- 2020-4-6
- 融資サポート
- セーフティネット保証4号, 信用保証協会, 新型コロナウイルス影響下の資金繰り支援策
日本政策金融公庫だけでなく、民間金融機関も頑張っています。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
2020年4月3日のブログでは、日本政策金融公庫の対応についてお伝えしました。
●実録 – 公庫で【新型コロナウイルス感染症特別貸付】を申し込んでみた
今回は【セーフティネット保証4号】での融資申し込み体験をお話しします。多くの方のご参考になればと願っています。
私がセーフティネット保証4号による融資を申し込んだときの流れを、大まかにまとめておきます。
●市区町村の金融担当部署で認定書を発行してもらう
↓
●書類を整えて金融機関で申し込む(初回面談)
↓
●第2回面談(ご来訪になりました)
↓
●信用保証協会からOKが出る
あくまで私の場合ですが、
3月12日に金融機関に申し込みに行ってから19日後、営業日数で言えば12日後の3月30日にOKが出ました。
信用保証協会も、民間金融機関も、セーフティネット保証4号に対して本当に力を尽くしています。
3月11日(水) 大阪府吹田市役所を訪問
【セーフティネット保証4号】に申し込む場合は、事業所のある市区町村の金融担当部署で「中小企業信用保険法第2条第5項第4号の規定による認定書」を発行してもらう必要があります。
この認定書の取り方については、以下のブログで詳しく説明していますのでご参照ください。
●「セーフティネット保証4号」に必要な「認定申請書」の取り方
私も、事業所のある大阪府吹田市役所に出向きました。
2.同日 信用保証協会に訪問
「セーフティネット保証4号による融資は「最寄りの金融機関」を通して申し込まなければいけない」ことは私も知っていました。
が、例外的な取り扱いができるかどうかを確認したくて(たとえば懇意にしている金融機関がない場合、信用保証協会から直接申し込めるかどうか)、市役所の後に信用保証協会を訪問しました。
そこで直に確認したところ、
「セーフティネット保証4号については、金融機関経由でしか受け付けていません」
とキッパリ言われてしまいました。
みなさん、いきなり信用保証協会に行かず、かならず金融機関経由で申し込みましょう。
3月12日(木) 取引のない地元の金融機関に融資申し込み
「懇意にしてもらえる金融機関をひとつ、できれば複数作っておいてください。取引のない金融機関に急に行って融資を依頼しても、ほとんど相手にしてくれませんよ」
このように私は日ごろから、自分のセミナーの受講者にお話ししていました。そこで今回を機に、あえてまったく取引のない金融機関を訪問して、新しくおつきあいのできる金融機関を持ちたいと思いました。また今回の緊急融資に対する、民間金融機関の対応を知るよい機会にもなりました。
やはり、最初はあまり芳しくない対応をされてしまいました。
その時の金融機関の対応については、以下もブログで詳しくお伝えしていますのでご覧ください。
●緊急融資を受けたいなら、まずは近所の金融機関で通帳を作っておくこと
すったもんだの末、結局受け付けてもらえたのですが、その時に提出した書類や資料が奏功したのではと考えています。私が持参した資料は以下の8点です。
1/中小企業信用保険法第2条第5項第4号の規定による認定書
2/履歴事項全部証明書
3/過去の決算書&確定申告書3期分
4/事業計画書
5/前期の月別合計残高試算表
6/今期の月別合計残高試算表
7/今期の試算表
8/必要資金額説明書
それぞれの資料について、なぜ用意していったのか説明します。
(1)中小企業信用保険法第2条第5項第4号の規定による認定書
この認定書がないと、そもそも緊急融資を使うことができません。絶対必要書類です。事業所のある市区町村の金融担当部署で発行してもらいます。
(2)履歴事項全部証明書
(3)過去の決算書&確定申告書3期分
どちらも金融機関と新規の融資取引を行う場合、かならず求められる資料です。
(4)事業計画書
事業実態をよく理解してもらうためです。
融資を申し込む際に絶対に必要となる書類ではありませんが、これを作っておくことによって「変な会社ではない」「実体がある」ことが伝わりやすくなります。
(5)前期の月別合計残高試算表
(6)今期の月別合計残高試算表
どちらも前年同期の売上高を確認してもらうために必要です。
(7)今期の試算表
直近までの財務状況を伝えるために必要です。
