- 2021-8-16
- スモールM&A・事業再生
- 中小・零細企業のM&A, 事業承継, 事業承継補助金, 士業のビジネスモデル
たった1ヶ月しか登録期間がありません。すみやかに登録しましょう。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
2021年8月2日に中小企業庁からM&A支援機関登録制度について発表がありました。8月中旬から「M&A支援機関(M&A版認定支援機関)」の登録受付が開始されるようです。
今日は上記ページに掲載されているPDF資料「M&A支援機関に係る登録制度の概要」をていねいに読んでポイントをお伝えしましょう。
誰が登録できるのか
登録できる対象は以下のとおりです。
●M&A専門業者(仲介業者、FA)
●金融機関
●商工団体
●士業等専門家
●M&Aプラットフォーマー
●事業承継・引継ぎ支援センター 等●M&A支援機関に係る登録制度の概要(P2)
またこのM&A支援機関のうち、「ファイナンシャルアドバイザー(FA)業務又は仲介業務を行う者」に限って対象者となります。
登録するには何が必要か
登録するための要件は1つ。
中小M&Aガイドラインにおいて定める各事項について遵守をすること(※宣誓書の提出を求めることを予定)
●M&A支援機関に係る登録制度の概要(P2)
中小M&Aガイドラインで求められる内容は多岐に渡っており、規定内で求めている強度がそれぞれ違います。
その強度を「◎」「◯」「△」「特記事項」と分け、「◎」事項と「特記事項」については、中小M&Aガイドラインに記載されている規定内容をそのまま遵守することを求めています。「◯」「△」事項については、中小M&Aガイドラインの趣旨に沿った遵守を求めています。
遵守事項の詳細は、以下に説明します。
登録するために絶対に遵守しなければならない事項
登録するために絶対に遵守しなければならない事項は、以下のとおりです。
●契約の重要事項の説明
●評価手法等の説明
●仲介者によるデューデリジェンスの非実施
●士業等専門家等の意見聴取に係る助言
●仲介者による簡易評価についての説明
●契約内容の漏れについての再確認の催促
●段取り整理、入金確認
●仲介者であることの説明
●情報管理に配慮した上でのセカンドオピニオンの許容
●専任条項の期間(最長6ヶ月~1年以内を目安)
●テール条項の対象の限定
●M&A支援機関に係る登録制度の概要(P3-4)
これらの内容を正しく理解できないと、「中小M&A支援機関(M&A版認定支援機関)」としての登録は難しくなる可能性が高いです。
中小M&A支援機関に登録後、行わなければならないこと
中小M&A支援機関に登録後、登録事業者は登録要件の充足を図るため、以下の対応が必要となります。
(1)要件を充足している旨を自社HPで掲載
(2)要件を充足している旨を顧客に書面で事前説明
(3)毎年度、実績報告を提出
●M&A支援機関に係る登録制度の概要(P5)
経済産業省HPでの登録機関一覧の掲載は、「経営革新等認定支援機関」と同様になっています。
中小M&A支援機関に登録は取消になることもある
中小M&A支援機関に一度登録すれば、その効力が永続するわけではなく、一定期間内に登録継続申請が必要となります。
登録をしたものの、特段合理的な理由なく支援実績が芳しくないなど、一定の要件に該当する場合には、登録の継続を認めないこととなっています。
また、登録要件を充足しない(しなくなった)と判断される場合は、別途設置する弁護士等の第三者で構成する有識者委員会に諮った上で、登録の取消しが行われます。
登録の取消しとなった場合は、補助金を利用する中小企業者にとって補助金の対象経費とならなくなる可能性があることから、中小企業庁のHP等において公表する予定です。
1年に1回程度、M&Aの実績がない場合は、登録を継続できないような仕組みになっているようです。
●参照ページ M&A支援機関に係る登録制度の概要(P5)
登録申請時に必要な事項
登録申請する際に記載するべき内容は以下の通りです。
●企業名
●代表者氏名
●本店所在地
●サービスを提供できる都道府県
●資本金
●従業員数(うち、M&A支援業務専従者の従業員数)
●業種
●売上高
●M&A支援業務の開始時期
●要件充足(中小M&Aガイドライン遵守の旨)の宣誓
