく必要があります。
事業概要を把握してもらうための資料として、「商業登記簿謄本」「定款」「会社パンフレット」
「組織図」「商品カタログ」「WEBサイトのプリントアウト」を提出すれば、
理解はより深まることになります。
(2)商流と業務フロー
商流と業務フローを把握してもらうために伝えるべきことは、
「商品・サービスの内容」「事業の特徴」「仕入先」「販売先」「取引条件」
「収益構造(儲けのしくみ)」です。
これらを「業務フロー表」という図にすることで、金融機関は、より実態把握が出来るようになります。
(3)市場・業界の特性と動向
担保・保証に頼らない「事業性評価融資」をしてもらおうと思えば、
「市場・業界の特性と動向」に基づいた競争力の評価をしてもらう必要があります。
そのためには、自社の経営分析を行い、その分析結果を提示すべきでしょう。
そのための分析手法としてよく使われているのが「SWOT分析」です。
「市場や企業を取り巻く環境の変化」「その変化に対する競合先の対応」「競合先の対応が
自社に与える影響」を分析し、内部の経営資源分析と併せて、「自社の対応方針」を明確にします。
銀行が企業の実態を把握できるような資料を、企業側から積極的に提供することで、
財務内容や担保・保証に頼らない「事業性評価融資」をしてもらいやすくなります。
代表取締役の保証を外したいのであれば、積極的に情報提供を行っていきましょう。
銀行の担当者が「実態把握シート」をスムーズに書けるようになれば、
融資もスムーズにしてもらえるようになります。
そのための情報提供方法にはコツがあります。
ちょっとしたコツを押さえることで、銀行はとても面倒見がよくなります。
そんな銀行への情報提供をするためのちょっとしたコツについて知ることができます。
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