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取引している金融機関が破綻したら? 事前に複数の金融機関と取引を始めておく理由と銀行選びの判断基準

ひとつが破綻しても、もうひとつの金融機関が救いの手を延べてくれることが往々にしてあります。かならず複数の銀行と取引をしておきましょう。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

2023年5月1日付で、アメリカの「ファースト・リパブリック・バンク」が破綻しました。この銀行の総資産は、去年末の時点でおよそ2090億ドル(日本円でおよそ28兆円)。アメリカの銀行破綻では、2008年に起きた貯蓄金融機関「ワシントン・ミューチュアル」の破綻に次ぐ、2番目の規模でした。

●米ファースト・リパブリック・バンク経営破綻 史上2番目の規模 | NHK

破綻すると、基本的にその金融機関から融資をしてもらえなくなります。複数の金融機関と取引をしていれば影響は少なくて済みますが、1行取引だと資金調達に支障をきたします。

それこそが、「普段から複数の金融機関と取引をしておこう」と私が以前から強くおすすめしている理由です。

では取引銀行の現在を、どの指標で判断すればいいのでしょうか。
 

複数の金融機関取引をおすすめする理由

日本の現在の金融システムでは、金融機関破綻の可能性は低いと私は考えています。それでも今回「破綻する可能性のある金融機関」について言及するのは、これまでの個人的な体験からです。

私が勤めていた金融機関は、2000年に経営破綻しました。それまで多くの取引先に融資していましたが、経営破綻して今後の融資が一切できなくなってしまったのです。

先述のとおり複数の金融機関と取引していた事業者は、別の金融機関からの資金調達で事なきを得ました。が、私たちとしか融資取引のなかった事業者は、たちまち資金繰りが厳しくなったのです。

資金繰りに支障をきたせば、新たな別の金融機関へ融資依頼するしかありません。しかしこれまで縁のなかった事業者からの急な融資依頼に金融機関が難色を示すのはごく普通です。

なぜなら、よく知らない企業への融資は、貸し倒れリスクが高いからです。既存の取引金融機関破綻に同情することはあっても、新規で依頼された金融機関としては厳しい目で判断せざるを得ません。

一方、普段から取引している金融機関が複数あれば、いざというときも資金繰りに不安を覚えることなく事業活動を行うことができます。

そこで万一のこと(融資取引をしている金融機関の破綻)を考え、普段から複数の金融機関と取引をしておくことが必要なのです。
 

日本の金融機関が破綻する可能性は低い。しかし…

重ねてお伝えしますが、現在の日本の金融システムで金融機関が破綻する可能性は低いだろうと私は考えています。しかし、まったくないとは言えません。

「あの金融機関は危ない」という噂が出れば、たとえそこに根拠がなくても、預金者は慌てて預金を引き出しに行きます。預金の流出額が増えて融資総額を上回れば、その金融機関は破綻への道を進み始めます。

私が勤めていた金融機関も同様の噂が流れ、実際に大量の預金が流出して経営破綻という結果を迎えました。(破綻原因はそれだけではありませんでしたが)

とくに現在はSNS等で情報が拡散しやすく、根拠があってもなくても噂が爆発的に広まることが考えられます。一部の間での取り付け騒ぎが、大きく広がって加速がつき、より多くの預金流出が起きるでしょう。その結果、経営破綻に到り得るのです。

もちろん破綻する根拠がまったくない金融機関なら、そんな噂が出る可能性は低いでしょう。しかし「あの金融機関は危ない」という噂が出るには、「もしかして…」と思わせる背景があります。

「危ない」と噂が出やすい理由・原因を知っておけば、破綻する可能性のある金融機関を見分けることができるでしょう。
 

破綻する可能性のある金融機関の見分け方

1998年から2002年にかけて、日本では多くの金融機関が破綻しました。

以下に、その時に破綻した金融機関の破綻要因を紹介します。士業・コンサルタントご自身、またあなたの顧客が取引している金融機関の破綻可能性を判断する一助になれば幸いです。

(1)自己資本比率の低さ

日本国内で営業する金融機関に求められる自己資本比率は、4%です。が、破綻した金融機関の多くは、4%ギリギリの自己資本比率でした。気になる金融機関の貸借対照表を見れば、自己資本比率を知ることができます。

(2)不良債権比率の高さ

不良債権が増えると、多くの融資が回収不能になります。それに備えるため、金融機関は「貸倒引当金」を積み増します。

不良債権比率が高まったり、金融機関の貸倒引当金の増加が見られたりする場合には、注意が必要です。

(3)株価の下落

株価が大幅に下落するときは、何らかの根拠があるケースが少なくありません。さらに、株価の低下が続くと預金者は「あの銀行は危ないのでは」と疑い始め、預金流出につながりやすくなります。

(4)利益率(総資産経常利益率)の悪化が続く

金融機関に限りませんが、利益率が悪化し続けている金融機関は、将来性に期待できないと考えられるでしょう。一時的ならまだしも悪化の「持続」は、経営改革が必要なのに、それがうまくいっていない証左だからです。

(5)不動産融資の割合の高さ

私が金融機関職員だった時代、バブルがはじけて不動産融資の多くは回収不能になりました。実際、私が勤務していた金融機関の破綻はそれが原因のひとつでしたし、同じ理由で破綻した金融機関はほかにも多くありました。

今は不動産市況が安定しているので、不動産融資が多くても危ないとは言えません。しかし今後、不動産価格が大幅に下落することがあれば、不動産融資の割合が高い金融機関は要注意です。

金融機関情報の入手で、安全かどうかを判断しやすくなります。入手方法等については別の機会にお話ししましょう。以下も参考にしてみてください。

●関西の主な地銀 昨年度決算出そろう 多くの銀行で減益|NHK 関西のニュース


どんなに小さい中小・零細企業でも、複数の金融機関とつきあっておくべきです。一つの金融機関としかつきあっていないと、その金融機関から融資を断られた途端、資金調達の手段が絶たれてしまうからです。

一方、複数の金融機関とつきあっていると、一つの金融機関に融資を断られても別の金融機関が手を差し伸べてくれることが往々にしてあります。

そこで現在、取引銀行がひとつしかなければ、別の融機関を開拓しましょう。といっても一般的に、中小・零細企業の経営者は新たな金融機関を開拓する方法を知りません。それどころか、銀行開拓の必要性にピンと来ていないことが多いでしょう。

新たに融資してくれる金融機関開拓の必要性をていねいに説明し、その開拓の現実的なサポートができるのは、「金融機関のことを熟知している士業・コンサルタント」。

「金融機関を熟知している士業・コンサルタント」が同行することで、金融機関はその企業を「安心して取引できる企業」と好意的にとらえてくれることが多いからです。

そんな「新たに融資してもらえる金融機関」を開拓できる士業・コンサルタントになるヒントが手に入ります。

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