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浜田透税理士インタビュー【3】お客さんが増えるかどうかは、運ですか?

大阪市福島区の税理士・浜田透さんは、独立4年目を迎えた38歳。
資金ショート寸前の不安をひとりで抱えこむ日々から、
悩みを仲間に相談できる現在までのドラマチックな数年間、
浜田さんが考えに考え抜いた先に見つけた、体温のある知見を5回にわたってお送りします。
まだ4年目なのに、なんでそんなにお客さんが多いの?
「運ですよ」ってホントですか?
みんなが聞きたい「そこんところ」はもちろん、
「そこんところじゃないところ」を含めて楽しくお話しくださいました。
聞き手は、(株)ネクストフェイズ編集部です。

浜田透さんプロフィールはこちら

【浜田透税理士インタビュー もくじ】
第1回 当初は毎月の売上高9万円。不安を誰にも打ち明けられなかった理由。
第2回 独立前におさえておきたい、2つのステップ。
第3回 今のその経験が、かならずあなたの強みになる。
第4回 独立後だからこそ、相談&叱ってくれる存在を、いつも。
第5回 前の世代からいただいたものを、次の世代へ。


第3回 今のその経験が、かならずあなたの強みになる。

――      (気を取り直して)ええっと、浜田さんは、ご自身の強みがわからない、と。

浜田      今のお客さまからは「当たり前のことを当たり前にできている」とか「年齢の割にいろんな経験を重ねている」とか「明るく話しやすい」と言ってもらえているのですが、果たしてそれが自分の強みかどうか…。

――      「年齢の割にいろんな経験」とは?

浜田      たとえば資金ショート寸前なんて、なかなかできる体験じゃない(笑)。でもホント、無駄な経験なんてないと思うんです。僕が一番しんどかったあの資金繰りの話だって、あれだけつらい思いをしたからお客さんに同じ思いをしてほしくないという強い気持ちが持てるんです。

――      ほかにも多彩な経験が?

浜田      独立前に勤めていた事務所が小規模だったので、全部自分でやらないといけない状態でした。1から10まで…とは言わないけれど、9.5くらいまで自分でやって、それでようやく先生にお渡しする、というような。あのころは、いろんな規模、業種のお客さんを担当しました。個人さんから年商が億単位、しかも二桁という規模の会社まで。

――      貴重な体験ですね。

浜田      その通りです。今たとえば所長さんのもとで細かい、小さい仕事をしながら「なんで自分がこんなことまで…」とやりがいを感じられない方や、資格勉強中の方には、「それは無駄にならない!後できっと役に立つから!」「見てる人は見てるから!」と励ましたいですね。とくに、勤めているそのときこそ経営者のつもりになって、こういうとき自分がもし所長さんならどんな判断をするだろうとシミュレーションしておくと、独立後かならず役に立ちますよ!

3-1
●いつも愛機CASIOとともに

――      そういえばさいきん税理士事務所の経営環境も厳しくて、顧問料の低価格化や、資格者ではなく事務員さんが関与先に訪問するケースも増えていると聞きます。

浜田      低価格化は、ひとつの選択肢としてアリだと思います。でも私は、かならず自分が関与先に出向き、しっかり密にコミュニケーションを取るようにしているんです。そういうスタイルなら顧問料は下がらない、むしろ上がっていくものだと思いますよ。

――      浜田さんの訪問頻度は?

浜田      契約によって違いますが、たいてい月に一度です。1回行けば最低でも1時間、だいたい2時間でしょうか。たまに3時間なんてこともありますよ。

――      3時間!何をお話しになっているんですか。

浜田      お客さまにもよりますが、税務の話は…まあほとんどないですね(笑)。ほぼ雑談といいますか…。

――      専門外のことも?

浜田      多いですよ。税理士って、経営者が一番よく会って話す専門家じゃないでしょうか。あらゆる悩みごとの、最初の相談窓口というか。

――      なるほど。

浜田      そして自分自身も、そんな税理士という職業にとても向いていると思います。話をお聞きするのが好きなんです。お話しするだけで、私も楽しいし、経営者さんも楽になっているようです。もちろん聞くばかりじゃなく、私にできることがあれば実際にお役に立ちたいですしね。

――      どんなお話が多いですか?

浜田      対従業員の悩みをお聞きしたり。「もっとやる気を持って働いてもらうにはどうしたらいいだろう」とか。

――      浜田さんのアドバイスは?

浜田      従業員さんときちんと向き合ってますか、とか、細かい点を見つけてほめましょう、とか、叱るだけではシンドイですよ、とか。ほら、自分もかつて従業員でしたから、経営者がつい抱いてしまう「やってもらって当たり前」という意識が伝わることもよく知ってるし(笑)。これも経験のおかげですよね。一方、「売上が上がらない」という悩みも多いですよ。

――      そんなときは?

浜田      先ほどもお話しした、「自分の得意とするサービス」を「どんなお客さんに」「どのように」提供するのかを一緒に考えます。新しいものに飛びつかず、軸を決めてブレないように。ターゲットが明確になれば、自分が行くべき場所もわかりますしね。

――      もしかして大学でマーケティングなど勉強なさいました?

浜田      修士のときにちらっと。

――      役に立っているようですね。

浜田      それが…あまり優秀な学生じゃなかったので…。いえ、先生方には素晴らしい知識を授けていただいたのに、その知識が指の間から砂のように…(笑)。

――      あっ、いえ、やはり知識より経験ですよね!

浜田      はい! 若手のみなさん、無駄な経験はありませんよ!(笑)

第4回に続きます)


【浜田透税理士インタビュー もくじ】
第1回 当初は毎月の売上高9万円。不安を誰にも打ち明けられなかった理由。
第2回 独立前におさえておきたい、2つのステップ。
第3回 今のその経験が、かならずあなたの強みになる。
第4回 独立後だからこそ、相談&叱ってくれる存在を、いつも。
第5回 前の世代からいただいたものを、次の世代へ。
 

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