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藤本忠相行政書士インタビュー【5】 「相続案件獲得の前に、遺言・後見が有効な理由は?」

奈良県奈良市で開業している行政書士・藤本忠相さん。

この士業インタビューにご登場いただくのは3回目です。

1回目は2015年9月、藤本さんの活動を「建設業」「相続」「任意後見」の3本柱でお話しいただきました。

藤本忠相行政書士インタビュー【1】 行政書士で、食えますか?

2回目は2019年5月、テーマを相続に絞って、安定的に案件獲得している仕組みをお尋ねしました。

藤本忠相行政書士インタビュー【1】 「計画的に、相続案件を獲得できますか?」

藤本さんの安定化のポイントは、営業活動を2段階に分けていること。いきなり高齢者にアプローチしません。

まず第1営業として、高齢者が集まる場、いわば「ハブ」となる施設などに訪問。

そこから紹介いただいた高齢者宅への訪問が、第2営業です。ネットに頼らない、アナログ営業を貫いています。

このように相続案件獲得の仕組みを確立した藤本さんですが、
近ごろは遺言・任意後見の割合が増え、「自動的に」相続案件の獲得につながっているとのこと。

そこで今回、膨らむばかりの高齢者マーケットの「川上」にアプローチして、
相続まで自動的に受任する流れをお聞きしました。

いつものように5回連載でお届けします。聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
取材に同席していたネクストフェイズ代表・東川
また新しいスタッフ・城戸もときどき発言しています。

 

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藤本忠相(ふじもと・ただすけ)さん
行政書士。さくら行政書士法人代表社員。一般社団法人さくらサポート代表理事

●大学法学部在籍中に行政書士資格を取得し、2004年、29歳で独立開業。

●当初は建設業等の許認可を中心に顧問数を増やすが、相続や遺言、任意後見など高齢者からの要望が高まり、誠実に応えてきた。

●2016年「さくら行政書士法人」として法人化、現在は3名の行政書士を抱える奈良県奈良市の本店および近鉄奈良支店を率いる代表社員として奮闘中。年間の相続サポート実績は100件を超える。

●「相続や遺言は、みなさん人生をかけて相談なさいます。単なる手続きではありません。相談者の、言葉にできない想いを理解し共有したいんです」(藤本)。


藤本忠相行政書士インタビュー(全5回)
「相続案件獲得の前に、遺言・後見が有効な理由は?」

【もくじ】
1/高齢者マーケット、コロナ前後で変化は?
2/そんな営業では介護業界から信用されない
3/介護施設への訪問時に話を切り出しやすい事例
4/遺言や後見の契約時に注意・配慮したいこと
5/「高齢者にとって」よい相続コーディネーターとは

第5回 「高齢者にとって」よい相続コーディネーターとは

高齢者の安心のために、熱意と労力と頭を使えるか

――  では、「高齢者にとって」、よい相続コーディネーターとは?

藤本  「高齢者のしてほしいことの先を考え、提案し、納得してもらい、実践できる人」でしょうか。

――  しかし、相続サポートの経験がなければ、高齢者が求める「先」を思いつきにくいかもしれません。

藤本  なるほど…その場合はですね、やはりどこまでいっても「フットワークの軽さ」がとても大事になってくると思います。年齢は関係ありませんよ。独立間もない方でも、ベテランでも。

――  年齢は関係ない。

藤本  はい、私は東川さんに、「相手と何度も会いましょう、4回会いましょう」と教えてもらいました。で、4回通う人って、4回通うだけの熱意と労力と頭を使っているということです。そのフットワークの軽さは、相手に伝わると思います。相手は、気軽に会いに来てくれる人のことを、かならず大事にしてくれますよ。

東川  労力をいとわない。

藤本  そういう人にこそ、依頼が集まりやすいですね。とくに士業は「バッジをつけている偉い人」だとみなさん思っているので、相談が無料だったり、ちょくちょく電話をくれたり、実際に来てくれたりすると、「頼んでみようか」と思ってもらいやすいですよ。

――  逆に、「こういう人だと相続案件の獲得は難しい」というタイプは?

