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通常融資/創業融資サポートの報酬の目安

士業・コンサルタント事務所の経営安定には、イレギュラーではなく、レギュラーの事業軸が必要ですよね。たとえば融資サポートを事業の軸(のひとつ)に据えるなら、一時の波に左右されない業務の報酬設定がなにより大切でしょう。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

これまでコロナ借換保証制度の報酬相場や請求方法例、またリスケサポートの報酬目安をお話ししてきました。しかしコロナ借換保証制度も、またリスケも、いわば「イレギュラー」

コンスタントに需要がある通常の融資や、創業融資の報酬の算出例を今日はお話ししましょう。ご自身の報酬を決める参考になればうれしいです。

また報酬を決めたら、HPなどに明記するのをお忘れなく。料金がわからないと、事業者は相談しにくいからです。
 

一般的な融資サポートの報酬額目安は調達額の5%

融資サポート業務は、「1/事業計画書作成(必要であれば)」「2/金融機関への同行訪問」「3/金融機関交渉のためのレクチャー」「4/面談にあたっての事前シミュレーション指導」「5/融資に必要な追加資料作成」です。

融資サポート業務(例)
1/事業計画書作成(必要であれば)
2/金融機関への同行訪問
3/金融機関交渉のためのレクチャー
4/金融機関面談にあたっての事前シミュレーション指導
5/融資に必要な追加資料作成

 
これらの報酬設定はシンプルで、融資額の5%が上限。なぜなら、「出資法4条」と深いつながりがあるためです。

出資法第4条
金銭の貸借の媒介を行う者は、その媒介に係る貸借の金額の百分の五に相当する金額をこえる手数料の契約をし、又はこれをこえる手数料を受領してはならない。
2  金銭の貸借の媒介を行う者がその媒介に関し受ける金銭は、礼金、調査料その他何らの名義をもってするを問わず、手数料とみなして前項の規定を適用する。

 

貸金業者登録は不要、しかし報酬の上限には注意

ちなみに出資法第4条が適用となる事業者は「貸金業者の登録」が必要です。しかし「融資サポート」の場合は、「金銭の貸借の媒介」業務ではない「コンサルティング業務」になるため、出資法第4条の適用事業者には該当しません。「貸金業者の登録」は不要です。

とはいえ「金銭の貸借の媒介」業務であれ、また「融資サポート」業務であれ、依頼するクライアントから見れば内容は同じこと。どちらも「資金調達のサポート」なので、便宜上「調達額の5%以内」と合わせています。調達額の5%を越えたからといって法律違反になるわけではありませんが、不要な衝突を避けるために配慮しておきたい点です。
 

創業融資サポート報酬の「相場」は調達金額の5%ではない

創業融資サポート業務は、「1/公庫からの創業融資サポート」「2/民間金融機関からの創業融資サポート」「3/1年後に不足するであろう運転資金を確実に借りられるようにするためのサポート」の3つです。

創業融資サポート業務(例)
1/公庫からの創業融資サポート
2/民間金融機関からの創業融資サポート
3/1年後に不足するであろう運転資金を確実に借りられるようにするためのサポート

 
このうち「1/公庫からの創業融資サポート」業務は多くの士業・コンサルタントが行っており、すでにレッドオーシャン化しています。報酬相場は比較的低めで、現在だと以下の料金例が多いようです。

「調達金額×2%」または「最低報酬額12万円」で 高いほうの金額

 

事例にあてはめて報酬額を算出

日本政策金融公庫によると、創業融資における貸出額のボリュームゾーンは500万円程度とのこと。上記の料金例にあてはめると、500万円の公庫の創業融資サポートを行った場合、報酬は12万円です。

調達額(500万円)×2% = 10万円 < 最低報酬額 12万円

 
また融資額が1,000万円に及ぶと、報酬は20万円です。

調達額(1,000万円)×2% = 20万円 > 最低報酬額 12万円

 
創業融資サポートの報酬については、過去記事でも触れています。参考にご覧ください。

創業融資サポートにおける報酬額の相場


 

創業融資サポートで調達額の5%を請求できる道はある

公庫の創業融資サポートは手間がかからないことが多く、また、いわゆる「手離れのいい」業務。「創業融資を借りられたら終了」とスポット業務として受任できるのです。

参入する士業・コンサルタントは多く競合が激しいので、上記でもお話ししたとおり報酬額は低くなる傾向にあります。創業融資サポートを中心に事業の軸を…と考えても、「1/公庫からの創業融資サポート」だけでは不十分。安定経営にはDX導入等の相当な合理化か、孤軍奮闘で働き続けるか、です。

でもそんな体力本位のワークスタイル、いつまで続けられるでしょう? そもそも、それだけ働きづめになるために独立開業したのではありませんよね。

そこで「2/民間金融機関からの創業融資サポート」「3/1年後に不足するであろう運転資金を確実に借りられるようにするためのサポート」を私はおすすめしています。なぜなら2と3は首尾よくサポートできる専門家がまだ少なく、価格競争に巻き込まれずに済むからです。

「1/公庫の創業融資サポート」と同時に2や3も支援できると胸を張れるようになれば、報酬は上記の例にある2%ではなく、通常融資の上限である5%を設定しても、「長く支援していただきたいので」と優良顧客からの引き合いが期待できるでしょう。


公庫の融資サポートが得意な専門家は多いのですが、民間金融機関からの融資サポートまで行える士業・コンサルタントはどれだけいるか。

加えて(創業融資ではなく)一般的な融資サポートができれば、創業後の巡航期、雌伏期、また飛躍期など、ときどきの業況変化にあわせた柔軟かつ多彩な施策を提案できます。オールマイティにサポートできる士業・コンサルタントは少ないだけに、周りから重宝がられ、「事業への本気度の高い」「長くつきあっていける」優良客の紹介が期待できるでしょう。

「相談件数は案件依頼数に比例し、案件数は顧客数に比例する」。この顧客獲得法則のとおり、相談件数の増加に従って顧客数は増えるもの。とくに「融資サポート業務」は一過性の波に左右されないうえ、相応の報酬を確保できるため、事務所経営の安定に大きく資するでしょう。

今後の事業の新たな軸として、「融資」を考えている士業・コンサルタントのためのセミナーです。

資金調達支援ノウハウセミナー【オンライン・東京・大阪】

【オンライン】
2024年11月27日(水)12月9日(月)12月23日(月)1月10日(金)1月24日(金)2月6日(木)2月20日(木)
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※融資に関する質問などにもその場でお答えします

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