- 2020-9-28
- 融資サポート
- セーフティネット保証4号, 新型コロナウイルス影響下の資金繰り支援策, 日本政策金融公庫, 民間金融機関における実質無利子・無担保融資
大事なことなので、何度もお話ししましょう。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
●2020年2月28日に「セーフティネット保証4号」が、
●3月17日に日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」が、
●5月1日に「民間金融機関による実質無利子・無担保融資」が、
…それぞれ募集を開始しました。「新型コロナ対応融資」です。
当初はこれら「新型コロナ対応融資」への申し込みは少なかったのですが、4月上旬に「緊急事態宣言」が発令されてから、申込者数は爆発的に増えました。
最近になって申請件数も落ち着いてきたようで、公庫や保証協会においても申請から融資実行までの期間が約1ヶ月程度と、かなり短くなってきました。
以下は日本政策金融公庫だけですが、サイトに公開されている数値をグラフにすると、いかに急激に貸付件数が増え、6月にピークを迎えた後、少しずつ減っている推移がよくわかります。それでも前年同月と比較すると、たいへん多いのですが…。
全貸付件数 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 |
2020年 (令和2年) |
19,434 | 32,029 | 60,791 | 127,675 | 183,017 | 208,576 | 120,151 | 55,782 |
2019年 (平成31年-令和元年) |
21,555 | 34,881 | 44,438 | 37,915 | 26,096 | 23,236 | 25,809 | 23,469 |
※公庫の融資実績・残高は、こちらで見られるデータを基にしました。
●毎月の融資実績、業務統計年報(日本政策金融公庫)
2回目のコロナ融資が必要な企業が増えてくる
2020年10月には、緊急事態宣言の発令から半年を迎えます。
それ以前、またはその当時に融資をしてもらえた企業が調達できた金額は、「月商の3ヶ月分程度」でした。資金の供給元である国がコロナの影響が長引く想定をしていなかったため、「融資額は月商の3ヶ月程度」という指導をしていたためです。
しかし想定外にコロナウイルスの影響が長引いたため、1回目のコロナ融資による資金が枯渇しそうな企業がそろそろ増えてきそうな気配です。
それらの企業は「2回目のコロナ融資=追加融資」を申請する必要がありますが、2回目のコロナ融資は、なかなか簡単には借りることができません。以前のブログでもお伝えしたとおりです。
●2回目のコロナ融資は簡単に借りられない ― 審査が厳しくなります
士業やコンサルタントが「2回目のコロナ融資を申請する経営者」に伝えるべきこと
その状況を回避するために、士業やコンサルタントが「2回目のコロナ融資を申請する経営者」に伝えるべき言葉が4つあります。今までも同様の内容を伝えてきましたが、とても重要なことなので、再度お知らせしましょう。
以下の4つの言葉を、それぞれの説明と共に伝えてください(そのまま経営者にお伝えいただいて構いません)。
言葉1-「2回目のコロナ融資は、借りるのがとても難しくなります」
1回目のコロナ融資は、ほぼ、要件(前年対比売上が5~20%以上減少)しか見ませんでした。経営内容や財務内容をあまり考慮せず、要件さえ整っていればスピード重視で融資を実行していました。
しかし2回目のコロナ融資(追加融資)では、返済可能性を重視。これは本来の金融機関としては当然の姿勢で、最初のコロナ融資のときがイレギュラーだっただけです。そこで「返済可能性をきちんと説明できない企業は審査に通らない」ということが言えるのです。
言葉2-「1度融資を申し込んで断られると、少なくとも3ヶ月は申請できません」
明確な基準があるわけではありませんが、一般的に金融機関では、いちど融資を申し込み否決されると多くの場合、「3~6ヶ月程度」は申し込むのが難しくなります。
金融機関は、「否決した理由が解決できれば、いつでも再申請は可能です」と言っています。しかし実際には、否決後すぐ再申請しても、「3ヶ月程度は期間を空けてほしい」と言われるケースが少なくありません。否決後すぐでは、「否決された理由」が解決されていないからです。
否決されたときは理由を尋ね、その問題を解決してから再度の申請を行いましょう。とはいえ、その問題が解決されるのに3ヶ月程度はかかるはず。だからこそ金融機関は、「3ヶ月程度は期間を空けてほしい」と言うのです。
(参考ブログ)
●融資を断られたら理由を聞いてください。金融機関には謝絶理由を伝える義務がある
言葉3-「だから、焦って融資を申し込んではだめ!」
否決されてから3ヶ月も待てればいいのですが、融資申請したということはその時点で資金繰りは厳しかったはず。その後3ヶ月も資金が持つような企業は少なく、多くの企業は資金繰りにさらに深刻な支障を来す可能性が高くなります。
つまり、準備が整わないまま融資を申し込むことで、取り返しがつかなくなるのです。
言葉4-「2回目のコロナ融資を申し込むとき、事前に私に相談してください」
2回目のコロナ融資を確実に確保するため、事前に、借りられる確率を高めるための資料を準備しておく必要があります。
必要な資料は以下のとおりです。
●事業計画書
●試算表
●資金繰り表
それに加えて以下も準備しておけば、金融機関は前向きに取り組んでくれると思います。
●融資依頼書兼経営計画書
そこでぜひ、こう言ってください。
「融資依頼書兼経営計画書」の見本及びフォーマットは、以前のブログから入手できます。
●2回目のコロナ融資で、金融機関からかならず聞かれる2項目
いちど融資を断られると、次の申し込み時にひっくり返すのには困難が伴います。できれば事前に十分準備をしておき、融資を断られない状況を整えてから申し込みたいもの。士業・コンサルタントのみなさんはぜひ、事前準備の大切さを周りの経営者に伝えてください。
上記のような資料を添えることで、融資が成功する確率も、実行までのスピードも、格段に高めることができます。1回目の新型コロナ融資は、そのような資料がほぼ不要でした。「コロナ融資を借りるのは簡単」と勘違いしている経営者も多くいます。
しかし2回目のコロナ融資=追加融資は、そんなに甘くありません。1回目のような申請では、断られるケースが増えてくるでしょう。2回目のコロナ融資にこそ、説明資料の添付が必要になります。
大多数の経営者は、どのような資料を作成すれば融資の可能性やスピードが上がるのか知りません。だからこそ士業・コンサルタント等の専門家が身近でサポートを行う場面が、今後どんどん増えていくでしょう。
そんな、2回目のコロナ融資をサポートするためのヒントが手に入ります。
●コロナショック後の「融資に強い士業・FPになる方法」セミナー
※東京・大阪ともに複数日程あり