- 【オンライン】
- 2024年11月27日(水)・12月9日(月)・12月23日(月)・1月10日(金)・1月24日(金)・2月6日(木)・2月20日(木)
- 【東京】
- 2024年12月2日(月)・12月18日(水)・1月15日(水)・1月27日(月)・2月12日(水)・2月26日(水)
- 【大阪】
- 2024年11月28日(木)・12月5日(木)・1月8日(水)・1月23日(木)・2月3日(月)
融資の種類はひとつではありません。手形貸付をご存じですか。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員士業から、最近こんな相談が増えています。
顧客の小規模企業が、運転資金のために金融機関に融資を申し込んだが、断られた。このままでは資金が回らなくなり、会社が潰れてしまう。何か他の方法はないか
新型コロナの影響が後を引き、思うように売上が戻らないため赤字が継続、結果的に運転資金が枯渇する事業者は少なくありません。
そんな事業者が金融機関に対し融資を申し込むのですが、今、金融機関は「赤字補填のための運転資金」に非常に厳しいスタンスをとっています。
そこで「いちど断られた融資」を逆転させる方法として、士業・コンサルタントから顧客企業に提案したいのが、手形貸付です。
※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に900名以上います
金融機関が融資の審査でもっとも重視しているのは、「貸したお金を返済してもらえるか」です。見込みが薄い事業者に対しては、当然ながら融資を断ります。
赤字補填のための運転資金を融資しても、現状を維持する取組しか行わなければ、売上が元に戻る見込みは薄いと金融機関は考えます。
貸してもらうようになるためには、以下の2点を伝える必要があります。
1/今後、売上や収益を増加させる取組をどのように行っていくのか
2/その取組を行うことで、売上や収益がどれぐらい増加するのか
資料の全体の流れは以下のとおりです。
○○○万円の新規調達資金を活用して
↓
○○○などの新たな取組を行うことで
↓
売上や収益が○○○万円増えるので
↓
返済できる
上記のロジックの資料を金融機関に提出すれば、赤字続きの事業者も融資を検討してもらうことができるようになります。
通常、金融機関から融資を受ける場合、返済期間3~7年程度の証書貸付になります。
証書貸付は長期にわたって返済するため、金融機関が負担するリスクは高くなります(中小企業は外部環境の影響を受けやすく、返済が困難になるリスクが常につきまとうため)。
それに対し、短期貸付である手形貸付の場合、金融機関にとってはある程度リスク負担を軽減できます。
手形貸付とは、金融機関宛の約束手形を事業者が振り出し、この約束手形を担保として貸付を行う方法です。手形貸付で資金を借りた場合、借主は手形期日までに手形に記載した金額(融資額)を支払わなければなりません。
手形貸付が証書貸付に比較して(金融機関にとって)低リスクである1つめの理由は、金銭消費貸借契約に基づく貸付債権のほかに手形債権を取得できるからです。
もし借主が期日に返済ができない場合、金融機関は手形を不渡りにすることができるのです。不渡りになると金融機関との取引を停止させられる可能性がありますので、借主はなんとしてでも返済しようと努力します。
さらに2つめの理由は、いったん返済された後、再び手形貸付を事業者から申し込まれても、その時点でもう一度審査を行って返済不能リスクが高いと判断すれば融資を断ることができること。
金融機関にとって長期貸付におけるリスクを軽減できる貸付方法が、手形貸付なのです。
一般的には、証書貸付に比べて手形貸付のほうが金融機関のリスクが少ないため、証書貸付で断られた融資案件を手形貸付で申し込むと認可されることがあります。
とくに近いうち大きな入金が見込める場合は、それを返済に充てると申請すれば、入金日まで手形貸付による融資をしてもらえる可能性は高くなります。
また大きな入金が予定されていない場合でも、資金繰り表を作成することで、手形貸付を借りる可能性を上げることができます。
具体的には、入金状況をにらみながら、一瞬でも、借りた資金を返せる見込みがあるタイミングを見つけるのです。「この時期、キャッシュがここまで増えます。それで返済します」という説得材料が、資金繰り表です。
もちろん無理に資金をかき集めて手形貸付を返済してしまうと、すぐ資金ショートを起こす可能性が高いでしょう。
そんなときはもう一度、手形貸付で融資を申し込みます。そこで貸してもらえれば、資金繰りは一息つくでしょう。
その後、半年後や1年後に返済期日がやってきますが、そのときに返済し、またすぐに手形貸付で借りることを繰り返せば、必要な運転資金の長期的確保が可能になります。
この手形貸付を反復して借りることを、「短期継続融資(短コロ)」と言います(「短期の融資を転がす」ことから)。短コロだと証書貸付のように毎月一定金額の返済は不要となるため、毎月の資金繰りは楽になります。
いきなり「短期継続融資(短コロ)で融資お願いします」と申請すると、金融機関は身構えます。「これから何度も手形貸付を繰り返して、いつまでも返済してもらえないのではないか」と恐れるからです。
そこで、まずは運転資金での通常融資(証書貸付)を申し込みましょう。証書貸付を断られたときに初めて、手形貸付を切り出すのがスマートです。
【手形貸付申し込み時の会話例】
「証書貸付は無理なんですね… わかりました
それでは半年で結構ですから、手形貸付で融資を検討してもらえませんか」
一度、手形貸付で借りた実績を作れば、その後の業況や資金繰り(入出金)次第で、短期継続融資につなげることができるかもしれません。
一般的に経営者は本業の専門であって、資金調達の方法には詳しくありません。そこは支援する士業・コンサルタントの出番、日ごろから学んでチカラをつけている腕の見せどころです。
顧客企業が融資を断られたからといって、経営者と一緒に士業・コンサルタントがあきらめるのは時期尚早。断られた内容によっては、逆転する方法を見つけられることもあります。
大事なことは「なぜ断られたのか」の原因を把握し、「逆転する手はないか」と情報を収集しながら徹底的に考えること。支援する士業・コンサルタントの情報収集力と思考力で、打開策が見つかることがよくあります。
そんな、「融資を断られた」結果を逆転できる士業・コンサルタントになるヒントが手に入ります。
※融資に関する質問などにもその場でお答えします
© 2019 株式会社ネクストフェイズ