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質問「上場企業の退職者が創業融資を依頼したら、きっぱり断られました」

ネクストフェイズが運営する融資コンサルタント協会では、会員からのメールや電話などによる個別相談を受け付けたり、ご報告をいただいたりしています。先日、ある税理士の会員から、退職者からの創業融資の困りごとについてご質問をいただきました。

※一般社団法人融資コンサルタント協会サイトはこちら
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大手企業の早期退職者から創業融資の相談

質問者 「私は税理士ですので、いつもは中小企業の経営者とお話をしています。でも今回は知り合いを通して、ある個人の方から融資相談を受けたんです」

東 川 「融資に強いとアピールしていれば、いろんな方を紹介されますよね」

質問者 「はい、今回は上場企業を早期退職し、長年の夢だった蕎麦屋を開業したいという個人でした」

 
こんにちは、ネクストフェイズ編集(以下、編集)です。どうして退職者の多くは蕎麦屋を始めたがるのか、という疑問が浮かびましたが、それについては後述します。

質問者 「で、金融機関に融資を頼んだら、きっぱり断られたらしいんですよ」

東 川 「早期退職なら年齢も若く、退職金の上積みもあり、創業融資は無理筋じゃないのに」

質問者 「それが、退職金を投資物件に突っ込んだらしく、さらにいま話題のアパートローンの借り入れもあり…。しかもその物件、採算ラインに乗っていなくて」

東 川 「じゃ、蕎麦屋開業にあたっての自己資金は」

質問者 「ほぼゼロ」

東 川 「あちゃー」

 
投資物件とか、アパートローンとか、なんだかすごい金額を想像して編集は頭がクラクラしました。上場企業を早期退職すると、退職金はどれくらいになるんだろう…。
 

創業融資なら公庫か地域系金融機関へ

東 川 「そもそも自己資金ゼロなら、開業資金の融資は難しいと思ってください。どこの金融機関に融資を頼んだのですか?」

質問者 「その方が長年、普通預金口座を持っていたという、あるメガバンクだそうです」

東 川 「あちゃー」

 
東川はいつも、融資なら、まず日本政策金融公庫、また信金や信用金庫など地域系金融機関にトライするのが王道だと言っています。その方は「長い間、普通口座を持ってるし…」と、いきなりメガバンクに行ってしまったんですね。
 

創業希望者が創業融資を知らないのは当然

東 川 「普通預金の口座くらいなら、メガバンクにとってはおつきあいがないのと同じことです」

質問者 「事前にご相談いただけたら、私もメガバンクだけは止めたのですが」

東 川 「でもたしかに退職者、とくに大きな企業に長年お勤めだと、融資のコツをご存じないのも無理はありません」

 
創業融資・事業融資なんて、経営者ならまだしも、長い間サラリーマンだった方はなかなか経験する機会がありません。コツを知らないのは当たり前ですよね。
 

創業者に有利な融資制度をお知らせしよう

東 川 「ちなみに、どのメガバンク?」

質問者 「それはちょっとここでは言えないんですが、あの…」

東 川 「はい?」

質問者 「イニシャルでいえば、M銀行です」

東 川 「……」

質問者 「?」

東 川 「メガバンクは3行ともM銀行です」

(2017年4月某日、個別相談にて)

 
その後、日本政策金融公庫の創業融資制度、また創業融資が見込めそうな地域系金融機関とのつきあい方などを質問者にアドバイスし、東川は今回のセッションを終えました。そこで編集は、さっき浮かんだ質問を東川に尋ねます。
 

おまけ:退職者と蕎麦屋の謎

編 集 「退職者が蕎麦屋を始めたがるという話、よく聞きます」

東 川 「ありがちな話かもしれないね」

編 集 「なんで蕎麦屋なんでしょう」

東 川 「それは…」

 
少し考えて、東川はこう言いました。

東 川 「それは僕にもわからんわ」

 
経営者のみならず、個人の方、とくに、会社勤めを終えていよいよ夢を現実にと願う退職者のなかにも、意外な融資ニーズがあるのだと編集は学びました。個人客を多く持つ、たとえば保険営業の方にも、融資のコツを学ぶメリットはありそうです。

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