●ネガティブ事項への非該当性(国予算において処分を受けていない、反社ではない等)
●M&A支援機関に係る登録制度の概要(P6)
登録期間は1ヶ月程度しかない
中小M&A支援機関に関する今後のスケジュールは以下の通りです。
8月中旬
・登録制度の申請受付開始
・情報提供受付窓口の開設9月中旬
・登録制度の申請受付〆切9月中旬~下旬
・登録支援機関の公表9月下旬
・事業承継・引継ぎ補助金(令和3年度当初予算)の公募開始
●M&A支援機関に係る登録制度の概要(P7)
事業承継・引継ぎセンターにおいてM&Aの専門家を募集中です
現在、事業承継・引継ぎ支援センターにおいて、M&Aの実務経験を有する人材等の出向を民間企業等から受け入れるため、全国公募を行っています。
●事業承継・引継ぎセンターにおいてM&Aの実務経験を有する人材等の全国公募を開始します (METI/経済産業省)
募集している人材を見てみましょう。
(1)M&Aに関し、フィナンシャルアドバイザーや仲介の実務経験が3年以上ある人材
(2)M&Aに関し金融又は税務、法務等に関する専門的な知見を有し、実務経験が3年以上ある人材
腕に覚えのある士業・コンサルタントは少なくないでしょう。
なお上記に加え、データベースの有効活用等が可能なITスキルを有する人材が望ましいとのことです。
詳しくは以下の募集要領をご覧ください。
後継者不在で事業承継が困難な中小企業はすでに多いのですが、今後も増えてきます。
中小企業者数380万者のうち、2/3にあたる約245万者の社長が60歳以上です。
その1/2にあたる127万者は承継できずに廃業見込みで、さらにその1/2にあたる約60万者は黒字なのです。
●『スモールM&Aアドバイザー入門セミナー2021』動画より
上記の手厚い施策を見れば、M&A分野に政府が本腰を入れているのは間違いありません。中小企業の事業承継を本気でサポートしたい士業・コンサルタントは、登録を前向きに検討してみてください。
「中小M&A支援機関(M&A版認定支援機関)」に登録しなければ、「事業承継・引継ぎ補助金」を利用する中小企業者にとって補助金の対象経費として認めてもらえません。
登録するためには、M&Aに関する一定の知識が必要。「経営革新等認定支援機関」のように、資格(税理士・弁護士・中小企業診断士等)があるだけで登録できるようなものではなさそうです。
そんな「中小M&A支援機関(M&A版認定支援機関)」の登録に必要な「中小M&Aの基礎的な知識」について学ぶことができる動画です。
●【スモールM&Aアドバイザー】入門セミナー2021/動画&テキスト
【スモールM&Aアドバイザー】入門セミナー2021/動画&テキスト、詳細内容
カリキュラム
1.「コロナ下で業界の流れはどう変わった?」
→売り手・買い手の変化、今後の動向
2.「リスケ中の顧問先をどう支援する?」
→コロナ下で増える再生型M&A
3.「小規模M&Aの最新事例を知りたい」
→中小・零細企業のM&A活用事例
4.「士業はどう関与する? 気になる報酬基準は?」
→各士業の立ち位置、補助金の活用
5.「顧問先企業、売却するなら、より高く売ってあげたい」
→中小企業の値段の決め方/高く売るには?
6.「プチ実践! 見破ろう、このPL/BS、なんかおかしくない?」
→スモールM&Aの実務と心構え
講師は、年間10件以上のスモールM&A案件に携わる中小企業診断士
白石 直之 (シライシ ナオユキ)
株式会社つながりバンク シニアM&Aアドバイザー/中小企業診断士
●名古屋市出身。2005年早稲田大学卒業後、世界最大の半導体マイコンメーカーの戦略企画部にて製品企画に従事。
●2016年、中小企業診断士登録。再生案件に従事して、2017年より株式会社つながりバンクと協業開始。その後、正式入社へ。
●M&Aに関してまったく素人の状態からたった1年で、年間10件もスモールM&A案件をこなせる専門家に急成長。
※年間10件以上もA案件をこなしている専門家は業界でも希有な存在です(一般的に年間2件前後だそうです)
●得意分野は、障害福祉・パチンコ店・宗教法人。
収録時間
約120分
価格
7,150円(税込)
購入方法
下記ページからご購入いただけます。
●【スモールM&Aアドバイザー】入門セミナー2021/動画&テキスト