- 2018-8-8
- 金融機関との関係づくり
- 金融機関とのつきあい方
いまだにこんなことをしている金融機関があるのです
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
先日、ある経営者の方と話していると、とんでもない話を聞かされました。
『今、信用保証協会の保証つき融資の金利優遇キャンペーンを行っています。
お得な金利で借りられるので、借りませんか?』
と言ってきたのですよ。」
東川:「今時、信用保証協会の保証つき融資を積極的に推進しているのですか。
金融庁の指導方針と真逆のことをしていますね。
また、かなり、時代遅れの営業姿勢ですね。珍しい。それで、どうされたのですか?」
経営者:「別に、今、資金が必要なかったので、『必要ありません』と断りました。
東川:「そうですよね。プロパー融資ならいざ知らず、
保証協会の保証枠を減らしてまで、今、いらない資金を借りる必要はありませんから、
正しい判断ではないでしょうか。」
経営者:「それがですね。驚くべき展開があったのですよ。」
東川:「えっ。何があったのですか?」
経営者:「融資を断ったにもかかわらず、担当者が訪ねてきて、
『保証協会の認可をとったので、500万円借りられますよ。本当は1千万円で申請したのですが、
500万円しか認めてもらえませんでした。力不足ですみません。』
なんてことを言ってきたのです。」
東川:「それって、こちらの承諾なしに信用保証協会に保証を申し込まれたということなのですか?」
経営者:「そういうことになりますね。」
東川:「それで借りられたのですか?」
経営者:「いえ、必要ありませんし、勝手なことをしたので、
『いらないと言ったでしょう。そんな申請、勝手にして、迷惑ですよ。』
と言ったら、引き下がりました。そこから、その担当者は来なくなりましたね。
この担当者、いつも月末になったら、
『今月はカードローンをお願いします』
だの
『投資信託のノルマが足りないのです』
だの、いつもお願いばかりしてきて、困っているのです。」
東川:「まあ、担当者にはきついノルマがあるので、そうなってしまうのでしょうね。
でも、そんな渉外活動をしても逆効果なんですけどね。」
経営者:「ただ、気になったのは、信用保証協会の保証申込みをしたにもかかわらず、
取り下げてしまうと、今後の借入には影響しないのでしょうか?」
東川:「融資の審査というのは、その時に提出された資料等を見て判断するので、
基本的には、以前、申請を取り消したというのは、影響しないという建前にはなっています。
ただ、本音のところは微妙ですね。」
経営者:「ええっ!もしかして影響があるかもしれないということですか?」
東川:「その可能性もあるかもしれないということです。」
経営者:「それは困るじゃないですか?」
東川:「心配になるのでしたら、信用保証協会に電話して、ことの顛末を伝えた上で、
今回の取り下げが影響を与えるかどうか、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
こちらが望んでもない申請をされたということを伝えることで、その取消自体が、
こちらに責任のないという記録が残りますから、今後の保証に関する悪影響を
避けることはできると思います。」
経営者:「ありがとうございます。早速、保証協会に連絡してみます。」
と言って、その経営者は、早速、信用保証協会に連絡されました。
その結果、信用保証協会から
「今後の保証に関する影響はありませんので、ご心配なく」
という連絡をもらい、やっと、その経営者は安心されました。
成績を上げたい担当者が、暴走して、こちらがお願いしていないにもかかわらず、
融資の申請をしたり、カードローンの申請をしたりということは、稀に見ます。
しかし、そういうことを担当者が行うということは、
その金融機関全体が、そのような行動を許してしまうという風潮にあるということに他なりません。
そのような金融機関は、顧客のことよりも自分たちの利益を優先しようとします。
融資の際でも、金融機関側にメリットがない融資の場合、こちらの状況にお構いなく、断ってきます。
大事なときに、支援してくれない金融機関ということになります。
今回のケースでは、金融庁に報告することで、金融庁から、かなりきつい指導が入るような
重大なケースです。
その経営者は、取引金融機関との関係性を悪化させたくないので、それはしませんでしたが、
そのような金融機関と取引していても、メリットがないので、別の金融機関を紹介し、
今、取引している金融機関との取引を縮小するようアドバイスさせていただきました。
2018年度末(2019年3月)に「金融検査マニュアル」が廃止されます。
その代わりに、金融庁が金融機関を監督・指導するためのツールとして、
「金融仲介機能のベンチマーク」を公表しています。
その金融機関は、「金融仲介機能のベンチマーク」の方向性と逆のことをしていました。
そういった金融機関は、融資姿勢も保守的で消極的になりがちで、
顧客本位のつきあい方をしないと考えられますので、取引されるのは、お勧めできません。
もし、そういった金融機関と取引されている場合は、
すぐに、他の金融機関を開拓し、今の金融機関との取引を縮小されることをお勧めします。
金融機関を取り巻く経営環境は、どんどん悪化してます。
地方銀行の半分以上が本業利益(一般企業で言うところの営業利益みたいなもの)が赤字になっています。
今までのビジネスモデルでは、金融機関は生き残っていくのが難しくなっています。
だからこそ、経営者としては、
「どの金融機関が生き残っていくのか」
を見極める必要があります。
間違った金融機関とつきあっていると、いざというときの資金調達に支障を来すからです。
しかし、経営者には、そのような金融機関を目利きできるノウハウがありません。
だからこそ、士業やコンサルタントが、金融機関の目利きをして、
クライアントにアドバイスをしてあげる必要があるのです。
そんな、金融機関を目利きするノウハウを身につけるためのヒントが手に入ります。
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