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金融機関の人間の考え方、3つの特徴

士業・コンサルタントが金融機関の考え方を知ることで、強いパイプを作りやすくなります。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

金融機関との良好な関係を築く上で、金融機関を取り巻く環境融資動向を把握しておくのは重要ですが、それだけでは不十分。

それらに加えて、金融機関が嫌うこと、望むことなど「金融機関の考え方」を知っておきましょう。金融機関の嫌がることをすれば距離を置かれ、喜ぶことをすれば距離が縮まりやすくなります。

おさえておきたい金融機関の考え方は数々ありますが、とくに事業者を支援する立場である士業・コンサルタントとして知っておきたいポイントを3点お話ししましょう。

①本部第一主義

金融機関は「顧客第一主義」と掲げていますが、実態は「本部第一主義」です。支店や行員・職員の査定を行うのが本部であるため、何かと本部の顔色を窺います。

たとえば顧客に勧めるべき商品がA・Bと二種類あって、Aのほうが取引先のニーズに合っていても、本部がBの販売を推進していればBを積極的に勧めることは往々にしてありします。

顧客のメリットより、本部からの評価を重要視する傾向があることは知っておきましょう。

②リスクを極力負わない

金融機関は基本的には「減点主義」です。

多くの金融機関では、「高い成果を上げるが失敗も多い」人間と、「成果はそこそこだが失敗の少ない」人間とでは、圧倒的に後者の評価が高くなります。

どれだけ目覚ましい成果を出しても失敗があれば、失敗という結果のほうがが人事査定では重要視されるのです。

たとえば資金繰り難で危地に陥っている事業者に親切心から、苦労して稟議書を作成して融資を行った場合、その事業者には感謝されますが、本部の査定では「通常の融資」としか評価されません。

しかしその融資が焦げ付いた場合、本部からは「失敗した融資」として評価され、マイナスの査定となります。

そんな評価方法なら、親切心に駆られることなく最初から融資を断っておけばいいと考えるのは当然です。貸していない融資は焦げ付くことがないので、査定もマイナスになることはありません。

評価が悪くなるリスクを負うより、最初からリスクを被らない行動が重要だと考える金融機関の人間は少なくありません。

③金融機関の常識は世間の非常識

「金融機関の常識は世間の非常識」とよく言われるとおり、彼らは「金融機関の常識」の中で仕事をしています。

それが世間にとって非常識でも、金融機関で優先されるべきは「金融機関の常識」。最たるものが、「社内ルール」です。

世間一般的にどれだけ非常識でも、社内ルールで決まっていることは、金融機関にとって優先されるべき常識です。

たとえば金融機関では、同じような内容の面倒な書類を何枚も顧客に提出させることがよくあります。同じ書類の中にサインしなければならない場所が複数あることも、しばしばです。

このような手続きは不測の事態に備えた金融機関の事前防衛的な意味合いが強く、たとえ合理化できる点があっても、「前例踏襲主義」から「顧客に不便を強いるのはルール上当たり前」となっています。

一方、「金融機関の常識」を知らない士業・コンサルタントは、しばしば金融機関に対して「金融機関の常識」からかけ離れた顧客の要望を通そうとして交渉します。

そんな要望をされても金融機関は「そんなこと聞けるはずないだろう」と最初からシャットアウトし、どれだけ要望が強くても対応しません。逆に「この専門家は金融機関のことを何も知らない」と判断されて距離を置かれます。

「交渉の価値がない荒唐無稽な主張を顧客のためにゴリ押ししてくる士業・コンサルタント」は、金融機関にとって「面倒な人」であり、時間を奪う「敵」でもあるといえるでしょう。そんな人物と懇意にしたい金融機関はありません。

銀行員の立場を理解・尊重して「クッション役」になろう

士業・コンサルタントの顧客である経営者からは、「なんで銀行はこうなんだ」と不満の声が聞かれることがあるでしょう。また彼らを支援するあなたも独立開業した身として、経営者と同様に歯がゆい思いをするでしょう。

しかし金融機関の行員・職員は組織に勤務しているので、上記はいわば当然のこと。彼らには彼らの立場があって行動していることを、理解し、また尊重したいものです。

見下ろすのでもなく、また見上げるのでもなく、同じ高さの視座で顧問先が金融機関と対等な取引を行えるよう、「クッション役」になれるのは士業・コンサルタント。金融機関の考え方をおさえておき、顧問先にも理解と尊重を促していきましょう。

そんな調整役としての動きは、かならず金融機関の目に留まります。銀行の立場「も」考えて事業者との間を取り持つ士業・コンサルタントは、圧倒的に少数だからです(そもそも彼らには士業・コンサルタントの知り合いも少ないのです)。

「この専門家なら、信頼できる」「ウチの支店の取引先で資金繰りに困っているところがあるから、相談にのってもらおうか」といった紹介がおきやすくなります。


「彼を知り己を知れば百戦殆からず(あやうからず)」と孫子は言っていました。

※けっして金融機関は「敵」ではなく、取引は「戦」でもありませんが…

金融機関について詳しければ詳しいほど距離を縮めやすくなるのは、士業・コンサルタントであるあなたにもおわかりいただけるはず。しかし金融機関についての内部的な事情が漏れ聞こえることは少なく、外からはブラックボックスのように感じられるでしょう。

そんな金融機関についての内部情報的な知識が学べるセミナーです。

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