(8)必要資金額説明書
なぜ申請金額が必要なのかを説明するための書類です。申請金額の妥当性を理解してもらえます。
3月18日(水) 支店長来訪
融資について詳細をヒアリングするために、担当者である営業課長が来訪。支店長も一緒に来られました。
弊社のホームページを見たり、ネット上で情報を集めたらしく、提出した事業計画書の内容と実態が合致していること、財務内容が良い会社だということで、最初の塩対応から一転して積極的な姿勢に変わっていました。
話題の中心は「弊社がどういう活動をしているか」。始終なごやかな雰囲気で2回目の面談は終了しました。
3月23日(月) 担当者からの追加ヒアリング
支店長が弊社に来訪してから2営業日後に営業課長から電話があり、試算表の内容に関して質問を受けました。ごくシンプルな内容でしたので、短時間の電話で済みました。
3月25日(水) 担当者から経過報告
追加ヒアリングから2営業日後、再び担当者から経過報告の電話がありました。
「保証協会に資料を送りました」
「信用保証協会も申し込みが殺到しているらしく、審査に1週間程度かかるとのことです」
とのことでした。たしかに3月25日といえば、すでに信用保証協会も大混雑していたことでしょう。
3月30日(月) 信用保証協会から保証OKの連絡
前回の経過報告から3営業日後に担当者から電話連絡があり、「信用保証協会が審査を急いでくれたらしく、先ほど協会から信用保証OKとの連絡がありました」とのこと。
安心したのと同時に、やはり信用保証協会も今後の混雑を考えてか、審査を急ぐ姿勢だったのだなと思いました。
【セーフティネット保証4号】は100%保証なので、信用保証協会がOKを出すとその融資は間違いなく実行されます。
最初に金融機関に申し込みに行ってから19日後、営業日数で言えば12日後。
金融機関の担当者にも、信用保証協会にも、本当に頑張っていただいたと思います。
【セーフティネット保証4号】融資申込時の注意点
【セーフティネット保証4号】による融資申し込みにあたって、ぜひ気をつけていただきたいことが4点あります。
(1)懇意にしている金融機関に申し込むこと
私は今回「新しい金融機関との関係づくり」や「金融機関の対応を体験したい」と考えて、まったく取引のない金融機関にあえて申し込みました。が、このブログを読んでいるみなさんは、そんな無茶なことをしてはいけません。
下記ブログでも書いたように、取引のない金融機関に申し込むと、普通預金口座を開設するだけでかなりの時間を要します。「反社会的勢力とのつながりの有無」を調査するには、存外の時間がかかるのです。実際、私が今回申し込んだ金融機関でも「懇意にしている金融機関に申し込まれた方がいいですよ」と再三言われました。
●緊急融資を受けたいなら、まずは近所の金融機関で通帳を作っておくこと
今このような状況ですから、余計な時間や手間をかけている暇はありません。まずは懇意にしている金融機関で申し込んでください。
(2)懇意にしている金融機関がない場合は
とりあえず、普通預金通帳を作っている金融機関に相談してください。
きっとそこでも「懇意にしている金融機関にご相談されてはいかがですか」と言われると思います。でも実際に懇意にしている金融機関がない場合は、
「そんな金融機関はありません。通帳を持っているのもこちらの金融機関だけです。
ここで断られると、行く先がありません」
と真剣に、懸命に訴えてください。
地域密着型金融機関なら、おそらく前向きな対応をしてくれると思います。
(3)時間がかかることを覚悟しながら、できるだけ早く動く
私が最初に金融機関を訪問したのは3月12日、世間の空気はまだ比較的のんびりしていました。
しかしその後新型コロナウイルスの影響が拡大して多くの経営者が金融機関に駆け込んでおり、今は私が申し込んだ時よりはるかに時間がかかります。
まず、金融機関の担当者のキャパシティを超える申請が来ています。
もちろん信用保証協会には、その何倍もの信用保証依頼が来ています。
彼らはできる限りの力で対処してくれていますが、限界があります。
対処する以上に申請が入ってくるのですから、後になればなるほど申請から融資実行までのタイムラグが大きくなります。
時間がかかることを覚悟しながら、できる限り早く動いて申し込みを済ませましょう。
※なお新型コロナウイルス影響下の資金繰り支援策の最新情報はこちらからご覧ください。
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