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コロナ借換保証制度がなくなっても、受け皿の制度は用意されています。その「小口零細企業保証制度」の説明と、コロナ借換保証との比較、利用時の注意点をお話ししましょう。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
前回ブログで「2024年7月以降は、信用保証協会のコロナ借換保証は廃止になる確率が高い」とお伝えしました。
たしかにコロナ借換保証が廃止されると、民間ゼロゼロ融資(民間金融機関による信用保証協会の保証つきコロナ融資)の返済が厳しい事業者は、「同額借換」による返済据置期間の延長ができなくなります。
そうなると、「無理してでも返済」か、「リスケ」の二択。
「無理してでも返済」すると資金繰りが厳しくなり、「リスケ」をすると今後の金融機関からの支援は期待できなくなります。どちらにせよ、事業者にとって過酷な経営状況に陥らざるを得ません。
しかし、国は救済措置となる受け皿の制度を用意しています。
民間ゼロゼロ融資を借りているすべての事業者が利用できるわけではありませんが、半分以上の事業者が利用できます。利用検討に値する事業者の支援を行っている士業・コンサルタントは、ぜひ周りの経営者に伝えて支援したいものです。
※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います
民間ゼロゼロ融資の受け皿となるのは、「小口零細企業保証制度」です。
この制度が利用できるのは「小規模事業者」。小規模事業者とは…
おおむね常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業は5人)以下の事業者
中小企業・小規模企業者の定義(中小企業庁)
小口零細企業保証は、コロナ前からある制度です。小規模事業者が本制度を利用すれば、100%保証のコロナ融資は100%保証で借換が可能になります。
また小口零細企業保証制度利用にあたり、多くの自治体で保証料補助を実施しています。
小口零細企業保証制度の概要は以下の通りです。
● 保証限度額:2,000万円(既存の信用保証付融資との合計で2,000万円の範囲内)
● 保証期間: 10年以内(据置期間1年以内)など(各信用保証協会所定)
● 保証料率:0.5%~2.2%など(各信用保証協会所定、経営状況によって異なる)
● 保証割合:100%保証
● 担保:原則として無担保
● 対象企業者: 小規模企業者
コロナ借換保証制度の保証限度額は、1億円でした。が、小口零細企業保証制度の保証限度額は2,000万円と1/5の額です。
コロナ借換保証制度 | 小口零細企業保証制度 |
---|---|
1億円 | 2,000万円 |
コロナ融資の残高が2,000万円以上ある事業者は利用できません。
コロナ借換保証制度 | 小口零細企業保証制度 |
---|---|
5年以内 | 1年以内 |
コロナ借換保証の据置期間は5年以内となっていましたが、小口零細企業保証制度の据置期間は1年以内。こちらも1/5となっています。
セーフティネット5号を利用してコロナ融資を借りている場合は、信用保証協会の保証割合が80%になっているため、小口零細企業保証制度を利用しての借換は基本的にはできません。
100%のコロナ保証の借換のみとなります。
上記資料によると、2024年(令和6年)1月末時点の民間ゼロゼロ融資などのコロナ関連融資の残高がある事業者のうち、約8割が小規模事業者。
この小規模事業者のうち、約7割が残高2千万円以下となっていることから、約56%の事業者が利用できる計算です。
残り約44%の、「常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業は5人)以下の事業者」や「コロナ融資残高が2千万円以上の事業者」は利用できません。
小口零細企業保証制度の利用にあたり、「事業者選択型経営者保証非提供制度」や「事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度」の併用が可能。
「事業者選択型経営者保証非提供制度」の要件を満たしている場合は、経営者保証なしで同額借換による据置期間を延長することも可能です。
「事業者選択型経営者保証非提供制度」や「事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度」については、過去の記事をご覧ください。
2024年6月末以降は、利用できるコロナ融資が限られてきます。
また金融庁の監督指針の変更により、今後は金融機関の融資姿勢も厳しめに変化することが予想されます。
金融機関の融資姿勢が厳しくなっても、それにあわせた対策を取れば、今までのように引き続き融資をしてもらうことは可能です。
とはいえ、適切な準備や対策を取れない事業者が大半。「金融機関に融資を申し込んだが貸してもらえない」という経営者からの相談が、士業・コンサルタントに今後数多く寄せられるのは間違いないでしょう。
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