- 2025-1-27
- 融資サポート
- 経営者保証, 経営者保証改革プログラム, 金融機関とのつきあい方
小規模企業とは、年商10億円未満の企業のことを言います。
こんにちは。株式会社ネクストフェイズのヒガシカワです。
大企業、また規模の大きい中小企業はそうでもないのに、小規模企業は経営者保証を求められるのが長らく一般的でした。
その理由のひとつが、大企業や規模の大きな中小企業に比べて小規模企業は信用力に劣るから。しかし、それだけではありません。
※なおネクストフェイズは、事業者への個別アドバイスを行っていません。ご相談のある事業者は、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員を検索して気軽に連絡を取ってください。融資の専門研修を受けた融資コンサルタントが、全国に1,000名以上います
小規模企業が経営者保証を取られる理由×3点
小規模企業が経営者保証を求められる理由としては、大きく以下の3点が挙げられます。
(1)小規模企業だから保証がついて当たり前だと思っている
昔は小規模企業に限らず、中小企業は経営者保証をつけるのが当然でした。しかし2013年12月に「経営者保証に関するガイドライン」が策定・公表されてから、そうではなくなったのです。
たしかに同ガイドラインの公表当初は、まだ「小規模」企業の経営者保証解除は難しかったものです。しかし時間の経過とともに、小規模企業が経営者保証を外せる事例が増えました。
「小規模企業だから保証を取られて当たり前だと思っている」経営者は固定観念に縛られ、金融機関に打診さえ行いません。しかし今は小規模企業でも経営内容や財務内容、金融機関との関係性によって、経営者保証を外しやすくなりました。小規模企業だから保証がついて当たり前、ではないのです。
もちろん貸す金融機関側はできる限り保全をとりたいので、経営者保証が外せる書類内容でも当然のように経営者保証を求め、経営者の多くも疑問に思わずそのまま審査に持ち込まれます。経営者の無知につけ込む商習慣ではないかと疑われても仕方ない状況です。
(2)小規模企業だから銀行から解除提案してもらえない
「経営者保証に関するガイドライン」が周知されるにつれ、金融庁の「経営者保証をとらない方針で臨むように」という指導方針を前面に出して、経営者保証解除の依頼する中小企業が増えてきました。アンテナが高く目端の利く経営者、または財務専門の従業員がいる企業です。
経営者保証を解除できる要件が整っていて、しかも解除の依頼をしてくる――。そんな優秀な中小企業が出てくると、金融機関は囲い込みを始めます。債務者側から依頼がなくても、経営者保証の解除を提案するのです。
これは、優良取引先を他の金融機関に奪われないための策。「別のA銀行は解除してくれた、貴行が応じてくれなければ今の債務もA銀行に肩代わりしてもらう」なんて言われたら大変です。
一方、解除要件が整っていても取引そのものが小さく、事情に通じていない(と思われる)小規模企業に対しては、金融機関からの積極的な解除提案はありません。蚊帳の外、いわば「置いてけぼり」です。
(3)小規模企業だから金融庁の方針変更を知らない
2022年、国は金融庁・財務省と連携して「経営者保証改革プログラム」を策定し、積極的に推進するようになりました。それを機に、一気に一部金融機関は経営者保証を積極的に解除する方向に舵を切りました。上述した「金融機関から中小企業への経営者保証解除提案」が増えたのがこのタイミングです。
しかし金融庁の指導方針の変更や金融機関を取り巻く状況を見聞きする機会がなく、経営者保証を外しやすくなった事実を知らない中小企業経営者は今も数多くいます。たとえ要件が整っていても、経営者保証を外せるチャンスを「見逃し続けて」いるのです。
「小規模企業でも経営者保証は外せる」と伝えると喜んでもらえる
つい先日も、ネクストフェイズが運営する一般社団法人融資コンサルタント協会の会員士業から相談を受け、ある小規模企業の決算書を見ました。ざっくりと、以下のような内容です。
- 5年連続黒字
- 資産超過状態
相談してきた会員士業を通して「この内容なら、金融機関に依頼するだけで経営者保証を外してもらえる」と伝えてもらいましたが、経営者の返事は「うちみたいな小さい会社は、経営者保証解除なんて無理」と信じない様子。そこで私が会員士業を通して行ったアドバイスは、以下のとおり。
- 取引金融機関を訪問し、担当者ではなく「貸付の責任者」か「支店長」に、経営者保証解除の依頼をしましょう
半信半疑で取引金融機関を訪問した経営者は、応対した貸付の責任者から「ちょうど私たちから経営者保証解除の提案をしようと思っていたところです」と言われたそうです。(ピカピカの財務内容ですしね…)
円満に経営者保証を解除できた経営者は大いに喜び、この会員士業とのコンサルティング契約を結んでくれたとのことで、この士業も大喜びでした。
新規の設備投資を考えていたり、事業承継を検討中だったりして、既存債務の個人保証を大きな負担に感じていても、「うちなんて」と思い込んでいる経営者は多いもの。決算書を見て要件が整っていると判断できたら、ぜひ解除できる旨を積極的にお伝えしたいですね。それでこそ、中小企業を支援する士業・コンサルタントです。
経営者保証を外せる小規模企業は少なくない
小規模企業の経営者保証を外す方法は、ひとつではありません。財務内容・経営内容・借入内容・金融機関との関係性等によって、アプローチ方法は変わります。しかし、経営者保証を解除するためのセオリーはあります。
士業・コンサルタントが考えているより、はるかに多くの小規模企業が個人保証を解除できます。上の事例のように金融機関に依頼に行くだけで解除してくれるケースもあれば、事前の準備が必要なケースもあります。
経営者保証を解除する知識・ノウハウ、段取りさえわかっていれば、無理なくそのお手伝いができるでしょう。
そんな、小規模企業の経営者保証解除の支援ができる士業・コンサルタントになる知識・ノウハウ・段取りを学べるのが、【小規模企業特化型】経営者保証解除支援ノウハウセミナーです。会場、日時等は以下のページからご確認ください。