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公庫融資借換特例制度をご存じですか? メリット・デメリットを比較

同額借換ができるのは、コロナ融資だけではありません。

こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。

コロナ融資の返済開始事業者が増えるにつれ、「今の売上・利益・財務状況では不可能。どうにかできませんか」という相談が多くの士業・コンサルタントに寄せられています。

ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員からも、顧問先事業者に関する同様の相談が増えてきました。そんなときは「取引金融機関に同額借換を依頼してみては」とアドバイスしましょう、とお伝えしています。

過去記事でもお知らせしているので、参考にご覧ください。

新型コロナ融資の返済に悩む事業者の負担を減らすアドバイス=同額借換

「コロナ融資の返済ができない」と相談されたときにアドバイスしたい対策2点

※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に800名以上います

●一般社団法人融資コンサルタント協会 会員検索ページ

こんなとき大いに活用したいのが、日本政策金融公庫の「公庫融資借換特例制度」

また、コロナ融資以外からの借換に対応しているのも心強い限りです。
 

日本政策金融公庫「公庫融資借換特例制度」とは

日本政策金融公庫に同額借換を依頼すると、拍子抜けするほどスムーズに対応してくれることが少なくありません。

その理由は、「公庫融資借換特例制度」。受け皿の制度が用意されているからです。詳しくはこちらをご覧ください。

●公庫融資借換特例制度
 

「公庫融資借換特例制度」が利用できる既存融資

「公庫借換特例制度」を利用できるのは、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」だけではありません。以下の制度からの借換ができます。

●経営環境変化対応資金

●金融環境変化対応資金

●東日本大震災復興特別貸付

●令和元年台風第19号等特別貸付および令和2年7月豪雨特別貸付

●事業再生・企業再建支援資金

●事業承継・集約・活性化支援資金

●新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付

●挑戦支援資本強化特別貸付制度

 

借換によるメリット:据置期間の繰り延べ、リスケ回避

新型コロナウイルス感染症特別貸付を借り換える場合、「返済期間20年以内(うち据置期間5年以内)」です。借り換えることで、据置期間が延ばせるメリットを得られます。

一方、新型コロナウイルス感染症特別貸付以外の制度で借り換える場合、据置期間は原則1ヶ月以内。据置期間の繰り延べ効果は望めません。

しかし既存の融資の返済期間が短い場合、借換を行うことで毎月の返済負担額を減らすことができます。

通常、毎月の返済負担額を減らしたい場合は「リスケ」するしかありません。が、リスケすると信用格付けが落ちてしまうため、新規融資を受け付けてもらえなくなるデメリットがありました。

「公庫借換特例制度」で借換を行えば、毎月の返済負担額が減るのに信用格付けは落ちません。新規融資が必要な場合も、俎上に乗せてもらえます。
 

借換によるデメリット:コロナ融資に関しては金利が上がる可能性あり

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」関しては、以前の借入れタイミングによって、金利が上がる可能性があります。

たとえば2021年3月に「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を借りた事例。2024年3月までは無利子ですが、借り換えた瞬間から金利の支払いが必要になります。

中小企業事業での「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の3月時点の金利は、「基準金利(1.2%~2.0%)-0.9%」。金利負担が発生することになりますね。

また、国による「スーパー低利融資による支援」は今のところ2023年9月末までなので、10月以降は金利が上がる可能性があります。

低利での「新型コロナウイルス感染症特別貸付」借換を希望する事業者は、急いで公庫に相談に行きましょう。
 

【ご注意】「公庫融資借換特例制度」は、中小企業事業が対象です

日本政策金融公庫には、「国民生活事業」と「中小企業事業」の2つの窓口があります。

「国民生活事業」は小規模事業者が対象で、「中小企業事業」は少し大きな中小企業が対象となっています。

借りられる金額も、「中小企業事業」のほうが「国民生活事業」よりも大きいです。

今回紹介した「公庫借換特例制度」は「中小企業事業」の制度で、「国民生活事業」にはこのような制度はありません。しかし「国民生活事業」の場合、「同額借換」を依頼すると、「中小企業事業」の「公庫借換特例制度」との絡みがあるので積極的に対応してくれます。

「国民生活事業」で「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を同額借り換えしようとする場合は、「同額借換でお願いしたいのですが」と申し出れば、基本的には前向きに対応してもらえますよ。
 

保証協会の保証つきのコロナ融資の借換は「コロナ借換保証制度」を利用

保証協会の保証つきのコロナ融資(民間金融機関によるゼロゼロ融資)を借り換えする場合は、「コロナ借換保証制度」を利用します。コロナ借換保証制度の詳細は以前のブログをご覧ください。

「コロナ借換保証制度」と「伴走支援型特別保証制度」との違いを比較


政府資料によると、2023年7月~2024年4月にかけて「ゼロゼロ融資」の返済開始ピークがやってきます。

売上・収益が元に戻っていない事業者は多く、一定数の事業者は返済が難しいでしょう。士業・コンサルタントには、そんな事業者からの融資に関する相談が確実に増えてきます。

しかし残念なことに、的確なアドバイスやサポートができる専門家の絶対数が足りません。多くの事業者は、相談さえできずに右往左往するでしょう。ほんの少しのアドバイスがあれば、ひと息つけるにも関わらずです。

融資に関する的確なアドバイスができる士業・コンサルタントになるヒントが手に入ります。

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