奈良県奈良市で開業している行政書士・藤本忠相さんは、独立11年目を迎えた40歳。
士業のなかでもとくに営業が難しいとの評判を耳にすることもある行政書士ですが、
なんのなんの、藤本さんはスタッフふたりをかかえ、ご自身も大奮闘の日々。
今回の取材では、そんな「行政書士の星!」たる藤本さんが、
ご自身の営業手法を大開放してくださいました。
出てくる出てくる目から鱗のノウハウ&アイデアや具体的なアドバイス、
惜しげもなく語ってくれた手の内の数々…、これはもう、Web上の営業セミナー。
行政書士のみなさん必見必読のインタビュー、5回連載でお届けします。
聞き手は、(株)ネクストフェイズ編集部です。
目次
第1回 スタートは月商5000円。内容証明1通書きました。
第2回 藤本式・「食える」行政書士その1 – 建設業
第3回 藤本式・「食える」行政書士その2 – 相続手続き
第4回 藤本式・「食える」行政書士その3 – 高齢者支援
第5回 ひとりで頑張るな。
第2回 藤本式・「食える」行政書士その1 – 建設業
―― 建設会社への新規営業、藤本さんはどのように?
藤本 DMを送ります! そして問い合わせというか、反応があった会社に、アポイントを取ります。
―― 問い合わせ、あるんですか。
藤本 ええ。たいていの建設業の会社はすでに行政書士さんとおつきあいがあるんですが、社長がその先生に満足していないことがよくあるんですよ。私の場合、アポを取って実際にお会いし、不満に思っておられることをお尋ねするんです。そのうえで、「私ならこうできますよ」とお伝えすると、少しずつこちらに切り替えていただけるようになりました。
―― 建設業に多い不満ってどんなことでしょう?
藤本 今おつきあいのある行政書士さんについて、「冷たい」とか「ウチのことをほったらかしにしている」といった声がよく聞かれます。
―― 冷たい?
藤本 ええ、建設業での大きな行政書士需要といえば、5年に一度の更新と、毎年の届け出です。顧問契約じゃなく、それぞれの機会に報酬をいただく形なので、それ以外の時期には疎遠になりがちなんですよね。
―― そこを藤本さんなら…?
藤本 2ヶ月に一度くらいにお電話しています。お客さんに対してはもちろんですが、「次の届け出のときは頼む」という契約なんか全然ない、まだお客さんでない状態の方に対しても、ですよ。
―― 電話ではどんなことを喋るんですか?
●愛機ギャラクシーノート2近影。「画面が大きいので、メールも含めて仕事がこの一台で済んで便利」
藤本 「何か困ったことはないですか?」「役員さんに変更はありませんか?」「何か変わったことはありませんか」といった、“御用聞き”ですね。そうすると、「こんなこと悩んでいる」「ちょうど電話しようと思っていた」「紹介したい人がいる」「実は知り合いの建設会社が…」など、新しい仕事につながることが多いんですよ。
―― 電話は社長に直接?
藤本 社長が直接ご担当になることもあるけれど、書類については社長の奥さんなど事務員さんが担当しておられることも多いですね。「今の先生じゃなく、藤本さんに代えてほしい」と社長に直談判してくれたケースもあります。
―― しかし、それほど不満を持たれやすい行政書士さんって…。
藤本 多いのは、たとえばずいぶんお年を召したりして、腰が重くなった先生方かな。「こまめに動いてくれない」と社長が思ったとしても、「長いつきあいだし…」とずるずる関係が続いていたりするんですよ。でも担当現場では小さな不満がたまっていく…。
―― そんな状況のときに、知らない行政書士からDMが来る、話をよく聞いてくれる、こまめに連絡をくれる、ウチのことを気にしてくれている…となると…。
藤本 ね(笑)。
―― 御用聞き電話くらいの接触だったら、開業したてでもプレッシャーなくできそうです。気になるのは電話代くらいですね(笑)。
藤本 そんなのウィルコムで契約すれば全然大丈夫!(笑)
―― 藤本さん、ウィルコムですか。
藤本 ええ、便利ですよ。あ、でも開業したてだと、お得な通話の契約にまで気が回らないかもしれませんね。
―― じゃ新人さんのために、しっかり原稿に書いておきます。うぃーるーこーむー。←メモしている
藤本 私は今、建設関係の新規営業はしていないのですが、今あらたに建設業向けのDMを作るとしたら、「今の先生に満足されていますか」というダイレクトな内容にすると思います。
―― セカンドオピニオン狙いですね。
