- 2021-7-9
- スモールM&A・事業再生
- 中小・零細企業のM&A, 事業承継, 士業のビジネスモデル
「セカンドオピニオン」の立場なら、副業としても始めやすいですね。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
2021年6月25日(金)から7月3日(土)にかけて大阪・福岡・東京・オンラインで計5回、「スモールM&Aアドバイザー入門セミナー2021」を開催しました。おかげさまで120名以上の士業・コンサルタントに、中小・零細企業M&Aに関する基礎知識と最新情報を学んでいただくことができました。
もちろん私も5回のセミナーすべてに参加したのですが、そこでハッと気づきました。
これから事業承継やM&Aをお手伝いするなら、まず「セカンドオピニオン」という立場から「小さく」始めるのがスムーズでは、と。
M&Aアドバイザーの12のポジション
講師の白石さんは「M&Aアドバイザーとしての役割は12ある」とし、「M&Aアドバイザーの12のポジション」についてセミナーで説明しました。
(2)売手アドバイザー
(3)買手アドバイザー
(4)買手の紹介者
(5)仲介アドバイザー
(6)戦略策定アドバイザー
(7)債務圧縮・再生支援
(8)株式100%化
(9)廃業支援
(10)PMIコンサルタント
(11)投資家型アドバイザー
(12)養子縁組アドバイザー
ここまでは昨年の同セミナー参加者も学んだ内容です。しかし…
ニーズが増えてきた13番目のポジションがある
今年のセミナーでは従来の12のポジションに加え、13番目のポジションである「セカンドオピニオン」が現れました。
「セカンドオピニオン業務」自体は以前からありましたが、M&Aの件数が増えるにつれ「セカンドオピニオン」が求められる件数も爆発的に増えてきたのです。
M&Aでセカンドオピニオン需要が増えた理由
一部の中小企業を除き、売り手も買い手も、中小企業の経営者の多くはM&Aを経験したことがありません。知り合いから会社の売買の話を紹介されても、またM&A企業から提案されても、自社にメリットがあるのか、契約等の内容はフェアか、価格は妥当か、判断できないのです。
状況を飲み込めないうちに話が進んで後に退けなくなり、意に沿わない内容でM&Aせざるを得なくなって相場よりも高く(安く)買わされたり(売らされたり)する事例も散見されます。
しかし、セカンドオピニオンを求められる相手がいれば安心です。
●取引条件は納得できるものか
●価格は妥当か
そんな疑問を「尋ねる相手」ができ、より客観的に判断することができます。
M&Aは手数料を含めてたいへん大きなお金が動くため、慎重に慎重を期す必要があります。つまりM&A件数の増加は必然的に、「セカンドオピニオン」への相談件数の増加につながるのです。
私もセカンドオピニオンで高値づかみを防ぎました
1年以上前ですが私も「セカンドオピニオン」を行い、買い手企業の高値購入を防いだことがあります。
2019年11月、A税理士から相談がありました。
ある小売企業の購入を検討中ですが
購入すべきかどうか意見をいただけませんか
顧問先の卸売業のB社にM&A大手企業から売り込みがあり、関連業種である下流の小売業の会社の購入を検討しているとのこと。
大手M&A企業が提示していた売却代金は4億円。すでにB社社長は取引金融機関に相談し、「必要資金は融資します」との返事は得ていました。
返事の期日を急がされていた
気になったのは、大手M&A企業の担当者から「12月中に返事がほしい」と急かされていたこと。今11月なのに、もう来月には返事って…。
たしかに大手M&A企業の担当者は、自社の決算の都合上12月末までにクロージングを行う必要があったのでしょう。しかしB社にとっては、急ぐ理由はない。そもそも相手から持ち込まれた話なのです。
価格も価値に見合うものではなかった
B社の財務内容はもちろん、売却予定会社の詳細情報も拝見したところ、私の見解ではあまりにも高い。1/4程度の価格なら検討の余地はありますが、4億円という価格では「購入すべきではない」。また12月どころか、少なくとも売り手企業の決算である来年3月末までに返事すべきものではないと判断しました。
いったんペンディング、そして2020年に
