東京都千代田区と立川市に事務所を構える社会保険労務士、伊藤泰人さん(54歳)。
2010年4月、48歳のとき、大手の損保企業を辞め、
以前から持っていた社労士資格を活かして独立開業しました。
当初から助成金申請代行を看板に掲げ、初年度の売上は1000万円、昨年度はなんと1億円を突破。
もちろん最初はひとりでスタート、1年後にパート1名を雇用し、現在の従業員数は8名になりました。
そんな伊藤さんの、盤石のビジネスモデルについて、
細かくお尋ねする機会に恵まれましたので、5回連載でお届けします。
聞き手はネクストフェイズ編集部ですが、
今回も同席していたネクストフェイズ代表・東川がときどき発言しています。
【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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第4回 助成金は社労士にとって、邪道か?
編集:助成金って、制度がよく変わったりしますよね。その情報収集は?
伊藤:ええ、そこで私の裏技は…。
編集:はい!←前のめり
伊藤:ありません!(笑)
編集:ええ~。(笑)
伊藤:ないんですよ、そんなの、本当に。厚生労働省のサイトは見に行きますが。
編集:ああ、それはそうですよね。
伊藤:というか、あれしかないんですよね。ほかのサイトも見に行ったりするけれど…。
編集:厚労省サイトを見る頻度は。
伊藤:ほぼ毎日ですね。あと、厚生労働省に直接電話をしたりとか。
編集:電話も?
伊藤:はい、しますね。
東川:結構教えてくれますよね。
伊藤:そう、教えてくれるんですよ。
東川:細かいとこまで、びっくりするぐらい。この人、暇なんかなと思うぐらい(笑)応対してくれますよ。
編集:電話していいんですね。厚労省サイトで不明な点があったら。
伊藤:そうですね。末端の役所の人に聞いても、ぜんぜん話にならないこともあって。だから直接、本家本元に尋ねるのが早いです。正確だし。
東川:厚労省の人に聞いてもわからんこと、ようありますけどね(笑)。「私、よう知りまへん」と。とりあえずリリースだけ済ませてもうて、中身はあんまり固まってないというようなの、結構ありますよ。
●東川「そもそも損保に勤めていて、なぜ社労士の資格を取られたんですか」
伊藤「資格オタクだったんです。宅建もCFPも取りましたし、銀行検定も」
東川「えーっ、銀行検定の何をお取りになったんですか」←元・銀行員、うれしそう
(その後しばし銀行検定の話に花が咲くが、編集はついていけず…)
□ ファックスDM×助成金の、強さ
編集:おふたりはとても仲よさそうなんですが、出会いのきっかけは?
伊藤:あれは…。そうだ、私、独立後1年で年商が1000万を超えて、これからも伸びるぞ~っと思っていたんですが、(手を下に下げて)落ちて行ってたころです。
編集:伊藤さんにもそんな時代が。
伊藤:というのは、助成金をやめたんですよ。やめる宣言したんです。脱・助成金って。なんでかというと、やっぱり助成金って邪道だろうと。いくら売上1000万超えたって、「何だ、おまえ、助成金で1000万超えて、何偉そうなこと言ってんだ」って、言われたことないけど、言われるかなっていう(笑)。やっぱり社労士は顧問契約だろうと思って、もう助成金はなるべくやめようとしたら、もう全然うまくいかなくて。で、その年の12月だったかな、東川さんのセミナーに行って、1年間のコンサル契約を結んだんですよ。
東川:はい、そうでした。
伊藤:そのときに東川さんに言われたんです。「伊藤さん、伊藤さんのファックスDM×助成金の知識って、ものすごく貴重で、ハイレベルなんですよ」って。で、すぐに東京と大阪でファックスDMのセミナーをやりました。そこで、「自分が今までやってたことが売れるんだ、商品になるんだ」ということに気がついたんですね。考えもしなかったんです、そのころは。
東川:僕らは第三者やから、このノウハウすごい!ってすぐわかるんやけど、ご本人は普通にルーティンやっているだけやもんね。
伊藤:たしかに、ものすごい数のファックスDMやっていますから、ノウハウは持っていました。でも、そのノウハウを売る、という発想はなかったです。
東川:僕は多くの人に知ってほしいノウハウだとすぐ思ったんです。
編集:そして、ファックスDM単体だけでなく、それと組み合わせた助成金がこんなに強いんだという。
伊藤:そうですね、だからもう一回、助成金に回帰しました。で、助成金に特化した。ホームページも助成金にした。それまでは総合的というか、何でもありみたいな、就業規則も労就トラブルもやりますよっていうタイプのサイトでした。
●伊藤さんの「株式会社東京中央人事 東京助成金相談センター」サイトは、助成金に強いことが一目でわかる特化型。
「Web検索から顧客が来ることもあります。銀座や六本木からも。逆にこっちが驚いたりして(笑)」(伊藤)
東川:そこからグッと伸びましたものね。
伊藤:売上がガンガン増えていって。
編集:やっぱり社労士×助成金なんだ…。
伊藤:社労士で、「開業からすぐ成長したけれど助成金はやっていない」というのは、まず私は聞いたことがないです。たとえば「私、顧問契約でしかやりません」という社労士もいるでしょうけれど、「その顧問契約、どうやって取るの」ですから、独立して急成長というケースはあまりないでしょうね。よっぽど何か特殊なチャンネルにコネがあるとかでなければ。
編集:あっ、それでちょっとお尋ねしたいことが、でもお尋ねしにくいことが(笑)。
伊藤:はい、なんでしょう(笑)。
編集:伊藤さんの事務所って、代行手数料が、他所さんよりちょっと…あの…。
伊藤:はい、まさにそこなんですよ!
編集:???
(第5回につづきます)
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伊藤泰人社会保険労務士インタビュー <全5回>
「社労士×助成金は最強ですか?」
【もくじ】
1/助成金を積極的に扱う社労士は約1割?
2/ファックスDM、送るときのコツあれこれ
3/見込み客との面談時、どう語る?
4/助成金は社労士にとって、邪道か?
5/士業なら、「お金」まわりの仕事をしよう
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