- 【オンライン】
- 2024年11月27日(水)・12月9日(月)・12月23日(月)・1月10日(金)・1月24日(金)・2月6日(木)・2月20日(木)
- 【東京】
- 2024年12月2日(月)・12月18日(水)・1月15日(水)・1月27日(月)・2月12日(水)・2月26日(水)
- 【大阪】
- 2024年11月28日(木)・12月5日(木)・1月8日(水)・1月23日(木)・2月3日(月)
士業法人の経営者保証に関する考え方に間違いがありました。内容を修正させていただきました。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
先日ある士業の方と話していたところ、「士業事務所は法人化すべきか、法人化のメリットを教えてほしい」と相談されました。
現在、税理士法人は2名以上の税理士が所属している必要があります。が、弁護士や社会保険労務士、弁理士、行政書士、司法書士などは「一人法人」が可能です。
※中小企業診断士はコンサルタントとして法人設立ができるため一人法人が可能
今回の記事では、士業事務所の法人化メリットを考えてみました。
なおブログ内の税務に関する部分は調べた上で書いていますが、専門分野ではないため誤謬も考えられます。より正確な知識は、知り合いの税理士にご確認ください。
事業事務所が士業法人を設立するメリットとしてまず挙げられるのが、「法人格の取得により外形的に信頼度が高まる」ことでしょう。
実際には、個人事務所でも士業法人でも行う業務が変わるわけではありません。が、対外的には「法人を営んでいる、しっかりした事務所」と思われることが少なくありません。
これは、大手企業と取引しようとしている個人事業主が、取引口座を持つ必要に迫られ法人にせざるを得ないケースに、ある面似ているかもしれません。
士業に相談しようと考えている一般的な事業者が「個人事務所」と「法人」を比べたとき、多くの場合「法人」を選びそうな気がしませんか。
「大きいところなら、幅広い観点から解決してくれそうだ」という印象を持ちがちだからです(士業の業務に詳しい経営者は少ないものです)。
これを「社会通念上の、法人格に対する信頼性」と言います。
「所得水準によっては」という条件付きになりますが、個人にかかる「所得税」よりも、法人にかかる「法人税」のほうが安くなることがあります。
また、自分の給与を役員報酬として経費計上できるため、給与所得控除が適用されることから、控除額の分だけ全体の所得を減額することができ、納税額を減らすことができます。
小規模の個人事務所でも、思うように業務依頼が来なかったり、新型コロナウイルスのように予期せぬ原因などにより、赤字になることがあります。
また、従業員を複数雇用していると、大幅な赤字を抱えることになります。
青色申告をしている個人事業主の場合は、この赤字(欠損金)を3年間しか繰り越せません。が、法人の場合は、欠損金の繰越控除可能期間は10年間です。
大きな赤字が生じた場合、繰越控除期間が長ければ長いほど、節税効果は高くなります。
インボイス制度が導入され、登録業者になるとこのメリットは薄くなるかもしれません。が、念のためお知らせしましょう。
個人事業主として売上が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が発生します。が、法人になると法人設立1年目は課税売上高がゼロとなるため、消費税が不要です。
設立2年目は、前年前半6カ月の課税売上高が1,000万円を超えない場合、免税業者として扱われるため2年目の消費税も不要です。
ただし、資本金1,000万円未満で法人設立した場合に限られるという点にご注意ください。
日本政策金融公庫にしても保証協会の保証つき融資にしても、最近は「経営者保証免除制度」があります。
「経営者保証免除」の要件は公庫や各保証協会によって違いますが、基本的なものとしては以下があります。
●「直近の決算で債務超過になっていないこと」
●「法人から社長個人に対する貸付金・仮払金等がないこと」
個人事業主として士業が金融機関からお金を借りていた場合、事務所経営がうまくいかなくても、破産宣告をして免責手続きをしない限り、その返済はずっと求められます。
大きな負債が残ってしまうと、再出発に当たって大きなハンディキャップとなるでしょう。万一その士業が大きな負債を抱えたまま、志半ばで亡くなった場合、その負債は残された家族に相続されます。
だから士業法人で融資を受けるときは経営者保証免除を適用してもらいたいと思うのですが、思惑通りにはいかないのです。
士業事務所が法人化して、上記要件を満たした場合、「経営者保証免除」を「制度的」には適用できますが、「実務的」には意味がないということです。
なぜなら、「士業事務所」は「合名会社」に準じた扱いになるため、無限責任を負うからです。無限責任となると、経営者保証免除が適用されても、返済する義務があります。
「経営者保証」という面でいえば、士業が法人化するメリットはなさそうですね。
経営者保証免除に関する考え方については、下記ブログも参考にご覧ください。
日本政策金融公庫には「経営者保証免除特例制度」があり、保証協会の保証つき融資で「伴走支援型特別保証制度」を利用する場合も「経営者保証免除対応」の適用があります。
いずれも一定の要件を満たしている法人と経営者なら、経営者保証が免除になる制度です。
事業者なら誰もが「経営者保証を外したい」と願うでしょう。
経営者向けの「金融機関との上手なつきあい方」セミナーでこの話を出すと、セミナー後に質問が集中します。その後たいてい「個別相談」につながり、あらためて後日、より詳しく事情をお聞きする機会が得られます。
個別相談で詳しい事情をお聞きしながら「御社なら、この方法で経営者保証を外せますよ」とお知らせすると、「手伝ってもらえないか」と依頼されることが少なくありません。
もしあなたに、ご自身の士業法人で「経営者保証免除」で融資を受けた実績があれば、「経営者保証を実際に外せた士業(専門家)」として、経営者から大きく信頼いただけるでしょう。
そんな「経営者保証を外すための知識・ノウハウ」についてのヒントが手に入るセミナーです。
※融資に関する質問などにもその場でお答えします
© 2019 株式会社ネクストフェイズ