いろいろな制度を知っておくことは重要ですね。
ネクストフェイズ スタッフで弁理士の山本です。
海外での知財係争リスクが少なくなります~中小企業向け海外知財訴訟費用保険制度を創設しました~(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160608001/20160608001.html
来月の話ですが、
中小企業向け海外知財訴訟費用保険制度が創設されるそうです。
特許、商標(おそらく意匠や実用新案も含む。著作権は?)の知的財産権の侵害で訴えられた場合に、
保険に加入しておけば、訴訟にかかわる費用が保険金として支払われる制度のようです。
保険金として支払われる費用の中には、
弁護士への相談や通訳にかかる費用、証拠集めの調査費なども含まれるとのことです。
海外での訴訟は、弁護士費用が高額な国もあり、
また資料の多くが外国語になるので、その翻訳費用も高額になります。
したがって、国内の訴訟でも多額の費用がかかりますが、
海外での訴訟はその何倍もの費用が必要になります。
今回の保険がどこまでそれらを負担してくれるかはわかりませんが、
中小企業が訴訟をする場合に、訴訟対応費用の事業規模に対する割合が
大企業に比べれば格段に大きくなることを考えると、使えそうな制度だと感じます。
さらに、保険料の半額を国が負担してくれるとなると、
海外進出しようとする中小企業にとっては頼れる制度になる気がします。
ただ、この制度は、訴訟を受けた場合(被告)の場合に費用を負担してもらえるもので、、
訴訟で負けると差止を受けることになる場合がほとんどですので、
結局は撤退することになってしまうということです。
この保険はあくまでも、事前調査などで侵害はしていないことがわかっているのに、
なんくせを付けられて訴訟に発展するような場合に効果を発揮するものだと考えます。
(中国では、かなり強引に実用新案で訴えられるというような話も聞きますので、
そのような場合に役立ちそうだと思いました。)
ちょうど海外進出を考えているようなクライアントは多くない情報かもしれませんが、
クライアントに少しでも有益な情報は常に提供したいものです。
クライアントに提供できる融資に関する情報を得られるセミナーです。
●「融資に強いFP・士業になる方法」セミナー
https://www.npc.bz/fp-shigyou/
(東京) 7月5日(火)、6日(水)、22日(金)、25日(月)、26日(火)
(大阪) 6月28日(火)、29日(水)、7月9日(土)、13日(水)、14日(木)
※7月後半以降も日程あり。詳しくはサイトをご参照ください。