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「スピードを要する」「失敗できない」融資支援のために、支店決裁で済む限度額を知っておきたいこともあるでしょう。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
「急ぐ」「絶対に失敗できない」…中小・零細企業を支援する士業・コンサルタントなら、そんな差し迫った融資を顧客から相談されることもあるでしょう。
支店長の決裁で済むなら、話は早い。しかし限度額もあるだろうから、申請額によっては本部決済になって時間がかかる。そうなると顧客の資金繰りが危ない…。
でも、支店長が決裁できる限度額を「公に」知ることはできない。では、どうする? 大丈夫。方法があります。
金融機関に融資を申し込むと、担当者は融資稟議書を作成します。その融資稟議書を支店内の関係者と支店長が閲覧し、OKが出て初めて本部の審査を行う部署に回覧され、認否が決まる流れです。
1/支店の承認
↓
2/本部(審査部署)の承認
↓
3/融資の認可
しかし申請内容によっては、「1/支店の承認」だけで済むことがあります。この「支店の承認」だけで済む融資案件を、「支店長の決裁権限枠内の融資」といいます。
※「融資稟議書」の出来次第で審査結果が変わる旨は、過去記事をご覧ください。
支店での融資案件に関する最終決定権者は支店長です。支店長が申請のあった融資案件を承認しなければ、その融資稟議書が本部に送られることはありません。
現在の金融機関は、できるかぎり本部の審査部署で審査を行う傾向にあります。それでも、本部に融資稟議書を送らず支店長の承認だけで実行可能な、「支店長の決裁権限枠」のある金融機関も少なくありません。
支店長の決裁権限枠内の融資案件は、本部審査の融資案件と比較すると通りやすい傾向が見られます。また支店内で審査が完結するため、申請→実行までスムーズに進む可能性が高いのです。
ちなみに支店長の決裁権限枠内の稟議書を「支店決裁稟議」、それを超えた金額の稟議書を「本部稟議」と言います。
決裁権限を設定している金融機関も、金額は全支店一律ではありません。支店の規模、支店長の経験・経歴によって変わります。
大きな支店・経験の豊富な支店長の決裁権限枠は大きく、小さな支店・昇進間もない支店長だと小さい傾向にあります。
また、決裁権限の金額は1件1件ではなく、「1融資先の融資総額」で見ます。
たとえばある融資申請の金額が500万円で、その企業の既存貸出額が600万円だとしましょう。このとき「1融資先の融資総額」は、1,100万円。支店長の決裁権限枠が1,000万円だと、この融資案件は支店稟議とはならず本部稟議になります。
今回の申請額は500万円=支店長決裁権限枠内であっても、既存融資と合算すると支店長決裁権限枠を超えるからです。
本部に送られる融資稟議書は多額のため、審査は慎重に行われます。携わる人数は多く、また経験も豊富なため、審査の目は厳しくなりがち。時間がかかり、審査が厳しくなるのは当然のことでしょう。
また、彼らは事業者から直接話を聞く機会はありません。稟議書とその添付書類の内容だけで判断するため、稟議書の出来・不出来が認否判断のすべてです。
一方、支店長の決裁権限枠内の融資案件だと、事情が変わります。支店長が申請した事業者のことをよく知っていたり、また直接本人から話を聞ける場合は、稟議書の内容が多少稚拙でも可決される可能性があります。
なぜなら支店長は稟議書以外の判断材料を、自分で持っているからです。
たとえば支店決裁で済めば、事業者の熱意も重要なファクターとなり得ます。本部稟議では、事業者の熱意が審査に加味されることはほとんどないと言っていいでしょう。つまり本部稟議では通りにくい融資も、支店稟議では違う結果を期待できるのです。
支店長の決裁権限枠は公表されておらず、金融機関のホームページにも記載されていません。いきなり金融機関の支店に電話やメールなどで尋ねても、縁もゆかりもなければまず教えてもらえないでしょう。
しかし担当者や責任者、支店長等と仲良くなってから尋ねれば、意外とすんなり教えてくれることが多いようです。まったくのシークレット、ではないのです。
そのほか、支店と懇意にしている経営者や士業・コンサルタントが知っていることもよくあります。そんな人々を通して、間接的な情報収集も可能でしょう。
金融機関の内側を少し知るだけでも、融資をスムーズに進められることがあります。
とはいえ金融機関内の内情は、なかなか一般の事業者には得られません。だからこそ彼らを支援する士業やコンサルタントは、両者の間に立って新しい情報をキャッチしていたいものです。スムーズな融資を希望する事業者から、きっと頼りにされることでしょう。
そんな金融機関の内側の情報を入手できる士業・コンサルタントになるヒントが手に入ります。
※融資に関する質問などにもその場でお答えします
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