藤本 はい、「すでにほかの先生が入っているので営業するスキがない」という行政書士の話も聞くけれど、セカンドオピニオン的な入り方はアリなんです。もちろん、どの建設会社さんもひとりの先生に頼み続けたいとは考えています。でも、結果的にその先生に頼みづらくなってくる。もちろん長年のおつきあいで先生のサービス力が落ちてくるせいもあるでしょう。でもたとえ先生のサービスレベルが変わらなくても、企業から先生に求めるレベルが上がっていくんです。もしその企業があなたにチェンジしたとしても、前の先生はなぜ自分が切られたのかわかりません。「報酬もサービスも変えていないのに…」って。
―― わからないからこそ切られる、のでしょうね。
藤本 はい、こまめに連絡をくれる、自分のことを気にかけてくれている行政書士にこそ企業は頼みたい、ということがわかっているかどうか…。
―― ということで、お客さんじゃなくても、2ヶ月に1度、電話ですね。
藤本 ええ、ハガキより、電話です。費用は数分の一、効果は100倍(笑)。かならず電話の方が喜んでもらえます。メールよりも。
―― ウィルコムもあるし(笑)。
藤本 ええ、ウィルコムもあるし(笑)。でもね、行政書士の営業先として、「建設業」という「業種狙い」もいいけれど、会社数は限られているし、いつかは天井が見えてくると思うんです。
―― とおっしゃいますと?
藤本 「業種」じゃなく「人間」に注目してみるんです。建設会社で働く方々だって人間だから、病気をすることもあれば入院も、死も、相続もある。となると、その社長さんだけじゃなくその家族みんなが、行政書士のお客さんになりえます。
―― 相続手続きなど、行政書士の別のサービスのお客さんになりえる、と。
藤本 はい、これからどんどん大きくなるマーケットです。
―― (おっ、いよいよ本丸!) 藤本さんが提供する相続手続きとは、どのようなサービスでしょう?
藤本 行政書士事務所で一般的な業務に加え、「相続人への連絡と手続きのご説明」、「ご依頼人に代わって相続手続き書類に相続人様全員の印鑑(実印)をいただいてくる」という2つのサービスが弊所の特色です。もちろんこれは訪問や郵送等にて、という話で、その方々と遺産について交渉するのではなく、あくまでも行政書士の仕事の範囲内で、ということです。もちろん不動産の名義変更などは、提携している司法書士さんにお願いしていますし。
―― しかし、相続手続きをお願いしてくださる個人のお客さんにどうやって出会うのか検討もつきません。個人宛のDMは煩雑だし、折り込みチラシは費用もかかるし…。
藤本 行政書士が個人のお客さんと出会うのには、コツがあるんですよ。
―― それ、教えてくださいっ!
(第3回に続きます)
第2回 本日のまとめ
藤本忠相行政書士インタビュー <全5回>
「行政書士で、食えますか?」
【もくじ】
第1回 スタートは月商5000円。内容証明1通書きました。
第2回 藤本式・「食える」行政書士その1 – 建設業
第3回 藤本式・「食える」行政書士その2 – 相続手続き
第4回 藤本式・「食える」行政書士その3 – 高齢者支援
第5回 ひとりで頑張るな。
【2019/4/26追記】
藤本忠相行政書士による「相続案件獲得入門セミナー2019」を開催
この取材にご登場くださった藤本忠相行政書士による、相続案件の営業・獲得に特化したノウハウ満載のセミナーを開催します。
また、藤本さんが実際に現場で使っている、
・(営業の第1段階)高齢者の情報が集まるハブに対する営業マニュアル
・(営業の第2段階)高齢者と直接話すときの訪問マニュアル
・料金表
…なども公開。長い時間をかけて何度もマーケティングリサーチを行い、そのたびにバージョンアップしてきた最新版です。貴重な機会をお見逃しなく。
もちろん質問のための時間も設けていますので、聞き足りないこと、もっと深く知りたいことなど、何でも気軽にご相談ください。時間の許す限り、ノウハウを包み隠すことなく、誠心誠意答えると講師の藤本さんもやる気まんまんです。
●日時・会場
・2019/6/28(金)18:00-21:00 DAYS赤坂見附
・2019/6/29(土)15:00-18:00 DAYS赤坂見附
・2019/7/17(水)15:00-18:00 サニーストンホテル<江坂>北館
・2019/7/20(土)15:00-18:00 サニーストンホテル<江坂>北館
●定員 各回 25名
●受講料 6,000円(税込み)
●お申し込みは下記からどうぞ↓