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2回目のコロナ融資のために、中小企業経営者に伝えておきたい3点

2回目のコロナ融資は審査の厳格化が必至。今のうちに、中小企業の資金繰りを安定させるアドバイスができる士業・コンサルタントになっておきたいものです。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

私は大阪の信用組合出身ですが、勤務13年目にその金融機関が破綻しました。

当時は支店長代理という役職で、110の会社を担当していました。破綻したのは12月。110社のうち10社から、年末資金の融資を依頼されていました。しかしいきなりの破綻で、その10社に融資をすることができませんせした。

幸いなことに、7社は何とか資金の段取りがついて生き残ることができました。が、残念なことに3社は資金繰りに詰まり、倒産してしまったのです。
 

なぜ、7社が生き残り、3社が倒産したのか

勤務先の金融機関が破綻したといっても、私の担当先はまだ100社以上あります。その会社が生き残っていくためには、「なぜ7社が生き残り、3社が倒産したのか」を把握しないといけません。そこで7社が生き残れた理由と、3社が倒産した理由について考えた結果が、以下の2点です。

●生き残った7社は、私の勤めていた金融機関のほかに、取引のある金融機関を持っていた

●倒産した3社は、弊行のほかにつきあっている金融機関がなかった

 

中小企業経営者に「複数の金融機関とのつきあい」をすすめよう

その経験から関与する中小企業の経営者に対して私がかならず伝えるようになったのが、「かならず複数の金融機関とつきあうようにしてください」というアドバイスです。

倒産した3社も何とか最悪の結果を逃れようと、資金調達のため取引のない近隣の金融機関を訪ねて融資を依頼しました。しかしいくら資金に困ったからといって、取引のない中小企業の経営者がいきなり「貸して」と訪ねて行っても、金融機関は相手にしてくれませんでした。

なぜなら、取引のない金融機関と融資取引を始めるためには、最低でも6ヶ月のおつきあいが必要だからです。

逆に言うと、財務内容がきわめて厳しい会社は難しくても、多少の債務超過や赤字決算ぐらいなら、6ヶ月あれば、新たに貸してくれる金融機関と融資取引を開始することがかならずできます。
 

第1段階:新しい金融機関とつきあうときは、「預金取引」から

しかし、じっとしているだけでは、融資取引を開始することはできません。6ヶ月で新たに貸してくれる金融機関を開拓するために必要な2点をお話ししましょう。

ひとつは、「最初に正しいアプローチを行うこと」。これが第1段階です。

取引のない金融機関でいきなり「お金を貸して欲しい」と言っても、相手にしてもらえません。なぜなら資金繰りに困った経営者が最初に融資を依頼するのは通常、すでに取引のある金融機関(メインバンク)のはずだからです。初めて会う企業から融資を申し込まれた金融機関は、「おかしい」「何か相当な事情があるな」と疑います。

疑心暗鬼になるのも無理はありません。メインバンクに頼めないほど資金繰りに困っている中小企業に融資をしても、焦げ付く可能性が高いからです。

金融機関
メインバンクに断られたから、うちに来たのだろう…

メインバンクには断るだけの理由があったのだろうし
ここで弊行があえて火中の栗を拾う必要はないな


 
そこで金融機関はこう言って断ります。

金融機関
まず、預金取引を始めていただき

しばらく取引状況を拝見してから
融資を検討させていただきます

すぐに融資はできません


 
そうならないために必要なのが、「正しいアプローチ」。

経営者
今すぐは必要ありませんが…

将来的に融資をしてもらえるようになればと考えています

まず、軽くおつきあいいただき(預金取引のこと)
弊社の実状を見極めていただいた上で
将来的に融資を検討していただくことは可能でしょうか?


 
(たとえば消費税支払のための)定期積金などの預金取引なら、新しい金融機関も喜んで応じてくれます。また、将来のことについて「可能でしょうか?」と訊かれて、「不可能です」と答える金融機関はありません。まずは預金取引をきっかけに、少しずつ信頼を積み重ねていきましょう。
 

第2段階:定期的に会うことで、貸してもらえるようになる

新しい金融機関とのおつきあいの第2段階は、「信頼してもらえるように、正しいつきあいを続ける」。

最初に正しいアプローチをすれば、担当者をつけてもらえます。しかし普通につきあっているだけでは、関係性は深まりません。できるだけ早く融資をしてもらえるようにするために、信頼関係を深めるためのつきあい方が必要。有効なのは「事業計画書」の提出と、その事業計画の「進捗状況の定期的な報告」です。

金融機関に事業計画書を提出する中小企業は少なく、それだけで「この会社はしっかりした会社だ」と思ってくれます。さらにその進捗状況の報告まで行う会社は、中小・零細企業ではほとんどありません。

事業計画書を提出することで、金融機関はその会社の事業内容を詳しく知ることができ、進捗状況を定期的に聞くことができれば(月に1度で十分です)、その会社の活動状況を把握することができます。それだけで、金融機関に「信頼するに値する会社だ」と思ってもらいやすくなるのです。

【融資に強い士業・コンサルタント】として活躍の場を求めるなら、関与する中小企業経営者に対して、以下の3点をお伝えください。

1/かならず複数の金融機関とつきあうこと
2/新しい金融機関には、最初に正しいアプローチを行う
3/信頼してもらえるような、正しいつきあい方を続ける

 
また、とくに「3」について親身にサポートできれば、関与する会社の資金繰りは大きく安定するでしょう。


懇意にしている金融機関があるかないかで、中小企業の資金調達力が大きく変わります。懇意にしている中小企業に対して金融機関は前向きに支援を検討してくれますし、よい情報も優先的に教えてくれます。今回の新型コロナ融資でも、金融機関の側から、懇意にしている取引先へ自発的に情報提供を行ってきたのはご存じのとおり。金融機関も、懇意にする取引先が倒産すると困るからです。

金融機関との関係性を深める方法を知っている中小企業の経営者は多くありません。また同様に、そのアドバイスができる専門家の数も多くありません。だからこそ、そのアドバイスができる専門家は貴重なのです。たとえ日本政策金融公庫やセーフティネット保証4号などで新型コロナ融資に成功した法人や個人事業主でも、次はそう簡単に借りられないでしょう。現在関与している企業の、2度目のコロナ融資のためにも、今のうちに基礎知識と最新の事例を仕入れておきましょう。

そんな、金融機関との関係性を深めるための知識・ノウハウが手に入ります。

●コロナショック後の「融資に強い士業・FPになる方法」セミナー
 ※東京・大阪ともに複数日程あり
 

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