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金融機関が求めるリスケは、事業者が求めるリスケとは違う。両者の比較と、事業者にとって理想的な返済例

金融機関は短期で回収したい。事業者は長期で取り組みたい。その差を埋めるには、士業・コンサルタントの支援が不可欠です。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

2023年11月3日・4日は大阪で、10日・11日は東京で、それぞれ「【小規模企業特化型】事業再生コンサルタント養成講座」を開催しました。受講者に満足いただけたようで、主催者としては一安心。

さて今回の講座も、私は4日間とも受講しました。前年も受講したので2回目になりますが、この1年で時代は大きく変わりました。今は完全に「コロナ後」です。今回の講座では「コロナ後の小規模企業におけるリスケ・事業再生」として、2022年と内容が違う部分が多々ありました。

この2日間集中講座の動画の発売を予定しています。日程等のご都合で、受講できなかった士業・コンサルタントが数多くおられます。みなさん、発売のお知らせまで少しお待ちください。またこちらのブログでご案内します。

なお事業再生の全体像を見渡すのに適した「入門セミナー」の動画販売は、すでに始まっています。「まずは、ひととおり」とお考えの士業・コンサルタントは、手軽な時間・価格の入門編をおすすめします。テキスト付きなので、「ざっと見通す」「ざっと振り返る」のも容易です。

●小規模企業特化型 事業再生コンサルタント入門セミナー 動画&テキスト

※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に900名以上います

金融機関の求めるリスケと事業者が求めるリスケの違いを比較

今回の受講であらためて気づいたのは、「金融機関の求めるリスケと、事業者が求めるリスケは違う」ということ。

金融機関がリスケで求めるのは、「できるだけ早期の回収」。そのため、「多額」「短期」で返済する経営改善計画の作成を要求してきます。

一方、事業者がリスケで求めるのは、「できるだけ無理なく事業が存続できるようにすること」。「少額」を、「時間をかけて」返済する経営改善計画を立てたいのが本音です。

また事業再生に必要だと考える期間も、金融機関は5~8年、事業者は15年~25年と大きな開きがあります。

  金融機関が目指すリスケ 事業者が目指すリスケ
基本方針 早期に回収へ 無理なく事業存続へ
返済 多額を短期で 少額を長期で
想定期間 5~8年 15年~25年

 
事業者を支援する士業・コンサルタントとしては、上記を踏まえたうえで経営改善計画を作成し、さらに金融機関が納得する交渉を「継続的に」「息長く」行う知識を持っておきたいものです。
 

2回目以降のリスケが通る条件は「経営改善計画の80%必達」

リスケは通常、半年もしくは1年しか認めてもらえません。つまり半年ごと、または毎年、リスケ交渉をすることになります。

2回目以降の交渉時は、前回出した経営改善計画の「80%必達」を求められます。

いちど「実現不可能な経営改善計画」を提出し、半年/1年後の達成度が80%を切っていると、金融機関は「事業者の経営改善計画の立案能力に問題あり」と判断して、リスケのハードルを上げます。

たとえその経営改善計画書が、「金融機関の求めに応じて」作成した内容であってもです。

すなわち「経営改善計画書を80%以上達成」こそ、「継続的な」リスケのためにいちばん重要なのです。
 

事業者が作成すべき1~5年目までの返済計画例

先述のように、金融機関はリスケ1年目から返済を求めたがります。そして、5年目ぐらいまでに通常返済になっているのが(金融機関の)理想です。

しかし、現実にはそんなことはあり得ません。

リスケを要するほど財務内容や経営内容が傷んでいるのですから、5年で通常返済に戻る企業は稀です。再生に至るには短くても10年、長ければ15年以上の時間が必要となります。

しかもリスケをしている間は、金融機関からの融資はまず期待できません。事業運営の必要資金は、利益からプールしなければならないのです。

理想①1年目・2年目は「返済ゼロ」

それを踏まえた経営改善計画としては、1年目と2年目は「返済ゼロ」を通したいところです。この間に利益が出たからといって返済に充ててしまうと、不測の事態が発生して資金が必要になったときに対処できません。

1年目や2年目で利益が残ること自体が難しいと思いますが、たとえ利益が出たとしても、けっして返済に充ててはいけません。

理想②3~5年目は「微増」

3年目以降の返済計画は、「微増」程度にしましょう。

例)
●3年目:月額5万円
●4年目:月額8万円
●5年目:月額12万円

 
3年目以降も「返済ゼロ」にすると、金融機関から返済意志を疑われます。かといって多額の返済を計画すると、プールできる資金が減少。それが、3~5年目は「少なめの返済計画」にしておく理由です。
 

金融機関が納得する理論武装を士業・コンサルタントに – 入門動画あります

繰り返しお伝えしますが、金融機関が目指すのは「早期に全額回収できるリスケ」。

極端に言えば、その企業が再生できなくても融資金さえ全額回収できれば、金融機関にとっては問題ありません。また金融機関には、「事業者の再生よりも自分たちのメンツ」を重要視する事例もしばしば見られます。

彼らが自分たちの都合を優先させ、「実現不可能な、返済に無理のある経営改善計画」を押しつけがちなのは、そこに理由があります。

しかし相手の都合を飲んでしまうと、事業再生には到底おぼつかないのが現実です。「長期で取り組む姿勢」でないと、ほとんどの事業者は事業再生を実現できません。

事業再生に至るためには、金融機関が納得する理論武装を行って交渉することが肝要。

そのためには、事業者側に立った「リスケに関する考え方」や「リスケ交渉の方法」を、支援する士業・コンサルタントが知っておく必要があるのです。

そんな「小規模企業のリスケや事業再生に関する基礎知識」が学べるセミナー動画がこちらです。

詳細なテクニックを解説する2日間集中座動画の販売は後日ですが、まずは手頃な時間価格の「入門セミナー」で事業再生の全体像を「ひととおり」つかんでください。テキスト付きなのでわかりやすいと好評です。

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