藤本  お年寄りが苦手な方は難しいですね。人生のことですから、お年寄りとのお話では、正解がないことのほうが多いんです。

――  そうですよね。

藤本  人生の終わりをどうするかは大事なことですから、お年寄りも悩みます。お話を聞くにしても時間も手間もかかりますから、それに対応したくない/できないという場合は、無理にこの業界に入らないほうがいいと思うんですよね。しんどいだけになってくるので。

――  向き/不向きがある。

藤本  あります。

東川  思いがないとやっていけない。

藤本  思い、熱意がないと、無理が続いて苦しくなります。

――  それでも今後ぜひ相続案件に関わっていきたい方にお伝えしたいことは。

藤本  まず、大きな高齢者マーケットの中で、相続手続きの「前に」、遺言と後見が必要な理由をお伝えしましょう。それは、「高齢者の安心に寄り添い、仕事として貢献できるから」です。

――  自分の得意分野を活かしながら。

藤本  はい。高齢者が「生きているときから」遺言書の作成や後見人としてサポートする、そして亡くなった時には、相続手続きが自動的に入ってくる ――  そんな仕組みを作っていきましょう。

――  自動的に。

藤本  そのためには、それらの高齢者とどのようにすれば会えるのか、つまり見込客の開拓が必要です。今回のセミナーではその見込客と会うきっかけ作りをどのようにすればいいのか、時間の許す限りお伝えします。

 


●「相続案件は待ちの姿勢…という士業さんが多いけれど、
藤本さんのセミナーで、自分から動けば獲得できるものだと理解してもらえたらうれしいですね」(東川)
「営業=仕事を取ってくる…というより、
その仕組み、いいね、ウチの高齢者に紹介するよ
言ってもらえることだと考えていただければ、気軽に取り組めます」(藤本)

 

遺言・後見の営業の重要性に気づいている士業・コンサルタントは少ない

――  ちなみに藤本さんの場合、「相続のみ」と「川上から」、案件数の割合は。

藤本  だいたい後見は死後事務とセットなんです。件数だけでいえば、川上から関わった事例は、案件全体のうち3割くらいでしょうか。

東川  川上から取り組まないと、3割は取れていなかったかもしれないということですね。

藤本  ちなみに川上から取り組まない、「相続案件のみ」のうち7割くらいは、葬儀会社からのご紹介です。

東川  ということは、「相続案件だけ」を目指すなら、葬儀会社との提携がおすすめですね。

――  葬儀会社へのアプローチは、2021年のセミナーでお話しくださいました。

藤本  ええ、しかし今年2022年のセミナーで強くお伝えしたいのは遺言・後見=「川上からのアプローチ」ですから、営業先へのお話も昨年とは変わってきます。

――  たとえば。

藤本  今回のセミナーでは介護施設についてお話ししますが…。たとえば病院に訪問するとしましょう。詳しくは省略しますが、病院は後見から入るのが筋。「私たちに患者さんの後見をお任せいただければ、病院としてこんなに楽になりますよ」とお話しします。または、遺言をきっかけにしてもいいですね。

城戸  相続案件を得るための遺言・後見の営業の重要性について、多くの士業さんはまだ気づいていないということでしょうか。

藤本  そのとおりだと思います。

城戸  では今回のセミナーで初めてノウハウをお聞きし、新しい活動の起点になると。

藤本  そういう方が多いと思います。

東川  新しいセミナーが楽しみになる質問、GJです(笑)。

 

(おわります)


豊富、かつ最新ノウハウたっぷりのセミナーに期待が高まる時間でした。ありがとうございました!


藤本忠相行政書士インタビュー(全5回)
「相続案件獲得の前に、遺言・後見が有効な理由は?」

【もくじ】
1/高齢者マーケット、コロナ前後で変化は?
2/そんな営業では介護業界から信用されない
3/介護施設への訪問時に話を切り出しやすい事例
4/遺言や後見の契約時に注意・配慮したいこと
5/「高齢者にとって」よい相続コーディネーターとは
 

「相続・遺言・後見の見込み客と出会えるきっかけ作りセミナー」開催

膨らみ続ける高齢者マーケットを取りこぼさない、出遅れないためのノウハウを詰め込んだ、藤本忠相行政書士によるセミナーを開催します。詳しくは下記をご覧ください。


ご好評のうち開催終了

藤本忠相さんを講師にお招きした相続セミナーです

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