私が考える妥当な購入額とその理由を伝えたA税理士は納得したようで、その内容をB社長に伝えました。結果、その購入はいったんペンディングに。そうこうするうちに年が明けて2020年、新型コロナウイルスが流行り始め、最終的にはそのM&Aの話は流れてしまいました。
私はB社長と一度も会っていませんでしたが、「あのまま金融機関や大手M&A企業の話に乗っていたら今ごろ倒産の危機に陥っていました。本当に助かりました、ありがとうございました」という感謝の言葉を、A税理士を通していただきました。
A税理士からは「セカンドオピニオン相談料を請求してください」と言われましたが、ほんの30分程度資料を見て意見を言っただけですので辞退しました。しかし高値づかみを未然に防げたことに、誇らしい気持ちになったのは確かです。
セカンドオピニオンはM&A経験のない士業・コンサルタントにも取り組みやすい
M&Aを考えている経営者が多くの判断材料を得るために、今後セカンドオピニオンは必要不可欠になるでしょう。これまでお話ししてきたように、セカンドオピニオンの需要はますます増えていきます。
士業・コンサルタントなどの専門家にとっても、セカンドオピニオンなら細かい実務作業を行う必要が格段に減るので取り組みやすいと思います。
セカンドオピニオン専門でM&A業務を「小さく」開始し、案件をこなしていくことで、目利き力や実務知識も増えてきてより難しい案件にも取り組めるようになります。また工数が少なく済むことから、副業として取り組みやすいのもメリットです。
これからM&Aに取り組むなら、まず13番目のポジション「セカンドオピニオン」から入ってみませんか。
M&Aの「セカンドオピニオン」を提供するためには、少なくとも「目利き力」「企業価値算定方法」「シナジー効果の有無」についての知識が必要です。
また知見やノウハウ等に疑問符がつくM&A支援企業の参入に対する懸念は、中小企業庁が2021年4月28日に公開した「中小企業の経営資源集約化等に関する検討会取りまとめ~中小 M&A 推進計画~」にも書かれています。
●中小企業の経営資源集約化等に関する検討会取りまとめ~中小M&A推進計画~2021年4月28日|中小企業庁
市場規模が膨らんできているので、今後も頼りがいのない、または信用しにくいM&A支援機関が参入してくる可能性があります。今後「セカンドオピニオン」需要はますます高まるでしょう。
「M&Aのセカンドオピニオンサービス」を行うために必要な、実務知識が学べる講座です。
※スモールM&Aアドバイザー入門セミナー2021を未受講の方も申し込みいただけます。
「スモールM&A アドバイザー養成講座2021」
<日時> ※2日間の講座です
●大阪:2021年8月21日(土)・22日(日) 10:00~17:00
●東京:2021年8月28日(土)・29日(日) 10:00~17:00
<会場>
●大阪
サニーストンホテル〈江坂〉北館
〒564-0052 大阪府吹田市広芝町10-3
※OsakaMetro御堂筋線・江坂駅より徒歩2分
●東京
DAYS赤坂見附
〒107-0052 東京都港区赤坂3-9-1 紀陽ビル
※東京メトロ丸の内線・銀座線 赤坂見附駅A出口・10番出口より徒歩すぐ
<受講料>
●一般
300,000円+消費税
●ブログ・メルマガ読者
※ネクストフェイズのブログ・メールマガジン購読者に限ります
280,000円+消費税
●スモールM&Aアドバイザー入門セミナー2021の受講者 早期割引
250,000円+消費税
●一般社団法人融資コンサルタント協会 正会員
240,000円+消費税
<お申し込み>
「スモールM&A アドバイザー養成講座2021」特設ページからお申し込みください。
<カリキュラム>
●1日目
1.スモールM&Aアドバイザーの仕事とは
2.M&Aアドバイザー概論
3.売手アドバイザーの実務
4.企業価値評価
5.デューデリジェンス業務の概要
6.M&Aに使える補助金について
●2日目
7.再生型M&Aについて
8.コミュニティづくりと案件発掘の仕方
9.買手アドバイザーの実務
10.スモールM&Aの時流、アドバイザーの心得
11.つながりバンクの活動と活用方法
特典、またカリキュラムや講師等の詳細も、こちらの特設ページでご確認いただけます。