銀行員の中で最もお客を紹介してくれるのは、「渉外担当役席」です。
渉外担当役席とは渉外担当(営業担当)を束ねている責任者のことです。
小さな支店では5名程度、大きな支店においては20名以上の渉外担当がいます。
これら渉外担当者の上司であり、責任者が渉外担当役席です。
役職は「支店長代理」「課長」「次長」などのことが多いですね。
彼らは、渉外担当のリーダーですから、部下の動向を把握しています。
ほとんどの銀行では、渉外担当に「訪問実績表」などの報告書を毎日作成するよう
義務づけています。
その「訪問実績表」に記載することは、次の3点です。
①取引情報(顧客から現金や書類等を預かったというような銀行取引に関する情報)
②融資情報(取引先の融資に関する情報)
③顧客情報(取引先に関するあらゆる情報)
「訪問実績表」で重要視されているのは、「②融資情報」と「③顧客情報」です。
この2つの情報は、預金や融資といった成果に直結するからです。
だからこそ、渉外担当役席は部下の渉外担当に、
「取引先のことは、どんな情報でもいいから集めてこい」
と指示を出しています。
渉外担当も、すぐに成果につながる情報を集めることができればいいのですが、
なかなか有効な情報は集まりません。
それでも何か「訪問実績表」に情報を書いていないと渉外担当役席に怒られるので、
必死になって、何らかの情報を書き込みます。
私は昔、あまりにも情報が集まらなかったため、「訪問実績表」に半ばヤケクソで
「Aさんのところに犬の子供が生まれました」と書き込んだことがあります。
その訪問実績表を見た渉外担当役席は、私を呼びました。
「なめとんのか!」と怒られるものと覚悟していましたが、そうではなく、その犬について
詳しいことを聞かれたのです。
なぜ、生まれたばかりの子犬に興味を持ったのか、そのときは疑問でした。
実は、別の担当者が、訪問実績表に「Bさんが子犬を飼いたいと希望している」
という情報を書き込んでいたのです。
AさんとBさんを引き合わせることで、めでたく、子犬はBさんのところで引き取られていきました。
AさんもBさんも、大喜びでした。
このように、渉外担当役席のところには情報が集中します。
同じような情報を見ても、渉外担当役席は、情報を分析する力が違うため、そこから、
有用な内容を引き出すことができます。
「取引先の社長が税理士に対して文句を言っていた」
という情報でも、渉外担当者からすれば、ただ単なる「経営者の不満情報」にしかなりませんが、
渉外担当役席となると
「その経営者に別の税理士を紹介すれば喜んでもらえる」
という判断をすることができます。
このように、渉外担当役席には顧客が困っている問題についての情報が集まるため、
その解決を手助け専門家の紹介案件も、多数発生するのです。
「渉外担当役席」と仲良くなれば、お客の困りごとを解決するための相談を
たくさんしてもらえるようになります。
相談案件全てが、自分で解決できるわけではありませんが、それでも、かなりの数の相談案件を
手に入れることができます。
相談を受けることで、仕事につながり、仕事をすることで、顧問先獲得につながります。
しかし、どうすれば「渉外担当役席」と仲良くなれるようになるかがわからない。
そのためのヒントが手に入るセミナーです。
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