格付けチェックは、金融庁は、もう行っていません。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
2014年7月に、金融庁は金融機関に対する、監督指針を大幅変更しました。
金融庁検査における格付けチェックを行わないようになったのです。
それまで金融機関は、年に2回、「自己査定」と称して、全融資先の格付けを行っていました。
これがまた大変な作業で、自己査定を行っている間、銀行員は、とても疲弊していました。
それが、なくなったので、銀行にとっては、少なからず事務作業が軽減されたわけです。
なぜ、金融庁は、金融機関に対し「格付けチェック」を行っていたかと言うと、
それまでの金融庁の指導方針が
「格付けの高い先(=融資をしても取りっぱぐれのない先)にしか、融資をしないように」
となっていたからです。
格付けの低い先に融資をすると、リスクが高いので、「貸したらダメ」と言っていたのです。
その指導方針が大幅に変わり、今の金融庁の金融機関に対する指導方針は、
「決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価して
リスクマネーを積極的に融資するように」
となりました。
今までは、「債務超過」「赤字決算」の会社=格付けの低い会社となっていたため、金融機関は、
なかなか、そういう先に対して融資することが出来ませんでしたが、今は、「成長可能性の高い会社」
「事業内容が優れている会社」については、債務超過であろうが、赤字決算であろうが、
積極的に融資をするようにとなったのです。
この、
「決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価して融資する」
ことを、事業性評価融資と言います。
今、金融庁は、金融機関に対し、事業性評価融資をもっともっと増やすように、徹底的に指導しています。
そのため、金融庁検査で、金融庁は金融機関に対してチェックしているのは、
「事業性評価融資を行う体制が確立されているか?」
ということなのです。
その問いかけに対し、ほとんどの金融機関は、
「全融資先の事業性評価シートを作って、事業性評価融資ができる体制をとっています」
と答えているそうです。
なので、今、地域金融機関が行っているのは、取引先の「事業性評価シート」をつくること。
事業性評価シートとは、
「①取引先の事業面について「知る」 ②定性的な情報を「整理する」 ③事業の内容や成長可能性等を
「評価する」ために作成する資料のことで、これを作成することで、取引先企業が、どういう企業なのか、
詳細に把握することができる」
というものです。
この事業性評価シートは、各金融機関が共通しているというものではなく、その形式は金融機関による違いが
大きく、分量や詳細さ、記載情報の範囲や深さ、項目の立て方などは様々となっています。
ただ、この事業性評価シートを作るための手間が膨大にかかるのです。
今までは、「決算書」と「担保・保証の有無」だけで、融資判断が出来たため、取引先のことを詳細に
知らなくても、問題がなく、そのため、そういうヒアリングもほとんどしなかった。
それ故に、担当者の情報収集能力が大幅に低下しました。
事業性評価シートを作成するに当たって、取引先に対して、ヒアリングするための膨大な時間と
、有効な質問をするためのヒアリング能力が必要になるのですが、今の金融機関の担当者には、
そんな時間も能力もないのが現状です。
それでも、事業性評価シートを作らなければいけないため、担当者の事務負担は、以前に増して
大変になってきたのです。
事業性評価融資を推進しなければならないにもかかわらず、それを推進する時間がないというのが、
金融機関が、今、置かれている状況なのです。
そのような状況を認識した上で、金融機関のサポートを行うことができれば、今後は、金融機関から、
顧客を紹介してもらえるチャンスは増えるのです。
金融庁の金融機関に対する、新たな指導方針を把握しているだけで、金融機関へのアプローチ方法は、
いろいろと見えてきます。
現在の金融庁の指導方針が、如実に示されているのが、「金融仲介機能のベンチマーク」です。
この「金融仲介機能のベンチマーク」を押さえておくことで、士業の顧客獲得の可能性は格段に高まります。
そんな「金融仲介機能のベンチマーク」に関する情報についてのヒントが手に入ります。
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