- 2018-7-13
- 金融機関との関係づくり
- 金融機関とのつきあい方
金融機関の考え方がわからないと、クライアントにとんちんかんなアドバイスをしてしまいます。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
今回の話は、税理士さんからの相談だったので、「税理士は」となっていますが、
税理士をはじめとする専門家に共通することですので、
読む際は、「税理士」を自分の資格で読み替えてください。
先日、ある税理士の方から、
「私の知り合いの税理士から、
『金融機関に税理士が同行するととてもいやがるので、金融機関への同行訪問は逆効果だ』
と言われました。
ヒガシカワさんは、
『税理士は、クライアントと一緒に金融機関に訪問すべきだ』
と、言われていますが、どちらが正しいのでしょうか?」
と質問されました。
私は、もと金融機関の担当者として、多くの融資を行ってきました。
その中で、優秀な専門家がサポートしている案件は、とても融資がしやすかったため、
士業の方々に
「金融機関に同行訪問してサポートしてください」
と、伝えています。
ただ、金融機関が共通して
「こんな人がついてきたら鬱陶しい」
と思っている専門家はいます。
どの金融機関担当者に聞いても、ぜったいにいやがるのは、
「でしゃばる」専門家です。
融資をする際には、いろいろな面から貸せるかどうか検討します。
一番重要視するのは、
「そのお金を借りた会社がきちんと返せるかどうか」。
そのために、経営者に対していろいろな質問をします。
「こんな人がついてきたら鬱陶しい」
と思える専門家は、その場で、自分が積極的に質問に答えます。
多分、社長では頼りないと思ったからでの行為だと思うのですが、これが大間違い。
融資担当者は、「社長の生の声」を聞きたいのです。
実際に経営を行うのは社長なので、社長が、今回の融資をどう使って、
経営に役立てるのか具体的なことを聞きたいのです。
専門家が代わりに素晴らしい答えをしたとしても、それは、
専門家の頭の中から出てきたアイデアであり、社長のアイデアではありません。
経営者が考えたアイデアでないと、そんなアイデア、「絵に描いた餅」です。
担当者は「絵に描いた餅」の話を聞くほど暇ではありませんので、
そのような話は眉唾物として聞きます。
その結果、その案件については「融資見送り」になってしまいます。
だから、金融機関に同行した専門家はでしゃばってはいけません。
※金融機関に同行した士業が行うべき、正しい立ち居振る舞いについては、以前のブログ
【信頼を得るために、金融機関では、ひと言も話してはいけない】
をご参照ください。
金融機関担当者から聞かれたことについては、主に経営者が説明します。
経営者が説明している横で、うんうんと頷いで、
その経営者が説明するのに不安を覚えないようにするというアシストも重要です。
経営者が答えに詰まって、助けを求めてきたのみ、説明を補完するというのが
正しいやりかたです。
「金融機関に税理士が同行するととてもいやがるので、金融機関への同行訪問は逆効果だ」
と主張されている税理士さんは、そういった金融機関の考えがわかっていない
と言わざるを得ません。
怖いのは、そんな金融機関のことがわかっていないのにもかかわらず、
わけのわからないアドバイスをして、他の専門家に間違った考えを押しつけてしまうことです。
金融機関のことを正しく理解して、クライアントに対して適切なサポートをできる専門家が、
これから増えていけばいいなと、切に願っています。
金融機関のことをよく知らないが故に、
金融機関担当者がいやがるような立ち居振る舞いをしている専門家の方を見ることがあります。
本人は良かれと思ってされているのですが、逆効果になっていることが少なくありません。
金融機関から顧客を紹介してもらえない専門家には、明確な理由があります。
そんな、金融機関から顧客を紹介してもらえる正しい立ち居振る舞い方のヒントが手に入ります。
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