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ギリギリになって申し出ても、リスケは認めてもらえません。では、いつから「計画」を始めるか?
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
2023年3月9日の日本経済新聞の朝刊に、こんな記事がありました。
この記事に記載されているのは、以下の内容です。
●「ゼロゼロ融資」返済が本格化し、経営再建を断念する息切れ型の倒産が広がっている
●倒産件数の増加基調は顕著になっている
●運輸業は2.3倍の36件、建設業は44%増の115件、製造業は15%増の60件だった
●経営改善が進まず、事業継続を断念する企業が増えている
●東京商工リサーチは「企業倒産は春先から増勢を強める可能性が高まっている」と指摘する
「今後は倒産件数がもっと増えてくる」ということでしょう。しかしご安心ください。最悪の結果に陥る前に、士業・コンサルタントとして顧問先・関与先にアドバイスできることは数多くあります。
そんなときに大いに役立つ【資金繰り図式表集】を無料プレゼントしています。詳細はこちらからご覧ください。
業績が悪化したからといって、いきなり倒産する企業はほとんどありません。
「まずは金融機関にリスケを申し出て返済猶予を行い、その返済猶予期間で経営改善に取り組みながら正常化を目指す」というプロセスを踏みます。
この返済猶予期間内にうまく経営改善ができなければ「事業再生不可能」となり、倒産に至ります。
リスケを行うにしても、そのタイミングが重要です。
資金繰りが厳しくなり「来月から返済ができない」というタイミングでリスケを申し出ても、まず金融機関は首を縦に振りません。
金融機関としてはリスケを依頼されても、応じるかどうか判断するのにある程度の時間がかかるからです。いきなり「来月からリスケお願いします」と言われても対応できません。
リスケに応じてもらえなければ、事業者は「返済を続けるか」「延滞するか」しか選択肢がなくなります。返済を続けると資金繰りは当然より厳しくなるため、事業継続が困難になります。かといって延滞してしまうと「期限の利益を喪失」してしまうため、全額返済を求められます。
全額返済できなければ担保不動産の競売や、保証人への代位弁済請求となり、いよいよ事業継続は絶望的に。「事業を立て直したい」と望む限り、何としてでも金融機関にはリスケに応じてもらわないといけません。
それには「計画」が必要です。
適切な段取りを踏めば、金融機関はリスケ依頼にスムーズに応じやすくなります。
リスケ依頼の検討を始めるタイミングは、リスケ実行時期の【6ヶ月前】です。
資金的な余裕がない状態でリスケを依頼したと考えましょう。この場合、すぐに認めてもらえないと困りますから、交渉に時間をかけることができません。金融機関から厳しい条件を突きつけられても、飲まざるを得なくなります。
しかし6ヶ月前の時点では、苦しいながらもまだ資金的な余裕はあるでしょう。その状況で交渉に臨めば、交渉に時間をかけられます。ある程度は事業者側の要望を聞いてもらえる可能性が出てきます。この差は、とても大きい。
期でいえば、直近決算で「債務超過」に陥ったときが、リスケ検討タイミングでしょう。
「債務超過」になると、基本的に金融機関からは「新規融資」には応じてもらいにくくなります。そこで「資金繰り表」を作成し、「リスケを依頼するかどうか」の判断をいったんこのタイミングでしておきましょう。
ここでリスケ依頼の判断をしても、すぐにその実行に向けて動くのではありません。
新規融資に応じてもらいにくいことはわかっていても、リスケを実行してもらいたい時期の【3ヶ月前】に、「あえて」金融機関に「融資の依頼」を行ってください。
かなり高い確率で断られますが、それが目的です。「融資を申し込んだが断られた」という結果を出して、「融資してもらえなかったのでリスケせざるを得ない」状況を金融機関にわかってもらうのです。
ここまで来ればリスケの依頼をしても、金融機関としては「融資を断ったからリスケも致し方ない」と考えやすくなるでしょう。
リスケ依頼には、「どう正常化していくのか」を説明する資料として「経営改善計画書」を提出する必要があります。
金融機関はこの経営改善計画書の内容を精査し、リスケに応じるかどうか、また、応じるなら条件を決めます。その審査には、少なくとも1ヶ月程度の時間が必要でしょう。
また、1ヶ月程度で結論が出ても、事業者がとても受け入れられない厳しい条件を突きつけられることも多々あります。
こうなると交渉が必要です。時間がかかります。だからこそ、経営改善計画書は【2ヶ月前】に提出するのが理想なのです。
上記で、直近決算で債務超過に陥ったときがリスケ検討タイミングだとお伝えしました。その判断材料として、士業・コンサルタント側から作成提案したいのが「資金繰り表」です。
半年先の資金繰りをイメージできている経営者はほとんどいないでしょう。6ヶ月前の時点では、なかなか危機感を覚えないのは当然です。早くて3ヶ月前。1ヶ月前でようやく初めて、という経営者も少なくありません。
そこで資金繰り表です。
直近決算で「債務超過」が明らかになったタイミングで、6ヶ月間先の資金繰り表を作成しましょう。財務の深刻度を、経営者に認識してもらうことができます。
「来月に資金ショート」といった切羽詰まったタイミングではなく、「今からリスケ準備しておかないと」と積極的に取り組む意識を持ってもらえるでしょう。判断のタイミングが早ければ早いほど、手を打ちやすくなるのは言うまでもありません。
士業やコンサルタントのみなさん。関与先や顧問先が債務超過に陥ったら、そのタイミングから毎月「資金繰り表」を作成してさしあげてください。それだけで、倒産の確率を低減させることができるでしょう。
また、資金繰り表の作成はそう難しくありません。一度作り方がわかれば、次からはスムーズに作成できるようになります。
ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会は、会員向けに毎月勉強会を行っています。そこで以前、私が「資金繰り表の作り方セミナー」を行いました。
その際に使用した「資金繰り表図式集」を無料プレゼントします。関与先や見込み客へのサポートに有効活用していただければ幸いです。下記フォームよりお申し込みいただけます。
リスケ依頼時は、「経営改善計画書」を作成して提出する必要があるとお伝えしました。が、実は「コロナ融資の借換」を行う場合も、「経営改善計画書」を作成しておいたほうがよいのです。
基本的にコロナ融資の場合、公庫なら「公庫融資借換特例制度」を、信用保証協会の保証つき融資(いわゆる「民間金融機関ゼロゼロ融資」)なら「コロナ借換保証制度」を利用することで、返済猶予期間を延長できます。また、その際経営改善計画書の提出は不要です。
しかし返済猶予期間を無事延長できたとしても、それは単なる「先送り」。返済猶予期間が終了すれば、返済は始まります。そのとき「返済できる経営体質」に変わっていなければ、返済猶予期間を延ばした意味がなくなります。
返済猶予期間を延長している間に「返済できる経営体質」に変わるため、その指標となる「経営改善計画書」を作成しておきたいものです。
とはいえ経営者が自分一人で「経営改善計画書」を作成するのは困難でしょう。ぜひ士業・コンサルタントであるあなたが、親身にサポートしてさしあげてください。
そんな「経営改善計画書」を作成できる士業・コンサルタントになるヒントが手に入ります。
※融資に関する質問などにもその場でお答えします
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